「忘れられた巨人」カズオイシグロ
★★★★☆
ノーベル文学賞受賞で盛り上がっているカズオイシグロの最新刊です。
前作「わたしを離さないで」から10年!
今回はなんとファンタジーです!
まぁ、「わたしを離さないで」も架空の世界のお話だったのでファンタジーとかSFの要素もあったんですけど、今回は竜とか出てきますよ!
小さな村で暮らす老夫婦が息子に会いに行くって話です。
旅の最中に最近、どーも村人たちの記憶が消えるという現象があり、その記憶が消える原因が竜の仕業だとわかる。
竜退治をするための騎士と出会い老夫婦は記憶を取り戻すために竜退治に向かうことになる。
みたいな、お話です。
こう書くと本当にめっちゃファンタジーな感じがしますが、実際に読んでみるとそれ程ファンタジーファンタジーしてません。
まず、主人公が老人というところから普通のファンタジーとは違いますよね。
旅の序盤で船頭から、ある島の話を聞きます。
その島へ渡ることが出来るのは、
本当に愛し合っている夫婦
だけ、という。
なんか、この本当に愛し合ってる人だけ~ってのはカズオイシグロの前作
「わたしを離さないで」
の中でも出てきましたよね。
本当に愛し合ってるカップルならば提供に猶予が与えられる。
みたいな。
この、愛の証明に関しては「わたしを離さないで」では、実際には行われないのですが、今作では船頭からある質問をされ、その答えを聞いた船頭が愛の深さを判断するとか。
2人の愛の深さを証明することなんて実際はできないんでしょうけど、この辺に割とこだわりがあるのかなー?って感じします。
物語の中でもかなり重要なポイントなのではないかな?と思っていますが、その真相はわからないまま物語は終わります。
あと、この物語は民族の違いで憎み合ったりしてます。
この辺は難民問題を抱えるヨーロッパの現状と重なってたりするのでしょうか。
それと、重要なのがこの物語は人間の記憶に関する物語だということ。
竜を殺して記憶を取り戻す。
という大筋なんですけど、物語の途中で
本当に記憶を取り戻してもいいのか?辛い記憶は消えたままの方が幸せなんじゃないか?
って主人公が考えるシーンがあるんですけど、本当にどっちが幸せなのかは謎ですよね。
曖昧な記憶や、自分の中で作り上げている記憶というのが人にはあって、その積み重ねで生きてる。って思います。
その人を作ってるのはその人の記憶で、でもその記憶も不確かなもので、人間はそんな不確かな存在だー、なんて思いました。
今回、カズオイシグロがノーベル賞文学賞を受賞したことによって普段はこの手の小説を読まない人と沢山カズオイシグロの本を手に取ったはずです。
それは、とても嬉しいことです。
こーゆー人の本はもっと売れてほしいと常々思ってましたので、沢山の人がこの本を読んだと思うと嬉しいです。
まだカズオイシグロの小説を読んだことないって人はこの機会にぜひカズオイシグロの小説を読んでみてください。
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