痛み止めを使いながら、その後は状態も落ち着きました。
リハビリも介助付きの車椅子利用ではあったけど通えるようになり、PT・OT・STそれぞれを受けることになりました。
日に日に体力がつき、頭もすっきりしてくるのがわかるので、リハビリはあまり苦になりませんでした。

1週間くらいで車椅子なしでも動き回れるようになり、リハビリも検査も1人で行けるようになりました。
しばらく入れていたペースメーカーや首からの点滴ルートも抜け、点滴は腕の1本だけです。
術後の経過は順調で、機械弁がしっかり役割を果たしてくれていました。
結局、弁についていたかたまりの正体はわからず、菌などによるものでもないようでした。

2週間たつと点滴は終了し、最後の抜糸が終わって、シャワーの許可が出ました。
久しぶりのシャワーは気持ちよかった。ほんとに一皮むける感じです。
つながれていたものがなくなったので、院内は自由に動けるようになりました。コンビニに行くことすら楽しくて、無駄にウロウロ。
動けるようになるとごはんが足りず、お腹すいたーばっかり言っていました。
不思議なもので、ごはんをしっかり食べても、プラスおやつ食べていても体重は結構減りました。

この頃は一番痩せていた時期です。鶏ガラのようでした。
ただ、顔は痩せなかったし調子もよかったので、病人感は出なくてよかったなぁと思います。
お見舞いに来てくれる人にも元気な姿を見てもらえたし。

術後は体が頑張って回復しているんだなと実感。
力が入りにくかった右半身は、日常生活にほぼ影響ないくらいの違和感程度に。
出なかった言葉も、元の状態くらいには話せるようになりました。


なんか夢を見て、目が覚めたらすぐ人工呼吸器を外されました。
少しずつ意識がはっきりしてきて、手術が終わって今はICUにいることや、いろんな謎の管がつながれていることや、実は布団の下は裸ん坊であること(衝撃)や、手術から1晩たっていることがわかってきました。
徐々に管が抜かれていき、病院着も着せてもらい、お腹すいたなと思ってきた頃、ICUから一般病棟に移れるようになりました。
まずは24時間観察体制の部屋に入り、落ち着くまで過ごします。

腹ペコだったのですが、しばらくは気持ち悪くて食べられなかったので、たぶん夕食くらいから食べ始めたと思います。
術後最初の食事は、三分粥と柔らかおかずでした。疲れ果てていて食欲より眠気が強く、思ったより入らなかったです。
人工呼吸器をつけていた影響もあって、喉ガラガラだし。
家族や彼とも話ができ、無事に目が覚めてよかったと感じていました。
この頃には最初と比べると、だいぶうまく話せるようになっていました。

落ち着いてから、手術がうまくいったこと、自身の弁は痛んでいたので人工弁(機械弁)に換えたことを説明されました。
心臓手術のイメージとして大きな傷が残るというのがあったんですが、胸の下に7〜8㎝の傷が残る程度でした。
それから、人工心肺装置をつないだ脚の付け根にある小さな傷くらい。
どちらも、しばらく手術痕に気付かなかったくらいです。

痛みもほとんどなかったのですが、夜中になると麻酔が切れてきたのか、痛みでじっとしていられませんでした。
ナースコール押すわ、痛い痛い騒ぐわで、同じ部屋の人はたぶん寝られなかったと思います。

次の日はぐったりしてずっと寝ていました。
途中でリハビリの先生が来ましたが、起き上がる余裕はなし。
ただただきつかったので、動かそうとするなんて鬼!と思っていました。リハビリ初日は様子を見るだけでした。
手術後すぐにリハビリを始めると回復が早いことはよくわかっているんですが…体重自体は結構減っていましたが、体がとても重たかったです。




脳梗塞を起こした原因が心臓にあること、それを確認するためにエコーをとったことを聞かされました。
心臓の弁に何かのかたまりがくっついていて、それが少しずつはがれて全身に流れ、脳の血管がつまってしまったようです。
弁にくっついているものをとるため、心臓手術をする必要があると説明を受けました。

このかたまりがいつ剥がれ落ちるかわからないため、できるだけ早い手術が必要とのこと。
運よく次の日の手術予定があいているということだったので、心臓の弁置換手術を受けることになりました。
自分の弁がまだ使えそうだったら残すということでしたが、私の場合は人工弁にする可能性が高いとのこと、人工弁には生体弁と機械弁があること、それぞれのメリットやデメリットなど説明を受けました。
急展開すぎて考える時間がなかったのが、かえってよかったかもしれません。よく考えたらこわくて決めきらん気がする。
いろいろな同意書にサインして、手術の準備が着々と進んでいきました。

救命救急センターではほとんど眠れなかったので、この日は明日に備えてよく寝ることにしました。
逆に大丈夫?ってくらい寝たと思います。
起きたらもう次の日の朝になっていました。
朝から手術前の準備をし、トイレとお風呂を済ませます。

予定時間になって手術室まで移動し、ベッドに移りました。
もちろんコンタクトは外し、メガネも手術室の手前で外しているので、何も見えません。
数分後には全身麻酔がかかり、全く記憶がありません。