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 監督グ ザビエ・ドラン
「たかが世界の終わり」などで高く評価されるカナダの若き俊英グザビエ・ドランが、友情と恋心の狭間で揺れる青年2人の葛藤を描いた青春ラブストーリー。幼なじみである30歳のマティアスとマキシムは、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、心の底に眠っていた互いへの気持ちに気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠しきれない。一方、マキシムは友情の崩壊を恐れ、思いを告げぬままオーストラリアへ旅立つ準備をしていた。別れが目前に迫る中、本当の思いを確かめようとするマティアスとマキシムだったが……。ドラン監督が「トム・アット・ザ・ファーム」以来6年ぶりに自身の監督作に出演し、主人公の1人マキシムを演じた。
監督のインタビューより

映画に登場するのは実生活の仲間たち
──まず、本作を作ろうと思った理由を教えてください。

『友人たちを撮りたかった……いや違う。友人と仕事したかったんだ。「マティアス&マキシム」は若いときに作れた映画ではないんだ。なぜなら、仲間がいるという感覚を以前は知らなかったからね。

今回、映画に登場するのは20代半ばから後半に親しくなった実生活の仲間たち。僕の場合、学校に通っていた頃はみんなと同じように仲間がいたけれど17、18歳の頃から仲間がいるという感覚はなくなった。最近また仲間ができたから映画の題材になったんだ』
──親しい友人たちとの撮影現場はいかがでしたか。
『そういう話は苦手だな。撮影現場はとても活気があって面白かったけどね。友人との撮影の良さは幸せで楽しい中で仕事できることだね。もちろんプロだから厳しく仕事に臨んだけれど、親しい友人を相手に演技したり創造するのは確かに喜びだ。特別なエピソードはなくても、とても豊かで騒がしくていいことばかりだったよ』

──驚いたのは作中の会話がどれも即興ではなく、脚本の段階で細かく描写されていた点です。あのやりとりを脚本で書くのは難しかったのでは?

『即興は好きじゃない。人工的な印象を受けるんだ。上手な人もいるけど僕は役者として即興にすごく不安を感じる。即興だとバレたらいい結果は生まれないからね。皆リアルさを求めて即興を取り入れたがるけれど、理想どおり仕上がってる成功例は少ないと思う。

即興の方が躍動感があると言う人もいるけれど、僕は磨きのかかった脚本に沿って撮ることを好む役者と念入りにリハーサルをして完成度を高めていくんだ。話し方やイントネーションはもちろん、英語やフランス語のレベルも差をつける。今回もそのように準備して撮影に臨んだことで、彼らの親密な関係を表現できたと思う』

──男性の友情について描きたいと思ったきっかけを教えてください。
『子供の頃に見た映画が影響してると思う。男性グループが登場するような作品に敬意を払いたかったんだ。「アウトサイダー」とか男の友情がテーマの映画さ。でも直接ヒントを得たのは僕の友人たちからだ。彼らとの友情について語りたかった。
彼らといると安心できるし、どんどん絆が強くなっていく。特に、この4年ほどで仲良くなったグループは特に影響力が大きくて僕の人生を変えてくれた』
──マティアス役にガブリエル・ダルメイダ・フレイタスを選んだ理由は?
『6年くらい友達付き合いをしていて彼に当てて役を書いた。彼の容姿が好きだし、カリスマ性があるのがいいんだ。落ち着いているし背が高くて鼻も高い。エネルギーが感じられるんだ。演技のスタイルはテンポがよく、かつ繊細だ。だからあの役にぴったりだと思ったよ』
──マティアスとマキシムは互いを大切に思っているものの、二人の間に新たな感情が生まれ、葛藤に苦しみますね。

『男性特有の曖昧さや優柔不断さには僕もずっと悩まされてきた。新しい自分を発見したいと言って僕に近寄って来る彼らを信じて世界を広げてあげようとするけれど、恥じらっているのか迷いがあるのか、周囲に秘密にする人が多い。

一方、好奇心を満たすために気軽に誘ってくる人もいる。とにかく僕の人生はそのような恋愛の連続なんだ。恋愛というより出会いの方が正しいね。マティアスとマキシムは幼なじみで、二人ともストレートという点に最初からこだわっていた。彼らは予期せぬ感情に襲われ、完全に不意をつかれるんだ。長年くすぶっていた想いというわけではない。これを機に彼らは気付くのさ。人は感情を揺さぶられてから魅力を感じるとね。
“魅力”じゃないな……“欲望”の方が正しいね。二人は1回のキスに完全に翻弄されてしまうんだ。そのことが頭から離れなくなり、友情関係にも次第に影響が出てくる。
つまり、この映画のテーマは決して同性愛ではなくて愛なんだ。その瞬間が突然やって来た時、どう反応すべきかってね。僕らは周囲から枠にはめられがちだ。ストレートかゲイかバイセクシュアルか。彼らもその枠にとらわれてしまい、変わりたいと思ってもそこにはリスクが伴う。本当に自分のことを理解しているのかどうか、アイデンティティーを追求する。自分はリベラルな人間だと思っていても、実は固定概念に縛られている場合がある。セクシュアリティーは一度選んだら変えられないってね。それが隠されたテーマでもあるんだ』
フランス語文化圏のカナダの都市モントリオールはある意味マイノリティの人々であるからこそ その文化を守る 英語が上手くないふるまうのかな?本当は上手く話せるのにね。映画でもフランス語のしりとりが面白いね。