下書きを読み返してみたら、前回の記事もそうなんだけど、映画やら原作やら漫画やら混在していて、映画について抜き出そうと思ったらもう残りはほとんどありませんでした。

アニメも含めそれぞれ別物として楽しんではいるのですが、やはり補完し合える部分もあったりして、映画の感想を言おうとしても他のバージョンがひっぱられてきちゃう。

そして、そういう楽しみ方が私は好きなのです。

というわけで、スペース以下はまたネタバレしてますので回避したい方はここまでということでお願いします。

あと、前回に比べるとすこしマイナスの感想が多いです。
でも、好きなんです。













郁ちゃんが監禁されている場所がどうやら立川にあるらしいとわかり、いてもたってもいられなくなった堂上教官は隊長の制止をきかず、現場に向かおうと部屋を出てしまいます。
そのときに、まるで刑事ドラマのように図書隊の手帳を机にバンと置いていってしまうんだけど…。

それ、いらなかったのでは。
と、思っちゃう。

見計らいの件は後悔していない、でもそこから身をもって学んだことは大きく、それこそがいまの教官を作り上げてるんだよね。

規律を守ることの大切さ。

だから、感情に流されやすい部分を必死で切り捨ててきた。

郁ちゃんのために図書隊員としてがんばってきたってとこあるじゃん。
あの子に恥じないようにっていう、いちばん心の支えにしているところなのに、そこで図書隊員の証明を投げちゃうのはどうなの。
いくら助けるためとはいえ。

ある意味では、郁ちゃんが図書隊員として成長させてくれたのに、いちばんがんばってきたところをそこでまた覆しちゃうのは、あの日の女子高生をがっかりさせるだろうと思うんじゃないかな。
だから手帳を置いたことは、堂上教官らしくないって思う。

郁ちゃんだからこそ、堂上教官には、図書隊員として部下を助けにいってもらいたかったな。

そんで、この部分が、原作堂上と映画堂上のいちばん大きな違いだったと思います。

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エンドロールでまた流れるメインテーマ。
“空飛ぶ…”と書かれていたのが、ふふっと。

いまちょうどドラマの再放送もしてますね。

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ところでさー。

岡田教官の「ぽん」に、んん…?と思った人は少なくないと思います。
なでたというよりも、むしろ郁ちゃんの髪の感触をじっくりと味わっているように見えてしまいましたが…。
だって、花の女子高生の髪が逆立つほど指をからめてたもん。

やだ教官たらそんなのやめてあげて…。
やっぱりぽん、あるいはぽんぽん。
それがいいのにー。

と、思ったんだけどね。

でもそうじゃなくて、頭に触れているそのわずか数秒間のうちに堂上教官の心にはいろいろな思いがものすごい速さでかけめぐっているのだと思って見れば、まああれもアリ。
初めてのときと、二回目と、込めた思いの違いについて推察するのも一興、見てる側の心もいろいろな意味で掻き乱されるシーンとなるのではないでしょうか。

原作にしろ漫画にしろアニメにしろ、教官のぽんはとても頻繁に出てきて、毎度その状況や心情にぐぐっときてしまうのですが、
この映画では出会いのシーンとラストの貴重な二回のみ。
だからこそ同じ手つきでも大きな違いがあるわけで、見てる側としては味わい深いんだよねー。

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惜しいのは、前回もちらっと書きましたが、本来主役であるはずの郁ちゃんをいまひとつ描ききれていないこと。

そもそも特殊部隊に選抜されたいちばんの理由である運動能力の高さが、きちんと見せられていない。

あのリペリングだけでは足りないし、あとから手塚がとってつけたように郁ちゃんの運動神経について述べてはいるものの、足りないよね。
手塚が郁ちゃんにガツンとやられるはずだったシーンも少々物足りない。

観客の立場としては、堂上教官がかっこいいのはよくよくわかる。
でも郁ちゃんが、最初はしごかれすぎて反発していたのに、それでもくらいついていった理由や、いつしかその背中が自分の目指す目標となっていたと認めるまでに至る過程が曖昧な気がする。
私たちから見た堂上教官を郁ちゃんが見てるわけじゃないので、もうすこし、郁ちゃんが堂上教官の揺るがない信念を見せつけられるようなところがあってもよかったんじゃないかなぁ。

持ち前の負けん気と、正義感の強さと、上官の言葉を全身で吸収していく素直さがあってこそ、堂上教官のわかりにくい優しさに気づき、その図書隊員たる姿勢に憧れ、自分の目指すところをそこに見出だしたんだもんね。

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手塚のキャラクターも、ちょっとわかりにくい。

カタブツで頭がいいくせに、仲間として打ち解けろと言われたからといって郁ちゃんに交際を申し込むというおバカさんだったりする。

憧れの堂上教官が妙に郁ちゃんをかまうからおもしろくなくて、できないくせにいい気になるなよと郁ちゃんにつっかかってしまうガキっぽさがある。

郁ちゃんへの“提案”については、もすこし早い段階で種明かししてあげたほうがよかったのでは…。
だってほんとに、顔が甘ったるいだけにナンパ男にすら見えかねないんだもん。
あげくの果てに、泣いた柴崎をからかって「意外とかわいいとこあるんだな」とかいう余裕っぷり。
いやいや、柴崎が泣いたら動揺するのが手塚のはず。

続編は、いまや超売れっ子になってしまった都合により、手塚にスポットライトがあたりすぎたりしたら興ざめしちゃうな。
手塚もかっこよくて好きなキャラクターなんだけど。

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結論としてこの映画は、郁ちゃんよりも堂上教官が主役になってるということだと…。

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で、なんだか文を読み返す気にもなれないこの記事は、もうこのまま投稿してしまいます。

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最後に。

テレビ放送も、ドラマも、続編もたのしみ。

でもいちばん気になるのは漫画版だったりする。

いちばん盛り上がるあたりを果たしてどの程度描けるのかっていうのがね。
いや、くわしく描いてほしいってことじゃなくて、でもあっさりしすぎるのもがっかりしちゃうじゃん。

そもそもLaLaというのはどのあたりの層がターゲットなんでしょう。
私は2~3作品くらいしか読まないけど、まあ小学校高学年も見られる雑誌かなという認識です。

でも今月号あたり、図書館戦争はラインをすこし越えたかな…と。
あくまで私個人の感想ですが。

中学生くらいならいける?

でも、原作の別冊Ⅰの、まんなか~後半あたりを掲載するなら、直接的な表現はなくても高校生以上じゃない?

LaLaというのは、それくらいが載せられる雑誌なんでしょうか。

なんにしろ、まだまだ楽しみです。
いつの間にか続編が決まり、気づけば撮影始まって終了、もうtrailerはとっくにかかって試写会もあり、このままだと公開までいってしまう。
見にいくために予定もほぼ調整済みだし。

雑誌のインタビュー記事もなかなかおもしろくて買いました。
岡田くんのファンというわけではないんだけど、彼の照れっぷりとまわりのニヤニヤ具合がほんとにタスクフォースみたいで楽しい。

前作の感想は今さらもう思い出しながら書くのは不可能なので、当時見に行って書き途中のまま放置していたこれを、適当に直してここにあげることにします。

テレビ放送も間近なので、それは録画してまたよく見たいなと思ってます。

原作の内容すこし含めネタバレしているので、避けたい方は以下読まないようお願いします。
べつに興味ないなぁという方も同じく。
だらだらと長いので。















オープニングの説明シーンが本物かと戸惑うほどリアルでした。

好ましくないとされる表現が使われたあらゆるメディアを取り締まるメディア良化法の成立、元号は昭和から「正化」へと変わり、その良化法で定められた検閲を行使する良化隊は火器銃器をもって武装化、そして良化法に賛同する過激派団体による日野図書館襲撃事件が勃発。
警察の助けが得られなかったため、武力を持たない図書館側はなすすべなく死傷者を出し、館に火を放たれ、多くの本を焼かれた。
これを機に非協力的な警察を見限り、良化隊の襲撃とも言える検閲に対抗すべく、図書館側も図書隊を立ち上げ武力を持ち、両者の本をめぐる攻防はまるで内戦のように激化してしまった日本。

そんな時代の中、とある女子高生は理不尽な検閲から助けてくれた一人の図書隊員にあこがれ、自分も同じように本を守りたいと図書隊に志願、顔も覚えていないその人を追い防衛部員として入隊する。
彼女こそ、この物語の主人公である笠原郁。

というところから映画は始まります。

力強くて勇壮ながら、清々しいほどにどこまでも世界が広がっていくようなメインテーマがとてもいいです。
信念と誇りを胸に抱き、本と本を読む自由を守るために、そしていつの日か、誰に取り上げられることなく読みたい本を手にとれる社会になるのを願いながら戦う図書隊員たちの物語によく合っています。
今ではなく、未来を見据えているような感じ。
この曲のためだけにサントラ買って、会社に行く前によく聞いたものです。
最近また聞いてますが、会社に着く前までにすこし気持ちがすっきりするような気がします。

さて。

あらすじを追いながらの感想だと、またLIAR GAMEみたいな事態になりかねないので、特に印象に残ったところとか、気に入ったところを拾って書き残しておこうと思います。

すでに前置きがかなり長いのは考えないことにして。

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図書館員として働く業務部に対し、郁ちゃんが所属する防衛部は、名前の通り日常の警備や良化隊の検閲に対する防衛を担う部署。
しかめっ面の鬼教官のもと、まるで軍隊のような訓練を受ける毎日。

鬼教官、つまり、もう一人の主人公である堂上教官です。

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余談だけど、私が考える堂上・小牧は、山田孝之と玉木宏です。

堂上教官は、岡田くんよりもうすこし強面だと思うし、むきになったり気まずくなったりという繊細な演技も山田孝之はうまいと思うので。

小牧教官は、原作を読んでまず思ったのが、間違いなく美形であるハズってこと。
それもかなりの。
さほど描写されているわけではないのですが、なんせ花束が似合って、りんごの皮むく姿さえも様になるんだもんね。

実をいうと、実際の配役については、小牧教官イマイチかも…なんて失礼なことを思っていたのですが。
いざ見てみたら、あれれ、かなりいいよ。
D/Iのセメントマッチのあと、郁ちゃんと階段を降りてくる小牧教官が、とても清潔感があってすてき。
頭ぽんぽんして去っていく姿、優しく見守っている雰囲気もすごくいい。
戦闘シーンは特に、堂上をよく見て常にフォローしているのがとても自然で、原作の小牧もこうなんだろうなぁとうなずけます。

でもやっぱり、ムキになっちゃうくせにたまらなく優しい山田教官と、良化隊の査問でやつれたり窓際でリンゴむいちゃったりする玉木教官を見てみたかったなぁ。

郁ちゃんは年齢無視すれば浅見れいなさん。
榮倉奈々ちゃんもたしかに郁ちゃんぽかったのですが、私としてはもう少し気の強そうなイメージです。

そんな私の勝手な配役とは全く関係ないのだけど、この映画の郁ちゃんもほんとにかわいかった。
いつも一生懸命で、負けん気が強いくせに脆いところもあって、でも一点を目指して何度も何度も立ち上がる。
そして必殺無邪気ね!

いろんな意味で放っておけない堂上教官の気持ちはよくわかります。

だってね…あの野営のときのね…教官の笑顔見て思わず明かりで照らしちゃうなんてね…。
新人のくせして上官になんつーことするんですかあなた!
とにかくこのときの郁ちゃんのかわいさときたら…。
そんで、それ怒らない教官もね、アレだよね。
しかたないよかわいいんだもん。

***

話をもどします。

どういうわけか自分を目の敵にする堂上教官に反発する郁ちゃん。
それでも身体能力の高さは誰もが認めるところ、さらには教官に飛び蹴りかましちゃうような破天荒ぶりが隊長に気に入られ、防衛部選りすぐりのメンバーで構成される特殊部隊に抜擢されます。

でもさ…。

玄田隊長が郁ちゃんを気に入った理由としては、“あこがれの図書隊員”とか“飛び蹴り”で十分としても、
多くの男性隊員を凌ぐほど優れた運動能力があってこその特殊部隊入りであるにもかかわらず、どうもそこらへんの説明がサラッとしすぎているような気がしました。
あれじゃなんか、ただの負けず嫌いの元気娘みたいな…。

画面いっぱい暴れまくる郁ちゃんが見たかったなぁ。

***

郁ちゃんの王子様発言に対して堂上教官が見せた、あのリアクションがすごくよかった。
面食らって、目が泳いじゃってるのがかわいいです。
郁ちゃんの理不尽なキレっぷりもよかったです。

そんで小牧教官は、理不尽なキレ方してる郁ちゃんより、うろたえてる堂上王子に笑いがとまらなくなった…と。
この男二人の関係も大好きです。

***

映画の序盤、堂上教官のセリフといえば、難しくて説明的だったり、厳しくたたみかけるものが多いので、岡田くんでは声がやわらかすぎると思っていたけれど、
やがて郁ちゃんに対する優しさや迷いを見せ始めると、そのやわらかい声がぴったりだと思えるようになりました。

司令とともに拉致された郁ちゃんのもとへ向かう車の中、原作では心の声として語られた本音を、堂上が小牧に吐露するシーン。
その最後に、祈るように絞り出した無事を願う言葉。
とてもよかったです。

***

ストーリーはいろいろすっ飛ばして、小田原攻防戦について。

次々と被弾し倒れる仲間たちを見る堂上教官。
郁ちゃんがそこにいたら、彼女も同じように倒れる可能性もあった。
郁ちゃんと彼女の両親のこともまた頭をよぎるでしょう。

それと、戦闘による負傷だけでなく、信念を持てど血を流す図書隊の現実に傷つく郁ちゃんを見たくないという気持ちを改めて自覚したのでしょうか。

大切なものを守るために戦うことは崇高な信念のもとにあるようで、実際は過酷であり決して清いものではないということ。

だからといって、郁ちゃんには郁ちゃんなりの秀でた能力があり、前線から外したのは間違いだったと。

あんな状況でもそう認められる教官は、男ではなくあくまで上官であらねばならないと思っているわけであり、それもまた“あのときの女子高生”に恥じない図書隊員でありたいという気持ちとつながっているのかなと。

かっこいいなぁ。

なにより、どんなにきつくあたっても食らいついてくる郁ちゃんの根性は、上官としては評価すべき長所だろうし、当の本人が望んだ道なのだからそれをやめろという権利はないのよね。

そこらへんの葛藤に苦しむ堂上教官と、その気持ちをわかってフォローしつつきちんと軌道修正させる小牧教官、二人ともほんといいんだよね…。

***

なんか思ったよりこの下書きがすごく長くて、まだまだ先がありました。
だからここで中断して投稿とします。

そんで続きはなんとか公開前に仕上げたい。
いや、テレビ放送見るとまたいろいろわいてきちゃうからそのまえに!

だけどこれだけはここで気持ちを出しておきたい…というのは漫画版の盛り上がり具合がたまらないということ…。

教官たらほんとにもう…。
カタブツなくせしてなんでそんなに扱いがうまいの。

郁ちゃん限定仕様なんでしょうかね。
でも何事も経験から土台ができるわけですから。

そこらへんが不思議なんだけど、もうそんなのどうでもいい。
原作もアニメもとっくに完結、さらに映画がおわっても、漫画はまだまだ続くのがうれしい。

それをひそかな楽しみとして、家のことやらなんやらこなしていくとしよう。

死ねばいいのにとか、
クソだとか、

べつに腹立たしいわけじゃない。

ただがっかりして、むなしいだけ。

私自身がどうこうというのではない。

私がそういうことを言われていると知ったら、私の両親や祖母、親戚、なくなった祖父ももちろん、私を今もかわらずかわいがってくれるみんなが悲しむだろう。
そのことに胸がいたむ。

私に対する暴言は、私に愛情を注いでくれた人たちに対しての暴言だ。
許されることじゃない。

でもいいよ。
あなたはきっと死ぬまでそのことに気づかないだろう。
誰に指摘されても理解できないのだ。
そのまま、人の痛みを知らないまま、いつか人生を終えればいい。
そのとき私は、あなたのとなりにはいたくないと思う。