そんな一目ぼれも、

うまい事いくわけが、無い。

だって、だって

同じ職場男性社員の鈴木さんが言っていた。

「あの人、結婚してるんだってね~」

私は、多分調子に乗っていた。

この職場には女の子が少ないから

ちょっとかわいいだけでチヤホヤされる。

だから彼もきっと仲良くしてくれる。と

私はほんとにバカだな

結婚しているなんて、スタート地点にも立てないよ・・・


奥さんは、どんな人だろう?

やっぱり綺麗な人なのかな?


しかし、この職場のびっくりな所は結婚してても関係ないじゃん

って言ってみんな面白がって協力してくる(汗

「谷口さ~ん 大木さん誘うからみんなで飲みに行こうよ~」

と、言ってくる軽い男は

私の好きな人、大木さんの同じ売り場の三ノ輪さんだった。

「だからさ~目黒さんとの事協力してよね♪」

三ノ輪さんは目黒さんの事が好きみたい。

三ノ輪さんは本当に整った顔のイケ面。

目黒さんもまさか自分が近づけると思ってなかったみたいでかなり毎日有頂天。

「三ノ輪さんも大木さんも本当にかっこいいよね~♪」

彼氏の居ない私達は毎日そんな会話をしていたっけ。

三ノ輪さんは実は結婚暦もあり、

借金も莫大だという噂。かなりヤバそう。

そして口が軽い!!

この男のおかげで

私が大木さん好きな事は売り場中に広がったのであった(-ω-;)


そんなある日・・・

「あの、今から休憩なんですけど・・・」

目の前に恋焦がれた大木さんが。

私に言ってるの?

これって一緒に行きませんかってこと!?

空気を読んでくれた鈴木さんが

「いいよ~行っておいでよ~」

と、言ってくれた。


大木さんとは三ノ輪さんによって無理矢理(?)

アドレス交換をしていたけど

まともにメールなんて送っていなかった。

だってそうでしょ?

結婚してる人にさぁ

そんなにメールなんてできるわけないじゃん・・・

だから、初めてまともに話ができる機会がやってきた。

多分私は浮かれていたと思う。

「一緒にいきましょう!!」

そして二人で休憩所に行った。

時間帯がズレていたのもあり、休憩してるのは私達2人だけ

色んな話をした。

なんだか、はじめて話すのに

すごく楽だった。空気??

この人の空気が、私と一緒だ。ふと、そう思った。

10分、15分話しただけなのに

この人ともっと話がしたくてしょうがなくなった。

そんな事初めて。

「あの、今度のみに行きませんか??」

「え、でも、奥さんいるのにいいんですか?」

大木さんが、誘ってくれた。

でもこれっていいの?

「飲みくらい全然へーきだよー。いつ暇??」

「私はいつでも」

大木さんはもうすぐ奥さんと友達と旅行にいくらしく

予定が合わなかった。

「突然だけど今日はだめ??」

「いいですよ~」

彼氏のいない私はいつも暇だったし

突然、今日飲みに行く事になった。

突然、降って湧いた大木さんとのデートに

私は緊張しまくっていた。

でもなぜか、心は冷静だった。

私の家と大木さんの家は歩いて10分程度。

こんなに広い大都会にいるのに

歩いて10分の場所に住んでいるなんて

運命なんじゃないかと、思った。

飲みは私の家の近所になった。


調子にのっちゃいけない。

この人と、どうにかなっちゃいけないんだ。

この人には家庭がある。

都合のいい関係になっても

苦しむだけ。

解っていた。

そんな事、人に言われなくても。

でも、止まらなかったんです。

この人を取り巻く空気と

笑顔に

私はもう

恋に落ちていたから



夏が来るたびに、

あの時もこんな暑い日だったなぁ。

と、思い出す。

多分この先何年もずっとずっと思い出すと思う。




私は何年も勤めていたお店を辞めた。

同時に付き合っていた彼氏とも別れた。

2年半も一緒にいたのに、

私の気持ちはあっさりしていた。

全部リセットして人生1からやり直したかったのだ。

もう、ストレスで眠れない日々からも開放されるっ!!

彼氏もいないから飲みも遊びも自由だ~!!


当時勤めていたお店ではチーフを任され、

毎日朝から晩まで職場にいて、

本当に、人間関係に悩まされていた。


次のお店では気楽にやろうと、決めていたのもあり、

アルバイト感覚で気楽にやれそうという理由で

有名家電量販店のBB電気で働く事が決まった。

大きな街ということもあり、

お客さんであふれているんだろうなぁ~と、ドキドキしながら初出勤

1つのフロアに色んな売り場が入っていて、

その中の小さな売り場が私の働く場所でした。

第一声が

「え・・・こんなに狭いの??」

でした。

「女の子は谷口さんと、もう1人いるから。あと3人男だけど、みんないい人だからよろしくね。」

と店長に言われ、早速働く事に・・・

「今日からお世話になります、谷口です。よろしくおねがいします」


「目黒です。よろしくね~!!」

もう1人の女の子、目黒さんはとても明るくて

仲良くなれそうな感じでほっとした。

猫みたいな大きな目と大きな口をした黒髪の女の子だった

「ねぇねぇ、彼氏いるの??」

え、いきなりその質問か!

「いないですよ~」

「え~!!居そうなのに~!!」

大体みんなそうやって言うよね。お決まりのように


目黒さんとはこの先しばらく遊んだりする事が多くなる。

そして後々、私を苦しめる存在になる。


仕事は、びっくりするほど暇だった・・・

だからフロアを眺めている事が多く

人間観察ばっかりしていた。


多分、一目ぼれだった。

一際背が高くて

整った顔の人。

少し離れた携帯コーナーで働くあの人。

ただ、名前を知りたい。

お話してみたい。

どこに住んでるの?

年はいくつだろう・・・


それだけだったのに。


この店に入ったのも

あなたに出会う為だったとしか考えられない。

私の運命の人。


本当にこの夏は暑かった