中国の人の辞書の引き方は?
昔務めていた会社に台湾の留学生が居た。彼らは台北駐日経済文化代表処関連の仕事や台湾のテレビ関連の仕事をしていました。
彼らが台北駐日経済文化代表処へ書類や許可願いを出すときは全て漢字の文章です。
漢字を忘れた時は?尋ねると
漢字の辞書を引いていました。
知らない漢字をどうやって 辞書で引けるのか? 不思議でした?
次のように 漢字辞書を引くようです
「最初の一字」に行くためには、その字の音を示すローマ字(拼音=ピンイン)を知らないといけない。わからない時はまず部首を見定め、「検字表」で画数から部首をさがし、あったら残りの画数を数え、目指す漢字が見つかれば、ローマ字が判明する。そこではじめて「辞書をひく」ことができる。これはかなり面倒な作業だ。
それを少しでも緩和するため、一部の辞書では部首に番号が振ってある。頻出する部首は引いているうち番号を憶えてしまう。すると部首をさがす手間が省け、引くスピードが上がる。するとますます引くのが億劫でなくなり、知っている語彙も増えるという相乗効果が期待できる。
『チャイニーズ・タイプライター』-漢字と技術の近代史 (単行本)
トーマス・S・マラニー 著 比護 遥 訳
アルファベットが前提のタイプライターは、一歩先に近代化した西洋の象徴だった。欧米人からすれば、中国語はタイプライターを作るなど不可能な魔法文字に思えただろう。4千年の歴史と文化のプライドにかけて同じものを中国語でも作ろうとした中国人は、膨大な漢字体系に挑戦する革命家の意気込みだったのか。様々な手法を試しては挫折を繰り返す姿は笑ってしまうエピソードもあり、満州国成立後は和文タイプライターを流用した日本製が広まるなど意外な事実にも驚かされる。かなりマニアックだが、多くの図版と共に楽しい歴史書に仕上がっている。
中国の人々が主体性を模索する執念にもうならされた。中国の言語的近代にとって、問いは「漢字は生きるべきか、死ぬべきか?」ではなく、「生きるべし、しかしいかにして?」。満洲(まんしゅう)国成立後は、日本語タイプライターと日本製中国語タイプライターが勢力を拡大する。日本語タイプライターを微修正した中国製も現れ、日本人との「結託」も告発された。
だが、留学や各国の専門家との交流で技術を磨き、資金や事業の協力が国を越えて進むことも明白だ。頑強なプライドが文化の発展を妨げるという側面も、タイプライターの歴史に見え隠れする。本書が織りなす歴史絵図は、今日の中国や中国人を見る上でも非常に示唆的だ。
なんとしても中国独自の中国語タイプライターを作ろうと、常用漢字に絞ったり、漢字を分割して組み合わせたり、漢字を数字やアルファベットのコードで仲介して伝送するなど、あらゆる方法が試された。
中国語との間にある距離感である。その隔たりゆえに中国語そのものに「問題」があるとみなされ、それを克服するための「パズル」が形作られることになる。常に西洋の「本物」のタイプライターを意識しつつ、この「パズル」を解こうとしていく人々の群像を描いていくなかで、漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源に至る。
かなり面白い歴史書ですね。日本にはカナがあってよかったね。