「ピオーネ」は、伊豆の国市で誕生しました。

 井川秀雄は明治29年4月、伊豆長岡町(現在の伊豆の国市)小坂に生まれました。伊豆市中伊豆でブドウの交配・育種によって「巨峰」を生み出した大井上靖氏(明治25年~昭和27年)の研究所に通い葡萄への情熱に駆り立てられるようになりました。日本の気候風土でしっかり栽培でき、また、巨峰に勝る優良種を目指して1,000種類以上ものブドウを育種しました。昭和32年(1957年)井川秀雄61歳の時、巨峰とカノンボール・マスカットの交配により、ようやく理想とするブドウ「ピオーネ」(最初の名はパイオニア、後にイタリア語のピオーネで登録)の誕生を見ることができました。             その後は後継者もなかったため、ブドウ畑は交配が進み、」樹齢30~40年の17本を残すのみとなりました。

 この大切な葡萄畑を守るべく2011年に「ピオーネプロジェクト」を立ち上げ、まず、このやせたブドウ畑に残った17本の樹勢を回復することから取り掛かりました。以後、静岡県東部農林事務所や伊豆の国市職員、JA伊豆の国等の皆さんの技術指導のもと、」近隣の学校教諭や生徒さんなど多くの方々のご協力で畑も蘇り、立派なブドウを収穫するまでになりました。

 小さな畑で一房ひと房大事に育てていますのでわずかな量しか収穫できません。どうぞ希少なブドウをお召し上がり下さい。