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渋谷宙希のブログ

音楽、映画、写真、本。趣味のブログです。

 

「この世界の片隅に」

★★★★★

【公開】2016年
【製作国】日本
【上映時間】126分
【監督】片瀬須直
 

 

 

2016年はアニメ、特撮の当たり年なんでしょうか。

 

 

特撮では「エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督による「シンゴジラ」、アニメでは新海誠監督による「君の名は。」などが大ヒット。

 

 

そんな中、全国63館という小規模で公開された「この世界の片隅に」は、ぴあ調査による満足度ランキング1位を獲得。さらにい、SNSでの口コミが話題になり人気を博している作品です。

 

 

さらに、映画好きの間でもとにかく絶賛の嵐が巻き起こっており、映画評論家の町田智浩は2016年のベスト映画に選び、ライムスター宇多丸も絶賛、オタキング岡田斗司夫は100点満点の点数を付けるなど、かなりの評判。

 

 

原作はこうの史代による漫画作品で、アニメの企画は監督の片淵須直自身でされ、クラウドファンディングにて資金を調達し、国内のクラウドファンディングでは過去最高人数の支援を受けることができ、制作が開始されたようです。

 

 

邦画はあまり観ないし、観てもあまり絶賛できる映画には出会えない自分なんですが、この映画だけは参りました。

 

 

アニメ映画としてもかなり革新的な感じだったし、日本映画としても映画史に必ず残る名作だと思いました。

 

 

もはや、8月に「蛍の墓」が放送されることはなくなるんじゃないでしょうかね。

 

 

来年からは、もう「この世界の片隅に」が放送されることになるでしょう。

 

 

今まで観た戦争をテーマにして映画の中でもベストではないかな、と思います。

 

 

物語は昭和19年から数年の広島が舞台。

 

 

主人公はすずという少女。

 

 

19歳で結婚し、呉に嫁ぐ。

 

 

戦争で世の中が暗く沈んでいく中でも、懸命に暮らしを守っていく。

 

 

 

 

という、物語。

 

 

戦争中の広島が舞台ということなんで、もうラストに何が起きるかはわかりますよね。

 

 

この映画は割と最初から最後までどんな物語なのかは予想ができるような内容です。しかし、凄く面白い。

 

 

いや、面白いとは違うのかな。。。

 

 

物語を見る映画という感じではなく、何といえばいいのか、個人的に感じたのは

 

 

映画の世界の中に入ってしまう

 

 

ような映画なんです。

 

 

映画の世界と自分自身が同化してしまうんです。

 

 

こういう体験は今まであまりしたことがありません。

 

 

映画を観ている間その映画の世界に入り込んでしまっていたので、観終わってからもしばらくは、平和な現代に存在している自分がなんだか不思議に感じてしまってました。

 

 

この世界に引き込まれていく感じはもちろん、監督の意図していることのようです。

 

 

主人公のすずさんが実在の人物のように丁重に描かれているんですが、それだけではなく映画に登場する今はもう存在しない広島の街や、呉の街をかなり綿密な調査を行い忠実に再現しているようです。

 

 

そこらへんを歩いている人たちも個人を特定できるという徹底ぶり。

 

 

どこの誰か、というのがわかるっていうんだから驚きますよね。

 

 

でも、現実はそうなんですよ。

 

 

全ての人に全てその人の人生がある。

 

 

脇役とかいないんですよね。

 

 

この映画はその辺りをかなり徹底的に作り込んでいる。だから、絵はリアルな感じではないのに、人物も背景も全てはリアルなんです。

 

 

生きてるって感じがします。

 

 

 

 

そして、生きているのは人間だけではなく、虫や動物、さらには実際に存在するかどうかわからない不思議な存在もこの世界では生きているんですよね。

 

 

そんな世界で、戦争が行われているんです。

 

 

一種の戦争映画であることは間違いないんですけど、いかにも

 

 

戦争悲しい、戦争悲惨

 

 

って感じではないのがまた凄い。

 

 

この映画は確実に泣ける映画ではあるんですが、最初から最後まで流れている空気は

 

 

ほのぼの

 

 

してるんです。

 

 

悲惨な現実を生きている人々の間にも当たり前なんですけど、笑いというのが常にあるんです。

 

 

主人公のすずは絵を描くのが大好きな女の人なんですが、軍艦の絵を描いていると、憲兵に「貴様スパイか!」って激オコされるシーンがあるんですけど、そのシーンも凄くシリアスなシーンのはずなのに、笑っちゃうんですよ。

 

 

すずはのほほんとした、ゆる~い少女なんで

 

 

「こんな子がスパイって!」

 

 

ってなるんです。

 

 

一緒に怒られている義母や義姉も笑いをこらえるのに必死なんですよね。

 

 

とにかく、全体を覆う空気はコミカルでおかしいんです。

 

 

戦争映画なのに本当に凄い。

 

 

 

 

そして、この映画を観て本当に凄いって思ったのが、主人公すずの声を演じた

 

 

のん

 

 

です!

 

 

元能年玲奈さんですね。

 

 

この人、声の演技がこんなにもできるとは正直思っていませんでした。

 

 

声だけで本当に色々な演技をしていて、すずというキャラクターが本当に実在しているんじゃないかって感じになっている要因の大きな要素だと思います。

 

 

最初、少女の声で登場し、結婚するときも少女の声のまま、しかし、ある時に大人の声になり、最終的にはのほほんとした少女だったすずが、シリアスな声へと変化していきます。

 

 

キャラクターに本当にピッタリはまってて、凄い。

 

 

「あまちゃん」でもハマりまくっていて、他の仕事にも影響があったようだけど、たまたまあまちゃんにハマったんじゃなくて、能年玲奈の演技が凄かったんだな、って感じました。

 

 

 

 

アニメーションとしてもかなり動きなどをこだわったものになっていました。

 

 

日本のアニメーションは動画枚数をわざと押さえて、スピーディーな動きになるのが特徴なんだそうですが、「この世界の片隅に」では動画枚数を増やし、人間らしい動きを再現しています。

 

 

ちょっとしたシーンでも、実際にそこに人がいるって存在感を感じることができる作画になっており、とにかく凄い。

 

 

内容としては、戦争中ではそこには普段の生活を送る人々がいて、そんな普段の生活こそが貴重で大切なんだなぁって思わせてくれるものです。

 

 

すずというキャラクターも、ただのんびりしているだけではなく、心に弱さを持っていたり、闇を持っていたりしてリアルに描かれているのもいいです。

 

 

現在も劇場公開中の作品です。この作品は映画館で観て絶対に損なしの傑作だと思うので、まだ観てないって方はぜひ映画館でご覧になってください。

 

 

 

予告編

 

 


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