花

花の命
摘まれてしまえば終わる
儚く残酷
美しいものはすべて壊れてしまう
いつまでもそのままであればいいのに

恋が彼等を連れ去った

僕たちの望みは叶ったんだ
でも叶った時に
次の望が生まれていたから
まるで叶わなかったように感じてるけど
最初のあの僕達の望みは叶ってはいたんだ
静かに考えてみると文句は言えない

こうやっていつも
繰り返した日常も
なくなってしまうんだね

心臓がとまりそうだっただろう
君の気持ちを知っている僕の
心臓は止まりそうだったよ

君はクールに見えていたけど
ふるえていた手を僕は知っている

『しみじみとした激情』

失恋した時 顔が変わったね
かなしい人はやさしくなるね
うつろう瞳の中に
強い何かがあるね

この複雑な愛の形を
誰にわかってもらおうとは思わない
この複雑な愛の形は
君だけが
知っていればいい

ただし
一度知ったら
逃げられないよ

愛する人の幸せをいのるというのが
最も基本的な愛の形だろう
ただ相手の幸せをいのる
それ以外に
何を望もう

青い海 白い波

あなたは私の
赤い帽子をさらって
笑いながら駆けていった

折からの季節は冬
すべてが白く光り輝き
ものうげに私は





全てを失くしてもいいと思っていた



失くしてもいいすべてが光り輝くすべてだったら



私はこんなに泣き顔ではなかった



こない電話をあきらめて
忘れたはずではなかったが
こんなところに来てもまだ



恋は記憶をおびやかす



登りつめたところに何があっただろう
途中で道をそれてしまった私たちには
永遠にわからない……



見たこともない景色が広がっていたのだろうか…

恋さえも長続きしただろうか？



わからない



僕たちはその代わりに
別の景色を手に入れた
そこは

二度と忘れないだろう







美しい絶望の地だった



銀色