李忠成選手のインタビューより

・ ヨルダン戦の危機感がチームの団結を生んだ。
・ ザックの何気ない一言、ボディタッチの様な気遣いが心に染みた。それでモチベーションも保てた。
・ ザックは練習の合間にコミュニケーションを取る。
・ ザック自身が真面目なので、日本人に合ってる。

以上 
香川が日本の攻撃に必要だと改めて感じさせられた試合
Jリーグ経験者でもあるオジェック監督は日本の弱点をよく知っていた。
それは「高さ」と「プレッシャー」
攻めに関してはDF今野の高さの穴を突く
香川が居ない中、ボールキープ出来るのは本田。その本田にぴったりマーク。
後は素早いプレッシャーでミスを誘う。

身体能力ではオージーが勝っている。それは高さだけでなく、足の長さも含まれる。
Jリーグやアジア諸国との試合では抜けたはずのパスも高さだけでなく、横からスルっと伸びてくる「足」に阻まれる事になる。
高さの無い南米やスペインはそこを個人技で崩し、取られない位置に持ち込んでパスを決める。
日本は個人でのキープ力がまだそこまで無い為に、崩す前にさっとボールを離してしまう。
離した先にはDFが待ち構えており、インターセプトされてしまうのだ。

さて、前後半を通じて、このオジェック監督の采配は見事にはまり、他の試合で見せた日本の素早い縦への攻撃は封じられる。
何度も言う様だが、香川の穴は大きかった。藤本が代わりに入ったが、周りとの連携が不足しており、相手の裏をかくようなパスワークが出来ない。失敗出来ないというプレッシャーがあったのか、「確実な」パス、「安全な」プレーが感じられた。
それは悪い事では無いのだが、連携不足故に一つ一つのプレーに一瞬の確認する間があり、それが相手に次の行動を「読む」間を与えてしまっていた。
藤本は明らかに機能していなかった。

本田は終始厳しいマークに苦しめられていた。本田にボールが渡る前に周りが囲んで素早い寄せを繰り返し、さらにオージーの厳しい当たりにも苦しめられていたが、あの厳しいチェックの中でボールを奪われないキープ力と突破力、倒されない身体能力の強さは流石。東アジアの国では本田とパクチソン以外に見当たらない。

長友は驚異的なスタミナで相手に張り付き、攻撃では足でかき回せるのだが、実は守備が課題。
裏を取られたり、上を通され、クロスを上げられる事が目立った。
逆サイドの内田は守備はよく、よく守っていたのだが、長友とは逆にスピードが無く、パスの精度も雑で攻撃の芽を潰してしまっていたのが何度か見られた。

前半のオージーはこの弱点を最大限に突いて、攻撃では長友の側から崩したり、今野の高さのミスマッチを使ってポストプレイ→シュートに持ち込む形を上手く機能させていた。
ただ、オジェックにとって意外だったのは吉田だろう。アジアカップを通じて、それ程パフォーマンスが良くなかった吉田だが、この試合ではエースのキーウェルに抜かれる事無く張り付き、高さでも競り負けない強さを発揮した。
オジェック監督にとって、川島の神セーブ、そしてDF吉田にエースが抑えられる事は計算外だっただろう。
日本の攻撃を見事に封じたオーストラリアだが、重要な局面で点を取る事が出来ず、前半が終了する。

後半開始早々、ザックが動く。藤本では打開出来ない事は前半で理解していたが、それは藤本だから駄目なのではなく、香川以外に香川の代役は務められないという事。
弱点はハッキリしており、相手の狙いもハッキリしている。
岩政の投入、そして長友を上げる  実に的確な変更であった。
これは、機能していない藤本を下げ、穴であるセンターの高さを埋め、長友に得意のスタミナで攻撃参加させる一石三鳥の策だった。

ここでようやく日本の守備が安定し始める。それに加え、後半に入り、少しずつバテ始めたオージーをスタミナ抜群の長友が抜いていく。これに焦ったオージーサイドはラインを下げざるを得ない。ここで抑えられていた日本の中盤も少しずつ息を吹き返す。

ただ、日本も最後を決めるまでには至らず、逆にカウンターを決められあわやという場面を作り出してしまう。

延長戦では互いに運動量が落ちてオージーは殆どロングボールのみの単調な攻撃になってしまう。
ザックはここでパフォーマンスが悪くなっていた前田を下げて李を投入。
前田は確かに強く、高さもあったが、元々高さのあるオージーにはこれまでの様なポストプレイをさせてもらえていなかった。
ここに高さでなく、スピードや飛び込んで勝負する選手である李を投入したのは正解。
ただ、今まで使った事も無く、連携も未知数でザックも悩んだ上での投入であっただろう。

スタミナがなくなりつつあるオージーに対し、機敏な李にボールが渡ると、確かにリズムが出来たのだが、惜しむらくは日本側がパスミス、キックミスなどミスを連発させ、結局李までボールを運べないまま敵に奪われてしまっていた事。
この様に両軍停滞ムードに入ったまま延長戦後半に移る。

このままのペースでPKになるかと思われた後半5分頃、長友の脅威のスタミナが突破口を開く。
サイドから一瞬の隙を突いて、開幕直後と変わらぬ速度で前線に駆け上がる。
スタミナの切れ気味なオージーDFは長友を追いきれず、フリーで奇麗なセンタリングを上げさせてしまう。そして、そこに居たのは「どフリー」の李。落ち着いて長友から弧を描いて飛んでくるフワっとしたボールに合わせ、左脚を振り抜く。ドンピシャのゴールだった。キーパーが動けないのも無理は無い。
あれはワールドクラスのボレーシュートでした。

ここからオージーも最後のパワープレーをするも、放り込みの形は最後まで変わらず。
ラスト1分でゴール前の危ないフリーキックを与えてしまうが、ここを何とか凌いで試合終了。

日本代表 本当におめでとうございました!

課題:
① ボールをキープ出来て攻めの端緒を作れる香川の交代要員が必要 控えで大久保が必要か。
② DFがまだ安定しない。吉田はムラがあり、今野はまだDFを統率出来ない。トゥーリオがまだ必要。
③ 大型ストライカーの育成/発掘。これはずっと日本代表の課題となってきた。李は才能を見せたが、前後半を通じて活躍出来るかどうかは未知数。ポストも出来る大型FWが欲しい。ザックも本来このポストを使った戦術を得意としている。
④ 以前に比べれば選手のトラップ技術が格段に向上しているが、欲を言えばまだ足りない。
 一本一本のパスのスピードを上げる為にも更なる向上が必要。
⑤ 代表だけでなく、ユースの育成が急務。次代を見据えて、ユースの監督こそ世界の最前線で戦えるプロフェッショナルな監督を海外から連れてくるべき。日本のユースは未だにアマチュア意識が強く、しかも半ば協会の天下り組織になってしまっている。

思いつくまま書いてみましたが、ざっとこんなところでしょうか?
さて、草食系だとか、ひ弱だと言われている若者世代。
そろそろメディアも世間も若者で一括りにして決めつけるのはやめにしたらどう?

試合後 共同会見 一部抜粋です イタ語サイトから

Q 優勝できた理由
A 控えの選手も含めて全員で組織サッカーを徹底できたこと。
特別変わったことはしていない。Jリーグの長所を引き出すことに重点を置いている。組織的ですばやいパス回し。そこに世界基準の味付けが必要だと思っている。このチームはまだまだ伸びる そして国内リーグの発展も願っている

Q 藤本→岩政へのスイッチについて
A 既に相手チームの攻撃パターンは出尽くしていた。そのうえで高さ対策を。また、現状の味方の攻撃システムで中央突破は無理と判断したため

Q 攻撃視点でのスイッチ理由についてもう少し詳しく
A 前半、パス回しからすばやい縦パスを入れたところ、相手が3枚まとまって潰してきた。ここで、中央突破はダメだと見た。おそらくオジェック氏(元Jリーグ監督)の指揮だったのだろう、岩政を入れることで底を固めたうえで、こちらはサイドをえぐる展開を狙った。 
  左のナガトモをより押し出して、右には岡崎を持っていった これで流れが変わった

Q 采配の的中率に驚かされる
A 特別なことはしていない。味方の強いところと弱いところ、相手の強いところと弱いところ、試合の展開をあるがままにみているだけだ。

日本代表、優勝おめでとう!


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