先日9歳の誕生日を迎えたニポポ。
実は誕生日の前日に両コメ噛みのあたりに凄く嫌な感じのシコリを見つけました。
誕生日にもしもの結果は寂しかったので、誕生日の翌日かかりつけの動物病院へ。結果、大学病院附属の動物病院に紹介状を書いていただくことになりました。
翌週月曜日に予約が取れたので検査に伺いました。9歳という年齢もあって覚悟はしていましたが結果は悪性リンパ腫。迷わず抗がん治療をお願いすることにしました。
これまで胃捻転、肺水腫、膀胱癌、骨肉腫と犬種に関係なく歴代犬は100%の確率で大病に悩まされました。いつかは訪れるお別れの日。今は加齢による病気は仕方のないことと割り切り、後ろ向きにならず後悔の無いよう1日1日大切に過ごしたいと思っています。
来週から本格的な抗がん治療開始です。副作用が少なく、穏やかに過ごせることを祈るばかりです。
この大学病院での癌治療は初めてではなくニポポで3例目、グレートピレニーズのチュプは5歳で骨肉腫が発覚し、結果として前脚を断脚しました。
骨肉腫は肺への転移が早く、治療無しでは患部に激痛を伴う予後の悪い骨の癌です。
幸い早期発見で放射線治療を開始したところ、放射線を当てていた皮膚の壊死が進み断脚する方法しかなくなりました。体裁を気にするのは人間的な感覚、片方の前脚を失い不便ではあるけれど痛みが無くなったチュプはその後5年半も明るく元気に過ごしてくれました。優しくて、いくつになっても遊びが好きな性格の良い子でした。
その優しさは今いる子たちにも受け継がれています。
11歳で膀胱癌が発覚し12歳で他界したセタ。
バーニーズの寿命は「生後3年で若犬、3年経過で成犬、その後3年で老犬、その先は神様の贈り物」と言われ、癌は患いましたが彼は天寿を全うし最後まで家族を見守ってくれました。
普段は大人しくジッと足元で過ごす子で、頭が良くて空気を読める、実にバーニーズらしい子でした。この子に魅せられて、今後またバーニーズにご縁があればと思っています。
胃捻転がきっかけで他界したグレートピレニーズのピリカ。彼女は保護団体から譲っていただいた子で年齢不詳、壮絶過ぎる過去の持ち主でした。虐げられてきた影響による凶暴性から、家をたらい回しにされて我が家が4軒目。私自信、何度噛まれたことかわかりません。
本当の意味で信頼関係が出来た頃のある日、仕事から戻ると横っ腹が太鼓の打面のようにパンパンに張って膨れ上がり即手術、緊急手術は成功しました。しかし胃が捻れた際に脾臓への影響が大きく脾臓を摘出、免疫力が低下したピリカはその3ヶ月後に亡くなりました。
3年半我が家で過ごしたピリカはとても勇敢そして独特のオーラを放つ子で、この子には不思議と多くの人や犬が集まりました。
ミニチュアシュナウザーのレラは、山間の街を運転中、風のようにとフラッと自動車の前を横切ったのが縁で我が家の一員になりました。今考えると生きる目的を失った彼は自動車に引かれることを求めていたのかもしれません。とても無気力で悲しい目を持っていて、生きたいという覇気は微塵も感じられませんでした。
保護した当初から首に直径3センチくらいにもなる大きな悪性脂肪肉腫を患っており、毛は絡まり毛玉には枯れ草等が織り込まれ、皮膚には無数のダニ。近所の農家へ尋ねると数ヶ月前から納屋に住み着いているとのこと。そのまま連れて帰り後日警察へ拾得物として届け出て共同生活が始まりました。
首の脂肪肉腫は保護して即摘出。その後約3年我が家の一員として過ごし、最後は肺癌からの肺水腫が原因で息を引き取りました。
風のように現れ風のように去ったレラ(レラとはアイヌ語で風)
保護した当初からコマンドは一通り理解していて、成長期には大切に育てられていたのだと推測します。気配に敏感でよく番犬をしてくれる一方、座っていると膝の上にちょこんと飛び乗ってくる可愛い子でした。
私は人に物事を語れる立場ではありません。
ただ思うことは、人生または犬生において目的を持って生きてゆけるということは、とても幸せなことだと考えます。
仕事を与えられた作業犬達は達成を認められることで自信と喜びを得ます。
家庭犬達も然り、オーナーとの生活の中で肯定され家族として認められることでパートナーとしての自覚と自信、喜びを感じます。
また、生きる目的を失った保護犬達が家族の暖かさを取り戻した時の目の輝きは出会った当初のものとは全く違い、存在そのものを肯定されるということは、その者に生き甲斐と潤いを与えるのではないかと思います。
だから私は最後までニポポに語り掛け、そして名前を呼び続けていきたい。名前を呼ばれることが彼にとっての生き甲斐だと思うから。