音量記号の「p」はピアノと読み、「弱く」や「小さな音量」という意味です。
音楽の授業ではこのように教わるかもしれません。
しかし、僕がオーケストラで学んだことはこれの正反対でした。

自分がフルートだったということもあって、フルートに焦点を当てさせていただきます。
フルートは80人の編成のオーケストラの中でもたった2本だけです。
しかし、フルートにソロがある時、その音量記号はほとんどの場合が「p」です。
これは一体どういうことなのでしょうか?

もちろん、80人のオーケストラの中で「p」の本来の意味通り
「弱く」や「小さな音量」で吹いたら、それは間違いなく聞こえないでしょう。

僕がオーケストラに入団して最初に言われたこと。それは、
「ソロのpはfで演奏しろ」ということでした。
「f(フォルテ)」とは「力強く」や「大きな音量」という意味の言葉です。
ソロは「p」でも「f」で演奏するというのは、今振り返ると、半分正解で半分間違いです。

大きな音量で演奏することは大事なことなのですが、
もっと大事なことは「p」のニュアンスを忘れてはいけないということです。
作曲家はなぜ「f」ではなく「p」を指示したのでしょうか?
それは「p」の中にある「優しさ」や「柔らかさ」といったニュアンスを伝えたいからだと思います。


オーケストラでフルートを吹いているみなさん、
「p」は「優しい音色で大きな音」で吹いてください!



では!


.