松田凌主演の二「クロードと一緒に」
皮肉な物語だった。
当時のモントリオールのケベック独立運動について知る必要があると感じたし、原文を読まなければわからないクロードの普段の生活を知りたくて仕方なかった。
このまま、モントリオールに行き公園から馬車に乗ろうかと思ったほどに。
イーヴは愛されて有頂天になっている子供でクロードとの最後の別れが本当には理解出来てない。
だからあの日のイーヴを見かけた仲間は「薬でもやってるんじゃないかってくらい上機嫌だった」と言っているし、いつもどおりに客引きをして、それからいもしないクロードを探す。
現実を直視するには愛しすぎていたのだと。
刑事に話してる内に理解する。
「わからない!わかんないよ!」と絶叫しながらイーヴは本当の事を理解していく。
そして一番の現実に戻る。
自分が時間稼ぎをしてどんなにクロードを愛しているか語っても結局彼は帰ってこないし、自分はただの男娼だと。
そして諦める。
脚本が秀逸だと感じた。
原文ではどの程度スラングや当時の時代背景が語られているのだろうか?
気になる。
そして、熱演した松田凌氏に拍手
千秋楽、蹲って嗚咽した姿が未練の塊で。
それはイーヴの姿だったと思う。
千秋楽でのトリプルではチラッと微笑んだ気がしたけれど。
それでも合掌はなく。
それゆえに、入り込むタイプの演劇の、がむしゃらに演技する、泣き叫び顔中ぐちゃぐちゃにして挑んだ「クロードと一緒に」が私の脳裏に焼き付いて離れないのだと思う。
了