退院する日の朝、主治医の先生が部屋にやってきてくれました。

「昨日はこちらに来れなくてすみませんでした。」

と、死産後会いに来れなかったことを謝ってくれました。

出産したのが土曜の夜だったので、主治医の先生はお休みだったんだと思います。

正直昨日までは、

もう心臓止まっちゃった赤ちゃんのことは、先生見に来てくれないんだ・・・。

と、少しいじけていたのですが、
きちんと会いに来てくれ、来れなかったことを謝罪してくれたことで、その気持ちもなくなりました。

そして、

「赤ちゃん、頭を撫でさせてもらってもいいですか?」

と、言ってくださいました。

「あっ、はいほっこり

と答えると、主治医の先生はとっても優しい顔で優翔のお顔を見つめて、そっとなでなでしてくれました。

まるで優翔に、「よく頑張ったね・・・。」
と言ってくれているようで、とても嬉しかったです。

主治医の先生が退室してからは、優翔に手紙を書きました。棺の中に入れようと思ったからです。
手紙を書き始めると、泣くつもりなんて無かったはずなのに涙が出てきて、何度も拭いながらなんとか書き上げました。



昼前になり、私の両親がはじめて病院に来てくれました。

父が休みをとって、車で来てくれたのでした。

優翔を見て、どんな反応をされるのか少し心配だったのですが、

「あぁちっちゃい・・・。可愛いね〜。」

と、少し涙ぐみながら言ってくれました。

お昼になったので、病院の下のどこかで食事をしてきてと、院内のマップを渡しました。

私も病室でご飯を食べていると、元気なお腹を空かせた娘が、CoCo壱のカレーを持って病室に入ってきました。

「カレー食べるのー!!」
と言って、待ちきれない様子アセアセアセアセ

慣らし保育一日目の今日は、午前中までだったのですが、どうやら給食が大好きなカレーだったようで、本人食べる気満々だったのに帰らなくてはいけないのが納得出来なかったらしく、CoCo壱でカレーを買ってもらったそうです。

そして9月産まれの娘。登園初日の今日が誕生日会だったようで、訳もわからないまま誕生日会に参加し、皆に祝ってもらったようでした。

誕生日会だと把握してなくて、髪は伸びっぱなしのボサボサだし、ヘビロテで着すぎてヨレヨレのミッキーTシャツを着た、お誕生日の写真とカードを持って帰ってきました(^o^;)

もちろん登園初日で笑顔のはずもなく・・・(¯―¯٥)

無表情で写ってました(笑)


娘が無事にカレーにありついている間に、主人は棺とお花を病室まで運んできてくれました。

そして、主人が持って来た棺の大きさに絶句・・・。

明らかに、赤ちゃんサイズじゃない。
5歳くらいの子が入るような、大きなサイズのものだった。

「えっ!?めっちゃ大きくない!?」

と言うと、

「田舎やからこれしか置いて無かった。赤ちゃん用のと同じ値段にしてあげるからって、これくれた。」

とのこと。

どうやらその仏具屋さんの奥さんも死産経験者らしく、棺が大きい方が骨も残りやすいからと(本当かどうかは分からないけど(^o^;))大きな棺を持たせてくれたようでした。


全員揃ったので、看護師さんに納棺のお手伝いをお願いすると、病院で頼んでおいたドライアイスの業者さんがまだ来てないとのことタラー

その後結局1時間以上してからやっとドライアイスが届きました。

まぁその間、うちの両親ともゆっくり過ごすことが出来たので良かったのかな?

優翔が、まだ皆と一緒にいたかったのかも知れません。

娘が眠たくなってきて、でもばぁばたちもいるし・・・で、テンション上がっちゃって少し大変でしたけどね(^_^;)


看護師さんが2人、納棺のお手伝いをしてくれました。

棺が大きいので、運ぶ用の台がこの病棟のものでは対応できず、他の病棟からわざわざ借りてきてくれました。

まずはドライアイスの業者さんにドライアイスを入れてもらい、その後、優翔を抱っこして棺に入れました。

そして、パパが買ってきてくれた沢山のお花を、じぃじやばぁばたちにも手伝ってもらって棺に入れました。

パパが沢山お花を買ってきてくれていたので、棺が大きすぎるのも気になりませんでした。

看護師さんが、沢山のお花に囲まれた優翔と、じぃじばぁばと私達みんなの写真を撮ってくれました。

最後に優翔への手紙を入れて、退院の手続きをして病室から出ました。

主治医の先生が、棺を一緒に運んでくれました。

裏のエレベーターまで行く途中に、MFICUに入院している他の妊婦さんと家族に鉢合わせしてしまいました。

大きな棺を運んで、喪服を着た父母と一緒にぞろぞろと歩いていたので、きっとかなり動揺させてしまったのではないかと、申し訳無かったです。

妊婦さんのご主人が、慌てて妊婦さんに棺が見えないようにしていました。

この時ばかりは、大きな棺で本当に申し訳なかったアセアセ


エレベーターまできて、主治医の先生に頭を下げ、お礼を言いました。
ここでお別れだと思ったからです。

しかし、エレベーターから降りてみると、主治医の先生、下の裏口まで出てきてくださり、私達が車に乗り込んで病院の敷地から出て行くまで、看護師さんたちと一緒に、頭を下げて最後まで見送ってくださいました。

沢山の病院の方々に見送ってもらえて、可愛がってもらえて、優翔は本当に幸せものだなと思いました。

裏口からの退院でしたが、盛大に見送っていただいて、全然悲しくなかったです。