ぴのこおばちゃんも、げんきー!!!
秋の午前9時
歓楽街五反田のカフェで
ガラス張りの二階より
お送りしております
人待ち顔して外を眺めたりしてる
特に誰も来ませんがね
秋ってなんか
淋しい気持ちになりまんな
なんでかな
真夏は淋しさとは無縁で
猛暑だの高校野球だの
セミだのアイスだので
なんだか騒がしい
生命力にあふれている感じ
寒くなると生物学的に
閉じるのかな
(意味不明)
でもさー、小5から22歳くらいまでは
夏って大嫌いでさ
プールや海って水着を着るじゃない?
それが何よりも嫌だった
半袖短パンの体操服も
私には地獄の装束
忘れもしない小5の夏のある日
体育の授業に行く直前の教室内
「うわ!気持ちわりぃ!」
背後から突然
男子の1人にそう言われて振り向いた
その男子は私の太ももの裏を
指差して笑っていた
私の足には
生まれつきのアザがある
右の太ももの裏に
大きなアザ
どれくらいの大きさかというと
トイレットペーパーの芯くらいかな
いやもう少し大きいか
踏んづけてつぶしたくらいかな
色は褐色
輪郭がボヤけたりしていない
はっきりとした色、形
短パンの丈だと
全部出てしまう場所に
それはある
短パンをギリギリまで下げるんだけど
出てしまう
腕を目一杯下げて
手のひらで隠そうとするんだけど
不自然な格好になるし
やっぱり出てしまう
体育のある日は
母のファンデーションを
こっそり塗ったりした
でもね
そんなんじゃ全然隠れやしない
プールの日は
まだ始まってもいない「生理」のせいにして
できる限り見学
運動会なんて一日中最悪
友達にも親にも見られたくないのに
整列や競技中、丸出し
安心できるのは
体育座りができる時間だけ
組んだ腕で隠すことができるから
足が早かったから
陸上競技大会の代表に選ばれたりもした
でも、辞退
全部辞退
ユニフォームを着たくなかった
冬の大会でも半袖短パンだったから
足が露出する格好を、機会を
極端に避けていた毎日
中学が終わり、高校入学
私は当然のように女子校を選んだ
体育のこともあったけど
一番は恋愛だ
恋愛してはいけない
恋愛にならない状況を
誰かと恋をしたら
裸にならなきゃいけないんでしょう?
無理無理無理
そんなの拷問
また「気持ちわりぃ」って
言われてしまったら?
(浅はかだが、当時の私は本気でそう思っていた)
早く大人になりたかった
決められた服ではなく
好きな服を着ても良い大人に
プールを強制されない
大人になりたかった
大人になって
恋愛をした
裸になる前に
アザの存在を自分から切り出した
言いたくなくて
恥ずかしくて
情けなくて
泣いていた
だけど
気付かれるより
はじめに知っておいてほしかった
私の告白を聞いて
相手は電気を消し
アザをなでて
そして静かにキスをした
何度も何度も
アザにキスをした
私の、
人からしたら取るに足らない
ゴミみたいなコンプレックス
それを溶かすように。
深く長くギザギザに跡のついた傷を
癒すように。
いつも疎ましかった
何年も恨み続けたアザ
消したくて
かきむしったこともある
剥がしたくて
ナイフで傷つけたこともある
「こんな小さなことで」
今ならそう思える
でもあの時の私は確かに悩んでいて
開放的ではない思春期を送った
臆病で
僻みに満ち
ネガティブな思春期
飛び出す勇気が持てなくて
自分の可能性を
つぶしたこともあるかもしれない
そんなくっだらないこと気にしてないで
もっとオープンに堂々としていれば良かったのに
自意識過剰も甚だしい
若い自分にそう言えるか?
いや言えない
時間を巻き戻してやり直したいとも思わない
ダメだった私を後悔もしていない
焦ってまごまごして
人の目を気にして
右往左往してばかりだった自分を
ただただ優しく抱きしめたい
プールを拒み続けた数年間
いまだに泳げない自分
頑張ったね
つらかったの見てたぞって
頭を撫でたい
だからこそ
自分の子供に
こんな想いはしてほしくない
うん
してほしくなかったのにな
娘に
受け継がれてしまった
ああ、神さま
なぜですか
ま、その話は
次の機会に
というのも
この記事を書くのに
なんと3週間もかかってしまった
涙でボヤけて書けないのよ
一行書いては「今日はおしまい」と
ブログを閉じて
今はまーったく気にしてないことなのに
あの時の自分の気持ちが蘇っちまって
進まないんだな
大人になって日常に埋もれ忘れていたけど
久しぶりにこのコンプレックスに触ったら
それは胸の奥底にやっぱり居て
「ああ、いらっしゃったのね」
「そんなにもハッキリしたお姿で」
とご対面
誰に頼まれたことでもないのだけれど
思ったよりもエネルギーのいる作業だったな
もうたいしたことないと
タカをくくっていたが
なんだかすごく疲れてしまった
って
冒頭の二行との落差よ
それも全部秋のせいにして
長い長いブログを読んでいただいた
皆さまのご多幸を祈って
バッハハイ!