ブラームス:交響曲第3&4番 by R.ノリントン
先日、演奏会に参加する機会があったのですが、その時に買ったのがこのCDです。
R.ノリントン指揮、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ(以下LCP)という古楽器のオーケストラによるブラームスの交響曲です。
ぼくは今まで演奏したことのない曲をやる時や、本番まであまり時間がない時には、CDを聴いてある程度の曲の流れをつかむようにしているのですが、今回はたまたまお店にあった一番安いCDがこれでした。(復刻廉価版ということもあって)
ブラームスはロマン派の作曲家で、憂愁がただよいロマンティックで重厚な響きというのが世間に浸透しているブラームスの音楽のイメージなのですが、これは古楽器(といっても、バロック楽器ではなく、クラシカル楽器ですが)によるめずらしい演奏です。 とはいっても、当時はこのように現在とは響きの異なる楽器を使っていたので、時代考証の面から言えば自然な解釈であり、普通のことなのですが、どうしても「めずらしい」という感覚を持ってしまうのと同時に、いわゆる「常識」というものがいかにいい加減で曖昧なものであるかを感じずにいられません。
基本的にこういう時に買うCDは曲の流れをつかむための資料としての役割でしかないので、演奏団体は特に気にせず、お手ごろな値段のものを手にとっただけなのですが、それでも、この演奏はブラームスに対するステレオタイプなイメージを破壊するのに十分な衝撃と魅力を兼ね備えており、貴重な演奏であると感じました。
ノリントンは今回の演奏に際して、楽器の種類を当時のものに合わせるだけでなく、楽器の配置も、当時の著作や録音資料などに基づいて、忠実に再現した、と解説に書かれています。
正直なところ、自分が持っている再生装置では楽器配置の十分な効果は感じられないのですが、バイオリンを対向配置にして外側にし、中低弦を奥側に置くことで、現代の配置よりも一体感のある響きが出ているように感じられます。
また、現代のブラームスの演奏には一般的となっている厚みのあるビブラートやポルタメントを極力抑制し、弦と管のアーティキュレーションとフレージングの統一感に配慮した演奏は、重厚感にはやや欠けるものの、非常にみずみずしく、新鮮な響きをもたらしてくれます。
ブラームスは楽器間で複雑なやり取りをさせるように書いた部分がたくさんあるのですが、ビブラートを抑制することで、それらの構造が非常に明晰になり、これまでブラームスの演奏でおろそかになりがちだったリズムの面が際立ち、時に現代のオーケストラ以上にアグレッシブな空気を含んだ飽きの来ない演奏に仕上がっていると感じました。
また、テンポは、古楽器による演奏にありがちなびっくりするほど速いテンポ設定はとっておらず、音質と響きにあったテンポで演奏していることも非常に好感が持てると思いました。
このノリントンによるブラームスのCD、ほかに2枚ほど出ているので、いずれ近いうちにこちらも聴いてみたいと思っています。
ミ☆
ミ★
