今年のノーベル生理医学賞は、HIVの発見をしたバレシヌーシとモンタニエールらに決まりました。

本来ならとっくの昔に受賞していておかしくないのでしょうが、ロバート・ギャロの件(注1)が大きく影響していたものと推測できます。


モンタニエールとロバート・ギャロ氏の写真
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2393616/2945555#blogbtn


上のリンクの記事にあるように、モンタニエールとロバート・ギャロは共にHIVをエイズの病原体と特定したことになっているのですが、今回ギャロは受賞できませんでした。

しかしこの分野の研究者達の人間関係、ギャロという人物そのものにも非常に興味を覚えます。

ノーベル賞は、その発見や技術そのものより、発見に至るまでの物語や伏線が面白いものだという思いを一層強くしました。



(注1)エイズ疑惑―「世紀の大発見」の内幕より

正体不明の病として、世界中を恐怖に陥れたエイズ。
その原因であるウイルスを、米国のギャロ博士が発見したというニュースは、「世紀の大発見」として称えられた。
ところが、仏国の研究者たちから疑義をはさむ声があがった。
いったんは、当時のレーガン米大統領とシラク仏首相の立会いの下、異例の“政治決着”がなされ、後はノーベル賞発表を待つだけとなったが…。
それが、米国の有力新聞「シカゴ・トリビューン」の報道をきっかけに、国際的な論争再燃。
ピューリツァー賞受賞のクルードソン記者がまとめた、この「エイズ疑惑」報道には、米国の医学界で絶大な権力をもつギャロ博士とその周辺の科学者の、信じられないような裏切りと欺瞞の事実が示されている。



エイズ疑惑―「世紀の大発見」の内幕