友情結婚を選択する理由の一つとして、昔から「世間体」というものがある。
生涯未婚率が上昇してきたとはいえ、友情結婚を考える人は周りの目を気にする人が多いように思う。
きっと根っこが真面目なのだ。
世間体は十分な理由であろう。
もう一つ、「子ども」が欲しいというもの。
異性愛者でなければ、自然に子どもを授かることは難しく、セクシャルマイノリティの人間にとって、これも友情結婚を選択するのに十分な理由であろう。
今まで大きくその二つかなと考えていたが、ここにきて「孤独感」というものを感じるようになった。
実は、前に婚活を進めて破断になって以降の話だが、この人と添い遂げても良いかもと思うバツイチのバイセクシャルの男性と出会った。
厳密には再会したというか。
そこから数年来、自分の中では、もうこの人と添い遂げても構わないとどこか思っていた矢先、彼には彼女がいて、その人と結婚を考えていることがわかった。
晴天の霹靂である。
バイセクシャルであれば、子どもが欲しいとなれば、女性にいくのは当然であり、返す言葉もなかった。
彼の自分との未来は、今の日本ではそれほど明るくない。
同性婚もまだまだだし、そもそも同性婚が認められ、同性婚をしたところで。。
彼が自分を選ぶ余地はなかったのだろう。
それからというもの、あまりのショックで食事がなかなか喉を通らず、仕事にも集中できず、強い睡眠薬を使っても夜中に目が覚めてしまうようになってしまった。
今もその状態であり、そこからの孤独感である。
急に一人になってしまった感じ。裏切られたような思い。
「だから、友情結婚? 甘えたことを言ってるんじゃないよ」とお叱りを受けるかもしれない。
甘んじて受け入れる。
でも、これから再開すると決めた。