「お母さん、子供から離れてっっ!!」
息子、1歳になりたて。
都内の、とある撮影スタジオに、
某オムツメーカーの、
コマーシャルオーディションで呼ばれた。
驚いたのは、
集まっていた赤ちゃん達、
約20人位、
顔が、皆、息子に似ていた。
「あ、今回は、こういう顔の子が欲しいんだ」と、すぐ分かるくらい、似ていた。
オムツのCM
NHKのいないいないばぁ出演
こどもチャレンジのCM
ランドセルのCM
上記が、当時、私の思い描く、
息子を売れっ子の子タレにするための
王道街道だった。
よって、
今回のオムツのCMは、どうしても欲しかった。
しかしながら、
困ったコトがひとつ。
息子、人見知りが始まって、
他人を見ると、泣くようになっていた。
前の月までは、誰を見ても泣かなかったのに、
なぜ、この大事なオーディションで、
人見知り、、、、、、、
周りの赤ちゃん達は、
誰一人として泣いていないのに、
我が息子だけ、泣いている。
ポラロイドで撮影→休憩→面接→休憩→本格的なカメラで撮影、グズりながらも、
どうにかこれらを終えて、
いよいよ最終のビデオ撮影を、
俳優さんにみたてたスタッフさんと撮影。
この最終のビデオ撮影だけは、ガチの機材を使い、6名の審査員がいる中で、緊張感のある空気感の中、行われる。
ピリついた空気感を即座に感じとった息子。
明らかに、顔つきが変わってきた。
「はい、15番の〇〇君、お願いします」
と、スタッフさん。
ウチだ、ウチの番だ。
ドアを開けて、
その現場を見回して数秒後、
ウッギャーッと、
けたたましい声を上げて泣き叫ぶ息子。
はい終わった。
と、思った次の瞬間。
「お母さん!!子供から離れて!!」と、その中のお偉そうな方から言われ、
「えっ?えっ?」と、思う間もなく、
息子が、俳優さんにみたてたスタッフさんに抱っこされ、ビデオ撮影スタート。
暴れ泣く息子。
泣きながら私を見ている。
私に助けを求めている。
母性本能だろう、
すぐさま息子の元へ駆け寄ろうとした瞬間、
「お母さん来ないで!!」と、
お偉そうな方から、厳しく言われ、
立ちすくむ私。
立ちすくみながら、考えた。
ああ、そうなんだ、そういう世界なんだ。
赤ちゃんといえども、
プロとして事務所に所属している以上は、
プロとして扱われるんだ。
泣き叫ぶ我が子、
遠い目で見る私、
父親役の笑顔のスタッフさん、
それらを真剣に見つめる審査員の方々。
そう、そこは、
カオスな世界。
カオスな撮影は、3分位で終わり、
撮影中は、厳しかったお偉そうな方も、周りのスタッフさんも、息子に、
「頑張ったね〜」
「偉かったね〜」
と、声をかけてくれた。
そうか、
ここでは、
この世界では、
私は母親ではなく、息子の付き人として、
存在しなければならなかったのか。
と、思い知った。
無名の赤ちゃん達といえども、
キレイな控え室が用意され、
そこには、
赤ちゃん用のジュース、粉ミルク、ベビーフード、サイズが全て揃った紙おむつ、おねんねスペースにはベビーベッド、必要なものは全て揃っていた。
それまでも、
いくつかオーディションには行ったが、
大手企業のオーディションは初めてだったので、
大手になると、
こんなに待遇が良いんだ、、、、と思った。
疲れたので、ノンビリ休んでから帰りたかったのだが、息子がギャーギャー泣くので、
身支度をぱぱっと整えて、
逃げるようにその場をあとにした。
外に出た瞬間、
息子はご機嫌になり、
私を見て、ニコニコした。
「ハァ、、、その笑顔、さっき欲しかったんだけど」
と、抱っこひもでご機嫌の息子に言ってみたが、
ニコニコされただけだった。
オーディションの結果は、
事務所を通して1週間後には分かるようになっていたが、もちろん受かるはずはない。
が、親バカなのだろうか、
「あの、けたたましい泣き方が気に入られて、受かっちゃったりして」なんて思って、1週間、ドキドキしながら結果を待ってしまった。
ふふっ。
夏になると思い出す、
息子との思い出。
人見知り時期が終わった途端、
第一次反抗期が始まり、
3歳で退所するまで、
レッスンもオーディションも、
いつも、えらい目にあっていた。
メディアに出ている子タレさん達は、
本当にスゴい。
小さな頃から、
プロとして、
責任感を持って仕事をしている。
母親達もスゴイ。
キチンとその役割りを果たしている。
少しだけ、
子タレ業界の裏側を覗いたことがあるからこそ、
その子達と、母達のスゴさが、分かる。
ただひとつ言えるコトは、
何でも向き不向きがあって、
私に似て、
自我の強いウチの息子は、
向いていなかったんだな、と。
しかしながら、
『喉元過ぎれば熱さを忘れる』で、
その数年後、
私のとんだ勘違いで、
その後の人生がひっくり返るような、
怒涛の中学受験へと、発展するとは、
その時は、
思ってもみなかったのである。
チーン。
あ、夏休み中だし、
次回から、
ミツエビチリ家の中学受験珍道中でも、
書いてみようかな。
中学受験という大海原を、
豪華客船でもなく、
フェリーでもなく、
スワンボートで渡り切った、
私と息子の珍道中、
良ければ、お読みくださ〜い。
それでは皆様、本日も台風に気を付けて、良い1日をお過ごし下さいませ
またね
ここ数年使っているのは、
シワ改善化粧液と、
シワ改善乳液の
ファンケルエンリッチプラス。
乾燥肌の私には、
このエンリッチシリーズが、
めっちゃ合っている。
この画像、息子に見られたら、
「どした50前のオバサンがカワイコぶって
」
って、真顔で言われそう。
真顔で言われるのが1番イヤッ
お願い、見ないで〜っっ
あ、良ければどうぞ〜