主治医の診察が終わり、病室に帰って張り止めの点滴のチューブが抜かれました。

あんなに嫌だった点滴なのに、もうする必要が無いんだと思うと悲しかったです。

「出産の時にまた使うかも知れないから」
と、針だけは挿したまま残されました。
たぶん胎盤剥離の危険があったからかな?と思います。



しばらくして、主人が病室に来ました。

辛そうに私のお腹を撫で、自分の額をお腹にくっつけ、目を瞑って赤ちゃんに何か語りかけているようでした。



主人が来たので、改めて主治医とベテランB先生、看護師さんが説明にやってきました。

今回残念ながらお腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまったこと。
モニターでは元気に持ち直していると思われる結果だったので、医師である私達もびっくりしていること。
へその緒の血流なども見ていたが、その時には問題が無かったこと。
原因を知るためには、解剖をするしか無いということ。
解剖はせずに、産後の胎盤の検査で、染色体の簡単な検査は出来ること。

などの話をされました。

そして、こちらの都合かも知れないが、調べることをおすすめする。調べないと、後になって何が原因だったんだろうと思っても、もう分からないから。

ということでした。

その時の私はそこまで思考が追いついていなかったので、「こちらの都合かも知れないが」と医師が言う意味が分からなかったが、つまり、出来れば解剖して調べさせて欲しい。ということだったようだ。


その時は、これからもう亡くなってしまったお腹の赤ちゃんを産まなければならないという不安と悲しみで、そんなことまでは全然考えられず、生返事しか出来なかった。


そして、これからの出産については、やはり羊水がまた増えているので、もう一度羊水除去術をしてから出産をする必要があるとのことでした。
私があからさまに嫌そうな顔をすると、嫌かも知れないけど、そうしないと母体も危ないかも知れないからね。と、念をおされた。


医師たちが退出して、少し二人でゆっくりする。

解剖については、やっぱり亡くなったとはいえ、小さい体にメスを入れて内蔵を取り出すなんて・・・、そこまでして調べて欲しくない。
そんなことしたって、もう生き返らないんだし・・・。

ということで、解剖はしないことにしました。

そして胎盤の検査だけ、お願いすることにしました。

これはお腹の子が何の病気だったのかが知りたかったのと、今後また近いうち妊娠した時に、トリソミーの子を妊娠した経歴があれば、35歳以下でも出生前診断を受けられるからと言う話をされたからです。


でも実際、次また妊娠した時に、出生前診断をするのか・・・。

出生前診断で異常が見つかった時、私達はどうするのか・・・。

悩む種を増やしてしまっただけなのではと、後になってから少しだけ後悔しました。