レンズと私と祖父と。 | やまぐち千予 フォトグラファーニュース

やまぐち千予 フォトグラファーニュース

-広告写真家・写真講師・撮影内製化のご提案など
東京・大阪・川崎 対応
「やまぐち千予」https://piyocamera.com

祖父が残してくれたカメラは

「カメラ1台と望遠レンズ1本 と それがぴったりおさまるカメラバッグ」

だった。


わたしは遺品をもらったとき、

すぐさま標準レンズを探し始めた。

普段つかっていたのなら、標準レンズは絶対どこかにあるだろうって。


とかいいながら探しまわっていたけども

でもやっぱりなくて、

親戚に聞いてみたら

「カメラバッグから出したことがないよ」

って言われ

まさしく、カメラバッグにはレンズとカメラが

ずっとまるで昔からそこにあったかのように

ちょうどぴったりとおさまっていて、

誰も使ってないかのように 綺麗だった。

「あ、、そういえば・・・」と言われ 

その真相がやっと分かった。


「標準レンズでは外の景色までは届かないけれども

望遠レンズならやっと外の景色を撮ることができたんだって。」


がんの闘病生活をしていた入院中の祖父が

動けない体で

でもベッドからでも撮れるようにって

写真を撮りたくて

だからこんなにも長い望遠レンズなんだなぁ。



それが遺品となり

まわりまわって わたしのそばにきてくれた。

そのカメラをみるたびに

わたしも祖父のように

そうやって写真を撮る根性があるのだとうかと

たまに考えたりする。


あ、そうだ。

また

「今度、こういうの撮影したよ」って 報告しにいかなくちゃ。