ここに書くのは ある物のコピーであります。 (秋山金録氏遺稿集)
(古いものなので ?)昨年度、
日本スピッツ協会の静岡県支部から、スエーデンに渡った日本スピッツが、
同国で大きなセンセーショョンを捲き起こしています。
その様相は、この後に掲載の往復書信にみる通りですが、
今もって舶来一辺倒の日本洋犬界にとって、これは何とも皮肉な現像であり、
スピッツぐらいと軽んぜられながら、営々とつつ”けた努力が、
今こそ畜犬文化の先進国で、これほどまでに評価され、賞讃を博したということは、
われわれにとって大きな喜びです。
もともとわれわれは、金儲けや名誉が目的ではなく、いわば好きでやってきたことなので、
これを機に利得を考えたり,功を誇る気持ちは毛頭ありません。
しかし、このような成果に悪徳の輩が便乗し、日本の国際信用を損ずることだけは、
何としても防止すべきであると考えます。
新犬種の確立に漕ぎつけたといっても、まだまだ国内には改良の遅れたものや、
雑血の混入したものがあるため、悪意がなくとも不本意な結果を招く危険は十分あります。
これについては、去る一月九日、
日本スピッツ協会の(故)秋山氏、
(故)岸田氏 (日本スピッツ協会 / 日本スピッツクラブ顧問)、
柴氏 (前々日本スピッツクラブ会長)
の三名が、
JKCの小林理事長と会談して、日本スピッツの輸出血統書は厳重にチェックして、
発行されたいこと、スタンダードはさらに検討されたい旨を要望しておきました。
日本スピッツ協会としては、今後諸外国に対する輸出の斡旋は、
認定繁殖のものに限りたい方針です。
ともあれ、同好者の純粋な動機に発した多年の成果を、アニマル商法の経済シュ進出や、
心無い観光客で悪名の高い日本人の、この上とも不評を買う原因にだけはしたくない、
というのがわれわれの願いです。
とりあえず ここまで、
また 気が向いたときに 書きます。 ✌