明けましてはじめにしたことが、足の爪を切ることだったので、それはちょっといかがなものかと思わないでもないWIMPです。皆さま、よいお正月を過ごされてますか。一年の抱負として「今年は本の感想を書く」と毎年毎年書き続けることに、わたしはいいかげん飽きてきました。有言不実行もいいとこです。あれ、「有口無行」 だっけ。まあいいや。皆さま実行してますか。してるな。してるんだな、わたし以外はみんな。とか考え始めて自分のダメさ加減に耐え切れずに焼酎を湯で割る元日の昼下がり、そんなわたしの最近のたのしみは、寝る前に『珍説愚説辞典』を拾い読みすることです。ええ、どこか歪んでる自覚はあります。
珍説愚説辞典/国書刊行会

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2014年、読書メーターに登録した「読み終わった本」は33冊。我ながら少ないのに驚いたね。まあ、この冊数は「最初から最後まで読んだ本」の冊数であって、「なんとなく拾い読みした本」や「読みはじめたはいいが読み終わらなかった本」もあるし、読んだことを世間様に知られたくない本もあったりするわけで、そういうのは当然登録していないので、もっと読んではいるのだけれども。
そして感想を書いた本はそのうちの5冊。これはほんとに少ないな。まあ、ツイッターなど他所で書いてるのもあるのではあるが。いろいろ思うことは思ってるんだけど、そのうちブログで書こうとかして放置しているうちに記憶が薄れるという。まああれです、再読するたのしみがね、できますね。
ほんで今回はじめて読書メーターのまとめ機能というものを使ってみた。少ないので1年分まとめて以下に。
2014年の読書メーター読んだ本の数:33冊
読んだページ数:9581ページ
ナイス数:61ナイス
変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)の
感想「変身」は何度も読んでいるが、意外に滑稽であることに気づいたのはわりと最近のことで、ここ何年かは笑いながら読んでいる。丘沢訳のいいところは、繰り返しをいとわぬコテコテ感。それはともかく、やはり凄い小説。この短い物語を、多くの人がさまざまに解釈しているが、そのどれもを受けとめられるのは、ここに意味というものが欠落しているからだ。物語のありようは夢に似ているが、物語自体は現実の似姿であり、夢のようでも嘘くさいところがない。世界がその様相を変えても「変身」はそれを映し出す。この純粋さを思えば少し恐ろしくもある。
読了日:1月7日 著者:
カフカ
カフカ傑作短篇集 (福武文庫―海外文学シリーズ)読了日:1月7日 著者:
フランツ・カフカ
グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)読了日:3月8日 著者:
F.スコットフィッツジェラルド
コドモダマシ ほろ苦教育劇場 (角川文庫)の
感想この著者にしては毒気が薄いし、一つのセクションが短すぎるような気がして少々物足りないが、面白くないわけではない。「コドモダマシ」というくらいで、はじめは「お子さん」の仕掛けてくる無邪気なようで鋭い質問に、「お父さん」が反則技(子供が読めないからといって英語の資料を使い、書いてあることを捻じ曲げたりはしていないが、その文脈を無視して引用するなど)も使いつつ回答、最終的に「お子さん」をうまいこと丸め込んでいたのが、回を重ねるにつれて、わりと正攻法の回答になっていくのが残念で、歯切れの悪い感想を持ってしまった。
読了日:3月12日 著者:
パオロ・マッツァリーノ
子どもの難問の
感想子供がふと持つような疑問に、一問につき二人の哲学者が、簡潔に、しかし手を抜かず回答。同じ問題に対する反応の違いを比べたりできて楽しい。回答といっても「○○って何?」という質問に「○○とは△△だ」という答が返ってくるとは限らない。「自分と同じこと考えてる」とか、「自分とは違うけど、こういう考え方もあるのか」なんて思う経験や、解がなさそうな問いをも「考えずにはおれない人々」の魅力が、読み終わった後も「考え続けること」へ、あるいは議論へと読者を誘うこの本を、子供が読んでくれると本当にいいと思う。もちろん大人も。
読了日:3月12日 著者:
これはペンです (新潮文庫)読了日:3月30日 著者:
円城塔
夢奇譚 (文春文庫)読了日:4月4日 著者:
アルトゥル・シュニッツラー
伝奇集 (岩波文庫)読了日:4月17日 著者:
J.L.ボルヘス
13歳からの反社会学 (角川文庫)読了日:4月22日 著者:
パオロ・マッツァリーノ
悪について (岩波新書)読了日:5月31日 著者:
中島義道
天馬賦 (中公文庫)読了日:6月13日 著者:
石川淳
カンディード 他五篇 (岩波文庫)読了日:7月1日 著者:
ヴォルテール
短篇小説日和: 英国異色傑作選 (ちくま文庫)読了日:7月13日 著者:
夜の樹 (新潮文庫)読了日:7月30日 著者:
トルーマンカポーティ
ティファニーで朝食を (新潮文庫)読了日:8月10日 著者:
トルーマンカポーティ
アルマジロ王読了日:8月20日 著者:
島田雅彦
遠い声遠い部屋 (新潮文庫)読了日:8月26日 著者:
カポーティ
自由死刑 (集英社文庫)読了日:9月9日 著者:
島田雅彦
誰も調べなかった日本文化史: 土下座・先生・牛・全裸 (ちくま文庫)読了日:9月23日 著者:
パオロマッツァリーノ
就職難!! ゾンビ取りガール(2) (モーニング KC)読了日:9月29日 著者:
福満しげゆき
僕の小規模なコラム集読了日:10月14日 著者:
福満しげゆき
島田雅彦芥川賞落選作全集 上 (河出文庫)読了日:10月20日 著者:
島田雅彦
島田雅彦芥川賞落選作全集 下 (河出文庫)読了日:10月22日 著者:
島田雅彦
百年の誤読 海外文学編読了日:10月29日 著者:
岡野宏文,豊崎由美
盆栽/木々の私生活 (EXLIBRIS)読了日:11月5日 著者:
アレハンドロサンブラ
目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)読了日:11月9日 著者:
金井美恵子
目白雑録 2 (朝日文庫)読了日:11月9日 著者:
金井美恵子
目白雑録 3 (朝日文庫)読了日:11月18日 著者:
金井美恵子
遊戯の終わり (岩波文庫)読了日:11月24日 著者:
コルタサル
愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)の
感想「いや、あんたそんなことしてる場合じゃないでしょ!」と何度ツッコミを入れたことか。逃亡の最中に偶然目にした講演会場にふらりと入ってしまう逃亡者も逃亡者なら、殺すために人を追っているにもかかわらず空中庭園でなごんでしまう追跡者も追跡者。誰一人まともといえる人間はおらず、ひょっとしたらこの人がいちばんまともなのでは、と思われた殺し屋も、プロとは思えぬまさかの失態。なんなんだこれは、と馬鹿笑い。しかし滅法面白い。小説としては唐突に見える、なんの徴もない場面転換には、映画的な息遣いを感じる。すぐれて視覚的な小説。
読了日:11月26日 著者:
ジャン=パトリックマンシェット
幸せな哀しみの話―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)読了日:12月4日 著者:
不思議屋/ダイヤモンドのレンズ (光文社古典新訳文庫)読了日:12月15日 著者:
フィッツ=ジェイムズオブライエン
コンラッド短篇集 (ちくま文庫)の
感想「文明の前哨地点」が凄い。「文明」(日本語タイトルのこの言葉には「光」が含まれている)の側に身を置き、それに無自覚に守られてきた二人の愚鈍な白人が、「暗黒」の(と「文明」人のいう)アフリカの奥地に置き去りにされ、次第次第に「闇」に呑まれていくありさまを描いているといえるのだが、彼らを呑みこむ「闇」とは、ほかでもない彼らのいわゆる「文明」の持つ「冥さ」であり、彼らが「暗黒」の他者として考えるアフリカは、それを顕わにする契機にすぎないわけだ。とはいえ、結構笑える話でもある。「え、そんなことで殺し合い?」とか。
読了日:12月21日 著者:
ジョウゼフコンラッド読書メーター以上、わたしの2014年はカフカにはじまってコンラッドに終わる1年でした。年越し読書は何度目かの"Heart of Darkness"ということで、2015年は暗黒ではじまりました。
Heart of Darkness and Other Tales (Oxford World.../Oxford Univ Pr (T)

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(コレね。表紙もスゴイですね)
皆さまのこの1年が光輝あふれるものであらんことを、闇の奥よりお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。