【1】  セラピストを取り巻く環境

 

      鍼灸マッサージや柔道整復師の国家資格を持った人と、リラクゼーションや

     エステサロンに携わる人達との職業上の大きな違いは、医療行為ができるか

     どうかということです。

     国家資格を持った医療関係者はその管轄が厚生労働省になり、常に医師法や

    関連する法律によって厳しく管理されています。

 

     一方リラクゼーションを目的とするセラピストは経済産業省の管轄に入ります。

    ここでは商売と言う観点からの管理を受けます。

 

    あくまでも商売的なサービスが目的ですから、広告宣伝もかなり自由にすること

    ができます。

 

     医療行為ではないため、「治療する」とか「病気が治る」といった言葉は厳禁で

    す。

    ですからリラクゼーションを行う人たちが、「医療行為」をすれば厳しく罰せられ

    ます。

 

    セラピストには医療行為をしてはいけない、という制約がありますが、

    一方商売として、工夫次第では何でもできるという可能性があります。

 

    現実にセラピストとしてたくさんのお客様の信頼を勝ち得ている方も多く、

    要は工夫と努力次第と言えます。

 

        医師法で禁止されている言葉です。 

 

       NG表現 

       OK表現

  効果があります。

  効果が期待できます。

  治療します。

  施術します。

  治ります。

  改善します。

  「神経痛です」と診断する行為

医師ではないので、診断は許されない。

  指圧する。マッサージする。

  筋肉を緩める。

   

        

 

           

                  【2】  セラピストの未来        

 

     今、医療の世界では「癒し」の効果が見直されてきています。

 

    認知症で受け応えのできなかった人が、ゆったりしたマッサージで自立できる

    ようになったり、音楽療法やアロマで自分を取り戻していく姿がテレビで放映さ

    れています。 セラピー犬ならぬセラピーロボットまで登場しています。

 

     これからは孤独な単身世帯が増えていきます。 

     お年寄りに限らず、若い人も孤独な人はいっぱいいます。

 

     さらにAI人工知能やITのロボット化でどんどん無味乾燥な時代へと変わって

     いきます。

 

      そんな中で、癒しを前面にしたセラピーはこれからもっともっと発展していくと

          予想されます。

 

     医療の分野でも、自然治癒力を高めるには“癒しの力”が欠かせないことが

    分かってきました。

 

    今、西洋医学と補完・代替医療を合わせた統合医療が行なわれるようになって

    きました。  

    鍼灸指圧のほかに整体、アロマ、心理療法、氣功、太極拳などのさまざまな 

    業種の方が協力し合っています。

 

    これからは、 “癒しの心”を持つ人の役割はますます大きくなっていきます。

    セラピストとして、癒しとどのように融合していくかが大きなポイントです。