※ネタバレ御注意。
舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』全日程 終了、お疲れ様で御座居ました。
今回は伊藤さん&相馬さん回の前楽日のマチネを観劇させて頂きました。
残念ながら今回もまた様々な小さい事が気になって、現実に立ち返って世界に入り込めない自分の矮小さには辟易させられました。
演者さん達の膨大な台詞量を伴った熱量、エネルギーは十分に感じられたのですけれど。
淀みなく、という点に於いては、ソワレも控えているしなあという下衆の勘繰りをしてしまった部分も御座居ました。
観客も想像力を存分に働かせなければならない舞台という事でしたが、私にはそれが酷く難しかったのです。
様々な可能性の中から取捨選択し、断定して自分で決定付けるという事が恐れ多くもあり。
端的に言ってしまえば、決め付けたくなかった。
ありとあらゆる可能性を広げて散らかしたまま、そのままにしておきたかった。
彼・イーブが、もう1人の彼・クロードに何を求めていたのか。
クロードはイーブに兄弟愛を求めながら、何故 関係を結んだのか。
或いは、そういう陳腐な言葉のカテゴリーを取り払い、超越した関係、感覚だったのかも知れませんけれど。
イーブはクロードとの最後の夜、クロードの目に自分の現実を、或いは現実の自分を見出だしてしまって、それをクロードに気付かれたくないという衝動に支配されて犯行に(この表現には違和感と語弊がありますけれど)至ってしまったのか。
それともクロードと自分が1つになった幸せの絶頂のまま、クロードの世界を終わらせてあげたかったのか。
いずれにせよ、それが とてつもない“愛”であった事だけは確かでした。
ただ物語の中で、男前の客の件と判事の件は果たして必要だったのか?という疑問も、創造力や理解力の足りない私の中には生じてしまいました。
そして、今回 初めての金髪の相馬さんを拝見させて頂きました。
個人的に黒髪派だったので少し不安だったのですが、それがいとも簡単に払拭される程に似合っていらっしゃいました。
男娼という難しい役柄にも拘わらず、大人とも青年とも少年ともつかない曖昧な間の男性の危うさ、妖艶さが滲み出でいらっしゃいました。
体液という体液を撒き散らし(笑)、酸欠で倒れてしまうのではないかというくらいの圧倒的な体当たりの演技で挑み、戦っていらっしゃいました。
伊藤さんはデカグリーンでお馴染みですが、ゴセイでハイドさんの相棒にして幻のゴセイグリーン・マジスでもあるのですよね。
チーム戦隊、この共演は単純に嬉しかったです。
鈴木さんと井上さんのお二人は、シリアスなお話の中に笑いも織り混ぜて下さって、とても素敵でした(笑)
元が海外の公演という事情でDVD化しない舞台、今年一杯で閉館してしまう青山円形劇場での上演。
いずれに於いても、とても意味のある、意義のあるものだったのではないでしょうか。