9/20 ~変化を感じた試合~ カンボジアリーグ第17節 対BBU | ~Football Journey ~【※現在、東南アジアでひと休み中】

9/20 ~変化を感じた試合~ カンボジアリーグ第17節 対BBU


9月20日

カンボジアリーグ第17節は、 Build Bright United FC(通称BBU)戦だった。

この日の対戦相手であるBBUというクラブは、かつて、アジアの渡り鳥こと伊藤壇選手はじめ、昨季は山形雄介選手(現在ラオスリーグ所属)、太田選手(現CMAC)、今季途中まで定國智之選手(現ウエスタンFC所属)など、数々の日本人選手が所属していた。

現在、日本人選手は所属しておらず、順位も8位と低迷中だが、後期になってからは、今季無敗だった強豪ボンケットに1-0で勝利するなど上り調子。前半戦、アウェイで対戦した時は0-0の引き分けに終わっただけに今回はなんとしてでも勝利したいところである。










試合前日、スタッフ達でブンデスリーガの試合をテレビ観戦し、スタジアム内に貼られている幕の配置などを研究。今回は、選手の名前などが入った段幕をホーム側に集結させることにした。
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さすがにブンデスリーガ並とはいかなかったが、やはり幕はまとまっていたほうが雰囲気は良くなると実感した。今後、よりサッカースタジアムっぽい雰囲気を作るために改良していきたいと思う。
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そして、いよいよ時間だ。

毎回思うが、試合を通してこの選手入場が1番気持ちが高ぶる。僕らスタッフも選手たちと一緒に戦っていると強く思える瞬間だ。
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子供の頃の僕にとって、サッカー選手は特別な存在だった。

この日、観客席から見ている子供たちもおそらく、彼らの背中に夢見ているのだろう。
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<カンボジアンタイガーFC先発メンバー>

GK33 吉田康幸
DF4 ター
DF5 ビックチャイ
DF15 メイサー
DF23 ダイ
DF27 セイハー
MF11 ティー
MF7 スメイ
MF8 ペヤヤング
FW9 プライバット
FW 48 吉原正人
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攻撃力のある相手にまずは失点をしないようにと中央を固めた布陣だろう。

守備から入る形が確立しはじめた最近は3試合でわずか1失点と安定してきた。




なんとか先制点を取って勢いに乗りたい。

序盤から波状攻撃をしかけるカンボジアンタイガーイレブン。

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そして前半26分、GKのキャッチミスを逃さず、プライバットが先制ゴールを決める。

カンボジアリーグはミスからゴールが生まれることが多く、今回もプライバットがしっかりとボールに詰めていたことが相手のミスを誘い、ゴールが生まれたといえるだろう。c

 
得点後しばらくは押され気味の展開だったが、守備陣がなんとか持ちこたえ、前半は1-0で折り返すことができた。



 

そして、この日のハーフタイムイベントはミュージカルを企画。

今回はソンハーとその友達との「ボクシング対決」 。


「ソンハーの友人がスタジアムにやってきた」という設定でかわいい虎さんが参戦。
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ところが、タイガーガールと一緒にダンス中にソンハーくんとお友達の喧嘩が勃発。(後方)
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そのけんかの仲裁に審判が登場。


タイガーガールがラウンドガールに変身し、試合開始を知らせるボードを掲示。
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この間にソンハー達もボクシンググローブをつけて、いざ、試合開始!
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だが、お友達に連打されまくり、敗れてしまうソンハーくん
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そこに救急隊員(本物)がかけつけて、心肺蘇生を開始
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その後、ソンハーくんは見事に復活して再び対決し、勝利!


最後は出演者みんなでダンス再開というパターン。観客達は皆、見入って、特にソンハーが倒れて救命士が登場した瞬間は大盛り上がりだった。 
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今回、全員揃ってリハーサルする時間があまり取れなかったが、出演者の連携、音響などを含め全てがうまくいき、一安心。

このミュージカルに関わった皆さん、お疲れ様でした。







そして後半、タイガースクールの子供たちが中心となり、太鼓を使って発信したタイガーコールがスタジアムに鳴り響く。
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子供たちはタイガーコールだけでなく、選手たちの名前も自分達でコールしはじめた。

今でこそ聞き慣れたが、これは開幕当初には想像もつかなかったこと。


カンボジアには、日本によくあるJリーグや欧州サッカーの選手名鑑は存在しない。

となると、当然サッカー選手の名前は代表戦で特に目立った選手しか認知されていない。

選手が町を歩いていても話かけられないなど、他の国と比べてスポーツ選手の地位が高くないのが現状である。(世界大会でほとんど実績がないため)


だが、子供たちが選手の名前を覚えられたのは普段からスクールで翔吾コーチが選手の名前を例えに使ったり、このボードを見ながらしっかりと選手の名前を覚えてもらえた証拠に違いない。
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スクール生以外にも選手の顔と名前を覚えてもらえるよう試合中、観客に向けて顔写真を掲示。毎試合、選手名のコールがどんどん増えて、大きくなってきているのが実感している。
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試合は残念ながら追いつかれて1-1の引き分けとなったが、観客の声援は選手たちにきっと届いていたはず。

難敵相手になんとか、4試合無敗で3位をキープすることができた。






そして、今回のハーフタイムイベントはクラブのサプライヤーである「ISSHIN Co., Ltd.」様のご協力で実現することができました。ISSHIN様は、カンボジアで保険や緊急対応サービスなどを提供されており、以前にカンボジアンタイガーFCの選手を対象とした救急救命講習を開催していただきました。
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 カンボジアでは救急救命のことを知らない人が多く、日本で普通に助かるような事故でも命を落とすことが多いのが現状である。なのでこの講習は非常に勉強になると選手たちもメモを取りながら聞いていた。
 

 
今回出演していただきましたISSHINの小山さん、松崎さん、本当にありがとうございました。
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カンボジアンタイガーFCは、今後もサッカーを通して様々な形でカンボジア社会への貢献していきたいと思います。

 



※写真提供
菅野聡さん
高濱直也さん