本当に不思議なことなのだが
ここにきてまた、新たな展開が始まった。

定期的に行われる診察で、
感染症の原因を詳しく調べた結果
母が膀胱癌であるという診断が下されたのだ。

担当の先生と、今後の治療についての相談をさせていただくなかでいろいろと考え、

母にとって 家族にとって

何がいちばん最善なのか、

そして何よりも母本人の意思を尊重した結果、

『緩和ケア』を選択することになった。


この病院には癌患者専門の緩和ケア病棟があり、

部屋の空きがあればそちらに移してもらえるのだが、なかなか空きが無いらしく、

部屋が空くまで待ってもらうことになるだろう

という話だった。

どれくらい待つことになるのか
不安ではあったものの、
途方にくれていた状況よりは幾分か
気持ちが軽くなれた気がして
緩和ケアの病室が空くのを

希望を持って気長に待とうと思った。

けれども それからすぐ、
二日も経たずに緩和ケアの病室が空いて

母はそちらに移ることが出来た。

本当に幸運だった。

緩和ケア病棟は、本当に素晴らしく
看護師さんたちは皆んな、丁寧で親切で優しくて

申し分のない看護をしてくれた。

いつ顔を出しても、ちゃんと母を気にかけてくれていることが感じられたし、母も穏やかな笑顔でいてくれた。

「これからお母さんお風呂に入るんですけど、娘さんも一緒に身体を洗ってあげませんか?」と声をかけていただき、私も母の身体や頭を洗ってあげたりして、本当に気持ち良さそうで嬉しそうな母の顔を見ることができて、私も本当に幸せな気持ちになれた。

同じ病院なのに内科とこことでは天と地ほどの差があるなぁと、身に沁みて感じたし
緩和ケアの方々には感謝の気持ちでいっぱいになった。


そしてまたしても、
そんな幸せな時間はあまり長くは続かなかった。