今の日本では、選挙になると事前調査や出口調査が行われ、選挙情勢が詳しく報道されています。私が少年だった1980年代の日本と比較しても、選挙報道の技術は発達していると思います。おそらく海外のマスメディアと比べても、日本のメディアの事前調査・出口調査の精度は高いのでしょう。イギリスではEU離脱の国民投票について、出口調査の結果が実際と違っているものもありましたしね。
でも、思うのです。マスコミが努力すべきなのは、そこなのだろうか、と。
選挙の情勢分析の技術ばかり発達しても仕方ない。本来マスコミの報道が力を入れるべきなのは、政局報道の一種としての選挙報道ではなく、政治報道としての選挙報道ではないでしょうか。
今回の選挙で安倍政権が何を考えているか。今回の選挙がどういう意味で重要か。国会議席の3分の2というのがどういう意味を持つか。改憲とは何をすることなのか。安倍政権はどういう改憲をしようとしているか。日本国憲法はなぜできたのか。そしてなぜこれまで改憲されずに維持されてきたのか。日本国憲法の規定がどういう意味で重要なのか。日本国民はこの憲法を獲得する上で、どれだけの血を流し、アジアの人を殺し、多くの犠牲を払ってきたのか。
そういう報道に力を入れるのではなしに、選挙の情勢分析にばかり力を入れるのは、力の入れどころが違うのではないですか。
繰り返していいます。政治報道は、政局報道ではないのです。選挙報道も、単なる政局報道ではだめで、政治報道としての視点を持たなければだめだと思います。
