「悪魔の百唇譜」横溝正史
★★☆☆☆
昭和32年1月に発表された「百唇譜」という短編小説を、その年の10月に長編として発表されたもの。
金田一耕助が活躍する推理小説のシリーズです。
ちょっと久しぶりに金田一の探偵小説を読みましたが、このはそれほど面白い感じではなかったかな、というのが正直な感想です。
いやー、悪くはないんですよ。
面白い部分も沢山ある小説なんですけど、やはり他の金田一シリーズの有名な作品に比べるとちょっと物足りない感じがありました。
高級住宅街で放置されていた車のトランクから血まみれの女性の死体が発見される。
死体の身元は死体発見場所のすぐ近くに住む中国人李氏の妻で元ホステスの女だった。
死体の胸にはトランプのハートのクイーンが残されていた。
さらに、別の場所に放置された車のトランクからは若い男の死体が発見される。
その死体にはハートのジャックが凶器のナイフと共に刺さっていた。
警察の要請により、事件を調査することになった金田一耕助は、殺された2人の接点を探るうちに「百唇譜」という題の付いたノートを発見する。
そのノートには様々な女性のキスマークと、イニシャル、さらには写真まで記載されていた。
ノートを巡って犯行が行われたと推理した金田一だったが・・・・
みたいな内容です。
この「百唇譜」という題が凄いですね。
こーゆー発想はなかなか常人には思いつかないと思うので横溝正史の凄いところだと思います。
事件も車のトランクから死体が発見されて、しかもトランプがおいてあるという共通点があります。
トランプが重要なキーポイントになるのかと思いきや結局それほど重要ではない感じなのがちょっとびっくりでした。
やはり、タイトル通り重要なアイテムとしては「百唇譜」です。
この「百唇譜」はかなりえげつない内容のようで、なかなかゲスいです。
金田一耕助の活躍という意味では正直、金田一がいなくても警察だけで十分解決できた事件じゃなかったのかな?って思ってしまいました。
重要な証言をする人物が金田一にしか言いたくない、みたいなことを言うんで、やはり金田一の功績が大きいのかもしれないんですけどね。
それにしても、もうこの頃には金田一は有名探偵になっていて警察からも引っ張りだこって感じです。
で、金田一が事件を解決するたびにメランコリーな気分になってしまって、しばらく田舎でゆっくりしたい。って思ってるんですけど、結局は警察に頼まれて事件にかかわってしまうんですよね。
今回もゆっくりするどころか胸糞悪い事件と関わってしまって結局はさらに憂鬱になっちゃう。
金田一耕助という人物がああ見えて凄く繊細な心を持っているんだな、ってのがわかってそこは面白かったです。
まぁ、養生のために田舎に行っても結局はそこで何かしらの事件に巻き込まれることになるんでしょうけど・・・・
金田一の有名作品はさんざん読みつくしたよ!って方にはいいかもしれませんが、まだ「八つ墓村」や「悪魔の手毬唄」なんかを読んでないって方はまずはそちらから読むのがいいと思います。
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