3月最後の日曜、29日は1年程前?から決定していた、現在のガールズ・メタルの中では最も勢力のあるLOVEBITESの武道館公演。海外でのツアーの数々をこなし、国際的にもある程度の認知度が増してきた彼女達だが、今回の武道館は、おそらく国内での動員がどのぐらいあるのかという事の証明になるだろう…と上から目線で見ていたら、自分が3月入ってチケットを取った直後にソールドアウトした!同じように、これは見ておかないと、と思った人々がいたのだろうか?少し驚きがあった。個人的には2019年のマイナビBLITZ赤坂でのワンマン以来なので、もう7年ぶりということになる。
ちなみに、彼女達の2016年結成から今までの10年間は順風満帆のように見えるかもしれないが、どのバンドも苦闘した2020年からのコロナ禍や、またリーダーであったMiho嬢の脱退などもあり、2020年代に入ってからは、多くの闘いがあったのだろうと思う。それだけに、今回の10年目の武道館は記念碑的なライヴになったか?それはこれからのレポートを見ていただくことにしよう。
入場すると、大きなBGMでDEEP PURPLEの”Highway Star”がかかっている。それがオジーの”Bark At The Moon”に変わり、この下のリンクにあるような形で進んで行った。(全部がかかったわけではない。)
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VAN HALENの”Ain't Talkin' 'Bout Love”まで来て、開演の17時となると、アナウンスが入り、5分後に客電が一部落ちて、METALLICAの”Creeping Death”の音量が大きくなり、フェイドアウトすると、今度はSEで(ジョーン・バエズのカヴァーである)JUDAS PRIESTの”Diamond And Rust”がかかる。さらにその後にメンバーが映る映像が後ろのスクリーンに投影されて、再びSE。すぐにそれはあの例のイントロに変わった!ファースト「AWAKENING FROM ABYSS」のトップを飾るインストである”The Awakening”!!ここで、ステージ前の幕が落ち、フロントの4人がドラム・ライザーの上に集まっているのが見えた。すぐに下に降りて行き、この短いプロローグが終わると、強力なリフが刻まれて、必殺の…2010年代にリリースされた正統派のヘヴィ・メタルの中でも自分の中では群を抜く名曲と思っている”The Hammer Of Wrath”!ともかく、攻撃的なリフの鋭さとその構成が見事なのだ!ソロは下手のMidori嬢から、後半は上手のMiyako嬢へと移り、Miyako嬢はステージ前の長い花道へと出て弾きまくる。ヴォーカルのAsami嬢の声はとてつもなく強力で、シャウトでは耳に突き刺さる感じさえある。音の分離が少し悪い感じはしたが、武道館での音としてはかなり良いと言える状態である。
3曲目はサード「ELECTRIC PENTAGRAM」からの”When Destinies Align”。ハモリから、疾走していく。Fami嬢のベースはなかなかに歪んだ音をしている。ソロは、Midori嬢から始まり、2回交互に演奏して、ハモリに入る。ここでも2人は花道の一番前まで来てアピール!王道である!!次は、セカンド「CLOCKWORK IMMORTALITY」から、8ビートで進む”Rising”。(この曲のMVは、我が千葉県の北東にある「屛風ヶ浦」と言う絶壁の上で撮っていると思うのだが、実はこの近くの教習所で合宿教習で免許を取ったので、懐かしい場所だ。)サイレントになる部分では3/4拍子のワルツのリズムになる。そしてソロは、”When Destinies Align”と同じくMidori嬢、Miyako嬢がそれぞれ交互に2回入れて、ハモリに帰結する形だ。
MCとなり、「LOVEBITES、『LIVE AT BUDOKAN』へようこそ!」とAsami嬢。「客席が近い!みんな全員見える!」と言っていたが、X JAPANのPataさんが初めてXで武道館に立った時の事を自叙伝に書いておられたが、やはり同じようだったそう…。日本武道館のステージは、客席側から見るとステージはあまり大きく見えないのだが、ステージ側からだと、とてもオーディエンスの表情が良く見えるという構造らしい…。「武道館には、ずっとこれまで絶対に立ちたい!と思っていたんですけど、まさかソールドアウトなんて夢のようです!」と述べ、また来る途中の千鳥ヶ淵の桜がとても綺麗だったよね?とも言う。今日は、凄く綺麗に晴れて、桜もまだ満開とは言えないが、かなり美しい姿を見せていた。来る前から一週早いかもしれないけど、武道館までの道は桜が咲いているかもと思ったが、本当に綺麗で、オーディエンス全員があの光景を見て、正にLOVEBITESの武道館公演を祝っているかのように感じた事だろう。少なくとも自分はそう感じた。
「長年の想いをぶつける時間がやって来ました!」と言い、爆発音がして、「LOVEBITES EP II」からトップの”Unchained”を披露。ダンサブルな曲だ。下手側へと歩いていくAsami嬢。さらに花道のトップまで来て、ギターの2人もやって来て、ハモリ。Asami嬢はステージへと下がる。
さらに、Fami嬢が花道に来て、短いベース・ソロ。かなり歪んだ音だが、その上でスラップもビシバシ入れて行く。そのままベースのイントロで、4枚目の「JUDGEMENT DAY」から”Stand And Deliver(Shoot'Em Down)”。少々ハネるギターのリズムの上で、ヴォーカルはメロディのない少しラップ調とも言えそうなラインを入れる。だが、Bメロからはガラリとメロディアスになるという独特の構成だ。ソロは花道に出たMidori嬢から始まり、ステージのMiyako嬢が後半を弾く形。Fami嬢も花道に少し出ていた。
そして、Miyako嬢にスポットが当たり、ライトハンドのソロを弾き始めた!ソロ・タイムかと思ったが、同じく「JUDGEMENT DAY」からアルバム最後を飾る”Soldier Stands Solitarily”のイントロであった。速いテンポの中、ステージ前の花道の部分以外からは物凄いパイロの炎。武道館であれだけの高さの炎は見たことがないと思う。ソロは2人のハモリで花道のトップにまで来て、Miyako嬢、Midori嬢と続き、再び激しいハモリへ。ソロの後にはベース・ソロ的な部分もあって、センターでFami嬢が弾き、またドラム・ソロもその後に続いた。
「11月のファンクラブライヴ以来のライヴなんですよ。もう、ライヴってどんなだったっけ?みたいな感じだったんですけど、始まったら、もう最高ですねー!やっぱり、バンドはライヴだね?」とAsami嬢。そして、新作「OUTSTANDING POWER」について触れる。そう、ここまで新作からは1曲もやっていないのだ…。「その中から、1曲、行っちゃいますか!?」と言って、ライヴ初披露と言う1曲目の”The Castaway”がタイトルコールされて始まる。リズムのないところでのギターのハモリから、オカズが入って、140ぐらいのテンポの2ビートが入ってくる。ギターのソロの前にFami嬢のベース・ソロがあり、そしてMidori嬢が弾きまくる。後半はセンターでMiyako嬢のソロで、途中でMidori嬢がセンターにやってきてハモリ。次はハットのカウントからサードからの”Dancing With The Devil”。「ダダダダダツーン!」というリフとスネアのアクセントが入ってスタート。ミドルで進み、歌い上げる感じのメロディのヴォーカル・ライン。メンバーはステージ狭しと歩き回り、もう武道館全体のノリを確実につかんでしまった感じだ。Famiは花道へと来る。サビからリフ展開してMiyako嬢のソロに入り、後半はMidori嬢のソロ。エンディング部のAsami嬢のスキャットが印象的であった。
そして暗転して、ピアノにスポットが当たると、Miyako嬢がショパンの所謂「革命のエチュード」を弾き始めた。流れる低音のアルペジオの上でメロディを奏でる…。このピアノ・ソロを導入として、サードの最後の曲、”Swan Song”へと入って行く。140~150ぐらいの2ビートの上でハモリが入る。サビのメロディはちょっと切ない感じの日本的な雰囲気がある。Midori嬢がセンターでソロを弾き、途中からMiyako嬢のソロになり、ハモリ。キック4つ打ちになってそこにオカズが入り、一度ブレイクし、転調したサビが最後を彩る。最後にハモリがあり、Midori嬢のソロでバンド演奏は終り、再びMiyako嬢がピアノのエンディングをソロで弾いて終了した。
少し間があり、Midori嬢のアコギでのストロークが入って来た。セカンドの1曲目の”Addicted”のイントロだが、7年前に見た時はこの部分は生演奏ではなくSEだったので、ちょっと驚いた。そして、その上で奏でるアコギのメロディもMiyako嬢が奏でる…。すぐさまエレクトリックへ持ち替えて刻むリフへと入る。メインのソロはMidori嬢から始まり、後半はMiyako嬢。そしてハモリに入る。エンディングもアタマ打ちから2ビートというリズムの上でハモリを2人で奏でてフィニッシュ!
「ライヴも後半戦。」と言い、ここで1つだけお願いがありますと言い、スマホのライトをつけて下さいと言うAsami嬢。ほとんどの人がスマホのライトをつけるとこれが凄い光!(自分はというと、もう電池がヤバくて出来ませんでした。すみません…。)そして、「あなたの生きていく世界がいつまでも輝き、美しくありますように。」と言い、新作からのバラード”Eternally”へと入る。キーボードのイントロがあって、ピアノを弾き語るAsami嬢。そしてリズム隊が入り、さらにギターが入ってくる。サビにかかっていたギターフレーズからハモリが入り、後半はMidori嬢のソロになる。エンディングはハモリからMiyako嬢のソロ、さらにテーマフレーズをハモって終わった。
次の曲は”Someone's Dream”。これも「LOVEBITES EP II」に収録されているナンバー。細かい単音のリフにアクセントが入り、疾走していく。ソロは、花道のトップでMidori嬢がまず弾き、そこにMiyako嬢が加わって後半のソロ、さらにハモリという構成。その直後にFami嬢のベース・ソロがあり、彼女も花道で弾きまくる!エンディング部のヴォーカルのメロディはサビのものとは全く違う(しかも結構長い)物が入るので、興味深い。
Asami嬢は、集まってくれてありがとうと言い、結成して10年、1時間ぐらい話したい事があると述べた。さすがにMC1時間はあり得ないが、ファンとしては聴きたいところかもしれない。自分達は間違いなくヘヴィ・メタルのバンドだと言うAsami嬢。このサウンドで、そうではないと言う人はいないだろうというぐらいの正統派サウンドだとは思う。だが、LOVEBITESは、「LOVEBITES」という名のジャンルとしてやってきたとも言う。自分達の表現でやってきたのだと。「10年経って、自分達のヘヴィ・メタルの道はやっと形になってきたと思います。でも、10年ずっとやって来れたのは、貫けたのはファンのみんなのおかげです。」と述べて、少し涙声になるAsami嬢。「我々は、アーティストとファンという形ではなくて、同志であると思っている。本当にありがとう。」と言い、世界中のファンに感謝を述べて、「もっともっと素晴らしい景色を必ず見せてあげる!」と言ったAsami嬢は、次の曲をタイトルコールした。”Glory To The World”!EP「GLORY, GLORY TO THE WORLD」からの曲で、激速の刻みが炸裂する。LOVEBITESの楽曲の中では、かなり速いテンポの曲で、おそらく190以上はあるのではないか?ソロはMidori嬢から始まり、Miyako嬢のタッピング中心のソロへとバトンタッチし、ハモリへ入る。
そして、サードから”Golden Destination”。ミュートしたゴツゴツしたリフからハーモニーのリフへと移行し、フロント4人全員が花道へ入って行く。リズムはギャロップ。2回目のサビの終わりからベース・ソロがあり、花道へ出るFami嬢。そのフレーズのリフから単音のリフになり、ソロへ。まずはMiyako嬢のソロ、そして途中からアーミングを多用したMidori嬢のソロへと。ラストのミュートのリフをMiyako嬢が弾いて終わった。
そしてここからは、オールド・ナンバーが次々と繰り出される。セカンドのスピード・ナンバー、且つオーディエンスの一体化を促す”M.D.O.”!!パイロがまた物凄い数で放たれる!だが、パイロの熱気の中、花道へ飛び出していくAsami嬢とFami嬢!オーディエンスを煽り、Asami嬢は左右に物凄いパイロが噴き出している花道のステージに繋がる部分を通って戻る。いやードレス着てるし、よくあんな所通れるな…怖!また花道のトップでMidori嬢はソロを取り、後半はMiyako嬢が弾く。そしてお約束でハモリへと入る。さらにここで、非常に懐かしいナンバーが飛び出した。EP「BATTLE AGAINST DAMNATION」からラストの” Under The Red Sky”!この曲はかなり情景の変わるプログレッシヴな曲である。まず、ギャロップのリズムでリフもその形で刻まれる。特に印象的なのはBメロで入ってくるリフで、これを越えてサビに入る部分でもメジャーに転調し、素晴らしいフックとなっている。1コーラス目が終わった所で、Midori嬢からMiyako嬢へとつなげるソロがあり、2コーラス目の後、再びBメロで使われるリフが入り、その後は壮大な雰囲気に包まれる。そして、さらにサビが2回入って、最後は疾走していく。ある意味では自分好みなスタイルのプログレ風ナンバーとも言えるかもしれない。エンディング部分ではギターのハモリが入って、最後はクワイアが入り、Midori嬢のギターがラストにロングトーンを出して終了。
ラスト・ナンバーとなったのは、セカンドからお約束とも言える、”We The United”!「今こそ、今こそ、ユナイトする時だ!!」とAsami嬢は叫び、「We The!」とシャウトし、オーディエンスは「United!!」と呼応する。これを3回ほど行って、曲がスタート。イントロはギター2人のフレーズのハモリから始まる。そのまま刻みのリフに入って、疾走。途中のリード・ギターは、全てハーモニーをツインで奏でていく。それぞれのソロはない。しかし、そのリード・パートはかなり長い。フロントの4人は全員花道のトップに出ていく!曲が終わって、Asami嬢の「最高だー!みんなー!」との声が響いて、メンバーはステージから去った。
少し経ってから、”LOVEBITES”コールがどこからともなくされ始める。特にアリーナでの声は大きい!2~3分経って、ステージが灯された!しかし、5人のメンバーが出てくるのではなかった。アンコールは、屋台骨であるドラマー、Haruna嬢によるドラム・ソロであった!おお、前のバンドから数えて15年程見ているが、初めてソロを生で見る!出だしは、少しおとなしめのフレージングをやっていたが、後半のツーバス連打とそこに乗るフィルインの嵐が凄まじい!シンバルやタムなどそれぞれの音の分離もとても良く、クリアーな形で放たれる音は、強烈なものがあった!今や、日本のヘヴィ・メタル界(ガールズ~ではなく。)でも代表選手となっている感さえあるHaruna嬢の痛烈なドラム・ソロだった。
続いて演奏されたのは、サードの2曲目の”Holy War”!フレーズがハーモニーになってギターで奏でられ、すぐに速いアタマ打ちのリズムが入ってくる。2コーラス目では、ギター2人が花道へと入り、ソロはMiyako嬢からMidori嬢へとつなげ、さらにハモリへ。
スピード・ナンバーが終わり、本当に本日最後の曲となったのは、ファーストにも、その前の「THE LOVEBITES EP」にも収録されている代表曲であり、最後にふさわしい少しロックンロール風味のある”Don’t Bite The Dust”!アリーナには風船や、金銀の紙吹雪が舞い散っている!Asami嬢のラストのスクリームが、また全く衰えておらず、この時も耳をつんざくほどの強烈さ加減であった!グレイト!!最後に「We are LOVEBITES! And We Play HEAVY METAL!!!」といつものように叫んで演奏は終了。Haruna嬢もドラム・ライザーから降りてきて、5人で花道を歩いて、一番前で挨拶をし、またステージに戻ってからもう一度挨拶をした。最後に記念撮影をし、ライヴは終わりを告げた。
ほぼきっかり2時間半のライヴで、これまで10年間のベストの選曲のセットリストとなっていたと思う。もちろん、ここからすでに国内ツアー、海外ツアーと彼女達の前進は始まる。今、バンドは、新たな道を駆けだしたのだ!
LOVEBITES@日本武道館 2026.3.29
SET LIST:
1. SE:Diamond And Rust(JUDAS PRIEST(ジョーン・バエズのカヴァー))~映像~SE~The Awakening
2. The Hammer Of Wrath
3. When Destinies Align
4. Rising
5. Unchained
6. Bass Solo
7. Stand And Deliver(Shoot'Em Down)
8. Soldier Stands Solitarily
9. The Castaway
10.Dancing With The Devil
11.ショパン エチュード ハ短調 作品 10-12「革命」(Miyako Piano Solo)
12.Swan Song
13.Addicted
14.Eternally
15.Someone's Dream
16.Glory To The World
17.Golden Destination
18.M.D.O.
19.Under The Red Sky
20.We The United
-Encore-
1. Drum Solo
2. Holy War
3. Don't Bite The Dust


