港の挽歌

船が港につく頃には

もうこのよとはおさらば

風邪にまかせて

たどり着いた場所

けむる港町

 

銀のスプーンにうつる顔

涙ひとつすくって

波止場通りのマドロス酒場

船の汽笛が聴こえる。

 

飛べないかもめが歌う

夜通し子守唄

黄色い煙たちこめる

港に人がともる

 

いつか誰かと旅に出る

そんな夢を見ながら

風にまかせて

たどり着いた場所

煙る港町

 

by と&わらもん