火葬日当日の朝。

パパが棺の中のドライアイスを外に出すため、一度中に供えたものを出します。

その間、優翔は私が抱っこ。

ドライアイスを全て出し、またお花やおもちゃなどを棺に戻しました。

私達も喪服に着替え、娘も黒と白の落ち着いたトーンの服を探して着せました。

棺の蓋を閉めてしまうのが嫌で、ギリギリまで蓋を開けていましたが、主人がもう車に運ぶと言うので、

「やっぱり髪の毛も残しときたい!」

と、慌てて優翔の髪の毛を少し切って残しました。

まだ短い髪を慌てて切ったので、髪を引っ張っちゃって、少し痛い思いをさせてしまったかも・・・。
そこだけハゲちゃったし、優翔怒ってないかなぁ(^o^;)

最後にバタバタして、痛い思いさせちゃってごめんねm(_ _;)m


火葬場までは車で1時間。

家の近くにある火葬場では火力の調整ができないので骨が残らないと言われ、火力の調整が出来る、入院していた病院の近くにある山の上にある火葬場でお願いをしました。

その日は台風直撃の日で、段々雨風も強くなってきていました。

車の中でも、優翔のお顔をずっと見ておきたくて、棺についている窓を開けて、火葬場につくまでずっと見ていました。

いつもは遠いと感じる1時間の道のりが、あっという間で、火葬場についた時には

もうついちゃったの?

という感じでした。

私は離れたくなくて、なかなか車から降りられませんでした。

火葬場の人が来て、主人と一緒に棺を祭壇まで運んでくれました。

運んでもらった後、主人が手続きをしている間に、また棺の蓋を開けて、優翔のお顔を見ていました。

手続きが終わって、最後のお別れをと言われました。

お焼香をしても、主人と私と娘だけなのであっという間に終わってしまいます。

炉の中に、優翔が眠っている棺が入っていきます。

点火のボタンは、火葬場の人が押しました。

我慢していた涙が、抑えきれずに出てきました。

待合室では、他にも一組の夫婦が待っていました。
朝一のこの時間に、他の親族なども来ていなかったので、私達と同じように赤ちゃんを亡くされたのだと思います。


待っている間、テレビではずっと台風情報が流れていました。

瞬きをするとまた涙がこぼれてしまいそうで、少し上の方の窓の外を見ながら、目をせいいっぱい開けていました。

雨と風はますます酷くなり、人前で泣くのが苦手な私のかわりに、空が沢山泣いてくれているようでした。

火葬が終わり、係の人が案内してくれました。

御経が流れる中、骨だけになった優翔と対面しました。

娘が、
「ぽんちゃんは?」

と、不思議そうに聞いてきました。

「ぽんちゃん、お空に行っちゃったんよ」

と答えると、

「〇〇ちゃんも行きたかったなぁ〜。」

なんて言うもんだから、

「〇〇ちゃんはまだ行かんとって。まだママと一緒におってえーん

と、必死に娘を抱きしめました。

優翔の骨は綺麗に沢山残っていて、係の人がどの部分の骨か、丁寧に教えてくれながらパパと交代で骨を骨壷に納めていきました。

まだ暖かい、小さな骨壷を抱えて、車に乗り込みました。

台風は益々接近し、電柱が倒れている所があったり、1ヶ月程前の記録的豪雨の影響で、土砂崩れが心配される所もありました。

帰宅する車の中で、少しだけ

このまま土砂崩れがおきたら、苦しまずに優翔と一緒に家族みんなでお空に行けるのに・・・。

なんて考えてしまいましたが、無事に帰宅することが出来ました。

きっと優翔が、そんなこと許してくれなかったんだと思います。