別に誰でもいいと思うようになったのはあの人が死んでからだ。

きっと自分が思う以上に、分かってないくらい、あの人のことが好きだったんだ。

あんまり好きじゃなかったなんて言ったことがあるけどそんなの意地っ張りだったんだ。

本当は凄く凄く好きだった。

 

目を見て話せなくなることなんてあれから一度もない。

照れくさくて仕方がなかった。

大好きだった。

今も大好きなのかもしれない。

 

別に誰でもいいと言わなくなるまできっとあの人が好きなんだと思う。

別に誰でもいいと言わなくなったらそれが合図なのかもしれない。

そんな合図に気づける日が来るのかなんて分かりもしないのに何言ってるんだろう。

 

自分ばかみたいって思うけど本当にばかだなあと思うことが多すぎるよ。

 

あの頃はカップルっていうカタにはめ込んだら2人の関係なんて

壊れないのだと勘違いしてた。

そんなのあっさり壊れたよ。

私の短気さとあなたの不安定さと周りの嘘とで。

 

あれから思うよあのときの自分はこどもだったと。

今もこどもなのに昔を振り返って過去の自分をこどもだったというのはおかしな話でしょう。

 

大切な人ほど大切にできない。

あたかもどうでもいい人かのように接してしまってその度に後悔する。

本当は違うんだって本当は愛してるんだって。

 

亡くなってから何年経とうともあたしは愛してるよ。

愛していたけどそれ以上に愛されていたことに後から気づいたの。

 

あなたは病室で何を思っていたの。

 

苦しくて嫌だったから忘れようとした。

でもどうしても忘れることができなくてどうしても嫌いになれなくてどうしても前に進めない。

そう思う時期も確かにあったけど忘れることも嫌いになることも強要されているわけじゃない。

前に進めていないようで知らず識らずのうちに進んでるんだよ。

過去の自分が言ってた。

 

こんな気持ちを誰かに吐露しようとは思わないけど苦しいままなのは嫌だ。

嘘だよそんなこと分かってる。

本当は誰かに話を聞いてもらいたいの。

 

自分の記憶を日記に残している。

誰にも見られたくない。

誰かに見られるくらいなら死んだほうが良いと思える。

そんな日記を見て良いのは未来の私だけ。

 

人間の失敗作を愛してください。