茶の湯はもてなしの文化として発展してきました。
相手に対してどのように誠意を尽くしてもてなせば良いか。
常に心を遣っています。
亭主はお客をお迎えするにあたり、庭を掃き、道具の取り合わせ、設えを考え、
料理やお菓子を用意し、勿論 どこの詰めの抹茶が良いか。様々に趣向を凝らして
当日を迎えます。
これが、なかなかと難しいのです。
ある茶人が千利休に「茶の湯の極意とは何でしょうか?」と尋ねられた時に
このように答えられたといいます。
1、花は野にあるように
1、炭は湯のわくように
1、夏は涼しく
1、冬はあたたかに
1、刻限は早めに
1、天気にても雨の用意
1、相客に心をつけ候事
この7箇条は、誰でもがわかっていることを自然に行う意味の奥深さを説くと同時に、
知識として知っているのと、それを実行にすることは全く違うという教えでもあります。
あたりまえの事があたりまえに出来るようになる事こそ
「もてなしの心」の神髄なのです。
日々の心掛けが何より大切であり、そのために日々のお稽古があるのです。
人を思いやり、もてなすと云うあたりまえの事を美と捉えたのが茶の湯なのです。
