映画「百円の恋」 | 渋谷宙希のブログ

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「百円の恋」

★★★★☆

【公開】2014年
【製作国】日本
【上映時間】113分
【監督】武正晴

 

 

 

第88回アカデミー外国語映画賞の日本代表に選ばれ、主演の安藤サクラはこの作品で第39回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を獲得しました。

 

 

公開当時から気になっていた作品なんですけど、Amazonビデオにあったんで今回観てみました。

 

 

かなり良かったです!

 

 

久しぶりに面白い邦画を観たなぁって感じました。

 

 

かなりの低予算で制作された映画なんですけど、お金かけなくても面白い映画は作れるというお手本のような作品でした。

 

 

しかも、この映画撮影期間がたった二週間しかなかったようなんですけど、主演の安藤サクラは見る見るうちに体系が変化していくんですよ。

 

 

凄いなぁ、って単純に思います。

 

 

日本アカデミー賞主演女優賞は当然かな、って感じします。

 

 

 

 

32歳にもなって仕事もせず、実家の弁当屋の手伝いもせず、親のスネをかじるだけの自堕落な生活を送っていた一子だったが、離婚して実家に帰ってきた妹二三子との大喧嘩をきっかけに人生で初めて家を出ることに。

 

 

 

 

安いアパートを借りた一子は、よく買いものに行っていた100円ショップでアルバイトを始める。

 

 

仕事をするのも初めてだった一子だったが、その店の従業員は全員なんらかの問題を抱えており、自分のダメさを気にしなくて済む場所だった。

 

 

一子は、100円ショップから自宅へ帰る途中にあるボクシングジムでストイックにボクシングに打ち込む中年のボクサーに興味を持ち始める。

 

 

ある日、気になっていたボクサーが100円ショップで大量のバナナを買うが持って帰るのを忘れたため、ボクシングジムまでバナナを届けに行くことに。

 

 

そこで、一子は気になっていたボクサー裕二からデートに誘われる。

 

 

人生初のデートをした一子はますます裕二に興味を持ち、裕二のボクシングの試合へ行くことになるが・・・・・

 

 

 

 

 

といった内容です。

 

 

この物語は前半と後半で少し趣が変わります。

 

 

前半は、一子を筆頭にバイト先にいるダメ人間たちの生活をゆるーく描いています。

 

 

後半は、ボクシングに目覚めた一子の熱い生活。

 

 

個人的には前半のゆるーい感じが凄く良かったです。

 

 

山下敦弘の初期作品(「ばかのハコ船」や「リアリズムの宿」など)のようなコメディで、かなりギャグのセンスが良いです。

 

 

特に、いいのがバイト先にいるバツイチの中年野間です。

 

 

こいつが最低過ぎて最高なんですよね。

 

 

つねに喋り続けてて、うるさいし、言うこともキモイし。

 

 

こいつが、バイト初日の一子に

 

 

「mixiやってます?あたし、この店の人全員とマイミクなんすよ」

 

 

みたいなことを言うシーンがあって、ここで爆笑しました。

 

 

いまさらのmixi!

 

 

マイミクとは久しぶりに聞いたよ!

 

 

こいつは、要所要所で最低っぷりを出してきてくれて、とてもいいキャラでしたね。

 

 

ゆるいギャグでいえば、一子が風邪引いて、裕二が看病するシーンがあるんですけど、ここも凄くいいです。

 

 

料理とか作ったことない、裕二が一子のために一応頑張って飯を作ってくれるんですけど、それが

 

 

肉の塊を焼いただけのもの

 

 

なんです。

 

 

切ってないから噛みちぎらないといけないし、固いし、味付けもどうやらしてないみたいです。

 

 

そんな、肉の塊をかみちぎりがら、幸福を感じる一子が面白いやら、泣けてくるやらで最高なんです。

 

 

キャラクターでいえば、最低の野間が辞めて、代わりに入ってきた若い兄ちゃんも良かった。

 

 

「マジっすか」

 

 

しか言わないというね。

 

 

ただ、レジの金を盗んでクビになったおばさん池内は微妙でしたね。

 

 

 

 

この人はいらなかったかなぁ、と思います。

 

 

邦画の悪いところが出てるなぁ~

 

 

って思ってしまうキャラでした。

 

 

何といっても、この映画は主人公の一子ですよ。

 

 

演じる安藤サクラは本当に凄かったです。

 

 

物語の序盤はお腹もプヨプヨしてて、いかにもお菓子ばっかり食べてる引きこもりニートって感じの体形なんですけど、ボクシング初めてかたみるみる締まってくるんですよね。

 

 

最終的にはすっかりボクサーの体になってました。

 

 

二週間でどーやってこんなに体形変えれるの!?

 

 

ってマジでビビりますよ。

 

 

 

 

一子のキャラクターも凄くいいです。

 

 

32年も引きこもってた割にはわりと社会性もあったりするんですけど、この人がどんどん成長していく姿がかっこいいんですよね。

 

 

家でるだけでこんなに人生変わるんだな

 

 

って思える映画なんで、現役の引きこもりの人にはぜひ見ていただきたいです。

 

 

で、相手のボクサーもやっぱりダメ人間なんです。

 

 

2人の姿を見ていると

 

 

今後この2人は業田良家の「自虐の詩」みたいになっていくんじゃないかなぁ~

 

 

って思えてきてなんか泣けるんですよね。

 

 

後半のボクシングに熱血していく感じは個人的にはあまり好きではない展開でしたが、これがあるからこそヒットするんだなぁ、って思います。

 

 

最後までダラダラしていないところが熱いんですよね。

 

 

そして、この熱さが感動になるんだろうな、と。

 

 

とにかく、最近の邦画ではベストじゃないかと思います。

 

 

見て損なしの良作です。

 

 

気になった方はぜひご覧ください。

 

 

 

 

予告編

 

 

 

 

 

 


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