彼を見送って、心がぽっかり
すっかり抜け殻になる...



昼頃に眠り、夕方に起きる


弟が南アから帰国し、お土産にロイボスティをもらう



しばらくTVを観て過ごしていたが
深夜メッセンジャーを起動


元彼がオンラインだったので
ついつい声をかけてしまった

さみしかった



「これから遊びに行こうか・・」



今朝感動的な朝を迎え、別れたのに
24時間もたたないうちに再会

昔のようにダーツで馬鹿騒ぎする


どうしても離れられなくて
また一緒に帰宅

「今日アメリカに行くから..少しだけ眠ろう」


だけど起きたら夕方だった


予定が狂った彼は私と過ごしたことを後悔し
機嫌を悪くした

そしてまた喧嘩


彼は、もう帰るよ。と部屋を出て行った

このまま喧嘩別れするのは嫌だった
別れる時は笑顔で送りだしたい、そうしないと絶対に後悔すると..
駐車場まで追いかけ引き止めた


「怒ったまま行かないで」

「俺だって同じように思っているよ」

じゃああと2時間だけ・・


もう一度部屋に戻った


彼のぬくもりを忘れたくなくて
ずっと抱きついていた


昨晩ひとりのレーサーが事故で亡くなった

そのためか私も彼自身も不安が増長してた


(最後かもしれない・・)


肌を合わせると彼の体温、皮膚、汗、鼓動..
普段あまり感じない感覚が肌をとおして
ヒシヒシと伝わっきて感動した


今度こそ・・
今日こそ・・


さようなら、がんばって
私に原因はなくても自暴自棄になっている彼が心配だった

本当にこのままではレースに失敗してしまう
最悪の場合命を落としてしまう

それだけが心配だった


どんだけ傷つけられても、どうしても彼を見捨てることができない
私が一番バカ野郎なのかもしれない

バカでもいい、彼を失うのが怖かった
少しでも彼をフォローし、より良い状態で彼をアメリカへ送りたかった



横浜からうちへ一緒に帰ってきた

彼はFried PrideのDVDを観ていた

そうこうしている内に、私の気持ちも知らずに
また不毛な会話が始まった


12時間経過してまた同じ会話をしていた


彼は何もわかっていなかった


この数ヶ月溜め込んだ想いを一気に吐き出した


そして彼は突然私の服を剥ぎ取り
身体中を噛み始めた

獣のように愛し合い
互いに泣きながら彼は私の中で果てた


だらだらと時は流れ、夜になっていた


家にあるものだけで夕飯を作り
質素だけど、久々にご飯がおいしく感じた


彼との過去は戻らない
幸せだった頃には戻れない


彼が先日あの女に連絡をとり、また裏切られたことが
不機嫌の原因だったことを知る


私自身前のように彼を愛せない
前のように愛すれば、また傷付くのがわかるから

残念だし悲しいけど
彼とはまったく新しい関係を築こうと思った

情けない男だけど、彼は一生私に必要な人
今後誰かに恋をしたとしても、彼のことを愛し続ける
恋愛の域を超越した特別な関係

誰にも理解されないことだけど、
誰の理解も必要としない
彼と私だけが分かればそれでいい


彼にその気持ちを伝え、
ずっと心は繋がっているから
とにかくレースに集中するよう説得する


毎回私は「これが最後になるかもしれない」と思って人と別れる
だけど今日ほどそう感じたことはない


彼といつまでも抱き合い、たくさんキスをした


彼ならきっと生きて帰ってくる


そう信じている


今朝の夜明けは取り立てて美しくなかったけど、
新しい朝を彼と迎えることができてよかった


そして彼は朝焼けの中帰っていった





朝帰り


少し眠りたかったが転職活動もしなければならず
2日分のメールチェックをし、派遣会社にコンタクトをとり
忙しく過ごす


昼過ぎに元彼からtel

別れる前にFried Prideのライヴに行く約束をしていた
待ち合わせ時間を決める


約束の時間まであまり時間がなかったので、
大急ぎでシャワーを浴びる

支度を終え、元彼を待っていると一本の電話

先日面接をした会社からOKが出たとの
派遣の営業担当からの連絡だった





16時頃彼が迎えにきた

車に乗った途端に連絡が取れなかった件について問いつめられる

(もう関係ないから言わない。言いたくない)

そう突っぱねると、彼の機嫌は最高潮に悪くなった

2日前に会った時と明らかに態度が急変してた
おそらく私の言動だけが原因じゃないだろう


横浜に向かうための第三京浜は、まさに地獄のドライブだった


彼は周りの車に悪態をつき、煽り、クラクションを鳴らしまくり
何度も他の車に接触しそうになった

(このまま事故って死ぬかもしれない・・)

何度もそう思った

でも不思議と恐怖感はなかった

このまま死んでも悔いはないし、
むしろ楽になれるかもしれない

冷静だった



車は横浜に着き、以前よく行った大桟橋の駐車場へ

会話はなかった
大桟橋から赤レンガ倉庫に着き、Cafe Maduで遅い昼食をとっている時も...

図らずもCafe Maduのその席は、彼が鬱病だった頃
赤レンガ倉庫を訪れた時と同じ席だった

トイレから帰ってくると、「ひとりにしてごめんね..」と言って
キスをしてくれた優しい彼がいた

病気で辛くても思いやりのある素敵な人だった



だけど今は・・・



ようやく食事を終え、向き合った時
彼は私を睨んだ


私の感情のコントロール機能がプチっと切れた

「一体何なの?」

すると彼は、女に裏切れてばかりで
誰も信用できないから、これからは1人で生きる

・・とワケのわからないことを言い出した


私は心の中で笑っていた

そして泣いた

店のスタッフも他の客も関係ない
ボロボロを涙を流し続けた


信頼し、愛した人に裏切られ、もうまともな恋愛なんか出来ない
と思っているのは私だ


それなのに
私を裏切ったその男は私の目の前で
被害者ぶって悪態をつき、将来を悲観している
まったくばかばかしい


私が愛した男はこんなに間抜けだったのか


近々レースのために渡米する彼

私は、
そんな精神状態ではレースにでても死ぬよ・・と言った

彼は、
わかってるよ。だから死ぬかもしれない・・と言った


不毛な会話が続いた


そんなに誰も信じられないなら、私のことも信用できないんだね
先日あげたiPodの裏のメッセージ

"You're my soulmate, forever"

喜んでくれたのも嘘だね
私が今からそのiPod東京湾に投げ捨ててきてあげるよ

一生そうやってひねくれて生きていけばいい!!
あなたには人を愛する資格も愛される資格もないよ


私は彼をたくさん罵ったけど、彼の辛さ、不安もわかっていた
それがあの女に原因があるとわかっていても


彼は観念したようで、店を出ようと言った

赤レンガ倉庫の雑貨屋を手を繋ぎながら見て回った
だけどやはり彼はどこか上の空で、心はそこになかった

ライブの後、ゆっくり大桟橋の駐車場に戻った

私はこの1年を振り返っていた
幸せだった頃のこと

鬱病の彼を初めて大桟橋に連れてった日のこと
大桟橋で夜が明けるのを芝生に寝転がって見つめていたこと
初日の出を見に行ったこと

みなとみらいの景色が涙で歪んだ

電車は動いていたけど帰る決断も互いにできず
何となくネットカフェで1時間過ごし、
6時過ぎに駅に向かう

駅のホームで電車を待っていた

乗る電車はまったく別の方向

私はWが好きだけど、元彼のことも心の片隅にあった
だから今日は帰ろうと思った

それぞれの電車がホームに入ってきた時、彼が言った
「海に行こうか!」

ダーツバーで
(海に行きたいな・・)と私が言った
その言葉の返事がその時返ってきたのだ


「さぁ、どっちの電車に乗る?」

いたずらっぽく彼は言った



海に行くことはないと確信していたけど
彼と同じ電車に乗った


一日中愛し合い、眠った



結局家に帰ることはなかった



ケータイの電源は切りっぱなしだった


朝起きてメールをチェックすると
元彼から「電波の届かない所ってどこにいるんだよ!」

怒りのメールが入っていた


もう関係ないのに..




昼過ぎに恵比寿にて面接


特に問題なく終了

結果はどうでもいい
決まっても決まらなくても何とも思わない


そんなことよりも夜Wに会うことが
頭から離れない



20時渋谷


Book1stでひたすら立ち読み


村上龍の"ポップアートのある部屋"を買った

先日元彼に返却したばかりの本



21時Wからtel

渋谷駅前のLOHBにて1ヶ月ぶりの再会

店の雰囲気は落ち着いていて好きなのだが
ちょうど隣に騒がしいグループがいてイライラした


私は先月渡米した時に彼のために買った赤ワインを渡し、
彼は1ヶ月前彼の部屋に忘れたNixonの腕時計を持ってきてくれた

旅行の話、音楽の話
時はゆっくりと流れた

昔付き合っていた頃は、沈黙が嫌だった

だけど今はそれが私には心地良かった


日付が変わる直前に店を出た

「この後どうする?終電ある?」


私は帰りたくなかった

彼は帰りたいのか、帰りたくないのか
わからなかった


「明日は仕事が休みだから・・」

と彼は言うので、朝までダーツバーで過ごした