2017年2月5日(日)
現在、芦屋市立美術博物館で開催中の展覧会「この世界の在り方」に行ってきました。
この展覧会、正直言って
かなり良かったです!
現代アートが好きな人なら楽しめる内容になっていると思いました。
今回の展覧会のコンセプトは、要約すると
見えているものと見えていないものの関係性から多様な視点でこの世界を確認するための思考を深める場
だそうです。
目に見えるものが世界の全てではなく、目には見えない世界が存在しているということ。目に見えない世界を感じることで、世界の在り方を考えよう。ってことなんでしょうか。
何を見て、何を感じるか?
というのは、日ごろ割と忘れがちなので、こういう機会に見えない世界を想像して感じることができるというのが凄くいい機会でした。
今回の展覧会には4人の作家が参加しており、それぞれが独特の作品を展示していました。
会場に入ると、エントランスの部分でかなり目を引く作品が展示されていました。
河口龍夫の作品「杖までの距離」です。
この作品は凄い数の黄色く塗られた貝殻が同心円状に配置され、その中心にガラス容器に入れられたリンゴの種。その種に突き刺さるように杖が配置されています。
黄色い大量の貝殻がとてもインパクトのある作品でした。
人生の終盤に使うことの多い杖と、鑑賞者自身が立っている場所との距離には様々な意味が込められている気がしますね。
展示室へ続く階段を上がると、菅野聖子の作品「マックスウェル光の電磁波説」がお出迎えしてくれます。
タイトルになっているマックスウェルは19世紀の物理学者で、それまで目に見える「光」(可視光線)の研究がされてきたのに対して、目に見えない「光」である電磁波という概念を持ち込んだ人物。
見えないがこの世界に存在するものを明らかにした。
その後、アインシュタインによって「光は粒子(見える)でもあり、波(見えない)でもある」という二面性をもったものだということが証明されました。
この作品は油絵だと思うんですけど、幾何学的な模様のようなものが様々な色を使って描かれています。
描かれている線は数学、物理学、哲学の法則から導き出されているとのこと。
これは、目に見えない世界と目に見える世界の中間にあるような作品で、とても面白かったです。
展示室に入ると、最初に小沢裕子の映像作品「BLUE WAVE」が目を引きます。
ピアノのメロディの乗せてサーフィンや外国の景色、老人のインタビューなどが映し出されます。
聴きなれない言葉のナレーションが入っていて、そこには当然字幕が入っています。
しかし、映像が終盤になると、実はその字幕はその言葉を翻訳なんかしていない、ということがわかるんです。
見ている方はだんだん
「この映像は一体なんなんだ?」
ってなってくるんです。
この人の作品は全て凄く良かったです。
個人的に一番よかったのが、額に入った手描きの文章です。
文章を考えた人物と、それを書いた人物ば別々にいて、しかも、書いた人物は日本語を理解していません。
その文字の形を模様のように描いただけです。
その文章の意味はあるのか?
そこにある文字列はもはやただの模様ではないのか?
書いてある文章自体もとても面白くて、ちょっとだけ自分のTwitterでマネしてみたんですけど、思うようにいきませんでしたw
同じ展示室に展示していた伊藤在の作品は刺繍作品や粘土絵、映像作品など。
刺繍作品が一番印象的でした。
「わたしがふらっと立ち上がります。-ホラ、立ち上がったでしょう。これはわたしが立とうと思ったのです。そうんなふうな気分で立とうと思ったのです。これは一つの情緒です。立とうと思うと、四百いくつかの筋肉が、同時に統一的に動いて、じっさいに立ち上がるという動作を実現します。」
数学者の岡潔の言葉を手掛かりに作品を制作したようです。
岡潔の言葉が独特の美しさを持った詩的な感じに見えるのは私だけでしょうか?
これだから数学者って面白いです。
会場である芦屋市立美術博物館がそれほど大きな会場ではないので、通してじっくり見ても割とサクっと見れる感じもいいいな、と思いました。
全体的にはかなり満足な展示だったんですけど、残念なことが1つ。
エントランスに展示している「杖までの距離」という作品とてもインパクトがある作品です。
「撮影禁止」の表示がなかったので写真撮ってもいいのかな?と思いきや撮影は禁止でした。
これは、何というかもったいないですね。
今の時代、どうやってお客さんが来てくれるかと考えたら、写真の1つでも撮ってもらってSNSで拡散してくれたら、よっぽと広告費かけるよりも宣伝効果があるのに。
実際に日曜日の昼間に行ったのに、ガラガラでした。
こんなにいい展示をしているのに、誰もこの展覧会の存在を知らないんです。
来てもらってなんぼなんだから、せめて1つの印象的な作品だけでも撮影OKにすればいいのにな、って思います。
このことをフランスに住んでいる友達に話たら
「フランスではほとんどの美術館が撮影OKやのになんで日本はあかんのかな?」
って不思議がってました。
本当にそう思います。
なので、このブログも写真は1枚もありません。
文章だけで、この展覧会の良さ伝えるだけの表現力を持っていない自分としては、写真の1枚でもあれば楽なんだけなぁ、なんて思いながら書きました。
気になった方は今週末の12日まで開催中です。ぜひ足を運んでみてください。
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