久しぶりに独りカラオケに行った。元々計画をしていたものではなく、ぽっとでの休みが出来たもののやる事がない。バッティングセンターに行こうとしたが右手首が痛くてそれどころではないっていうので、時間潰しに最適な道を選ぶ事に。

カラオケボックスに独りという状況になるのは一体いつ振りだろう。振り返ると8年近く前になるようだ。長らく行けていなかったなぁと痛感すると共に、果たして当時何を歌っていたかの記憶が曖昧になっている事に気付く。とりあえず採点モードをONにして、AKB48「センチメンタルトレイン」を歌う。あれ、この曲って2018年の曲か?時間感覚がバグっている。

どうにか当時の感覚を思い出さないと。確実に昔の曲である「重力シンパシー」を歌う。カラオケの画面には2012年のAKB48のメンバーが。いやあ、あの頃は豪華だったね。前田敦子、大島優子、篠田麻里子、小嶋陽菜…。今のAKB48のメンバーはせいぜい数人しか言えないが、当時のメンバーの大半は言えるんじゃなかろうか。そんな歴史的遠近法による懐古をしつつ歌い続けていたのだが、何か違和感がある。もう少しこう…当時はもう少し盛り上がっていた気がするのだ。ハラハラしたし、より高得点を狙おうと思えた何かが。

嗚呼、高鳴る高揚感がなくなる感じ、これが衰えか。いや、採点モードが当時と違うのだ。あの頃は精密採点ではなく全国ランキングモードをONにしていた事を思い出す。早速当時を再現して、「ファーストラビット」を歌う。そうそう、これだよこれ。全国の猛者を抜きつ抜かれつトップを目指す感じ、これがボクにとってのカラオケの醍醐味なんだよ。まぁ哀しいかな、当時と違って「ファーストラビット」を歌う絶対数が減ってるし、ボク自身もまるで声が出なくなってるんだけど。こっちは完全なる衰え。

それでもやはりある程度高得点を採れると満足するし、何よりシンプルに大声で歌うのは楽しい。徐々に感覚を取り戻してきたので、調子に乗って最近のお気に入りである上坂すみれの「LOVE CRAZY」を歌う。カラオケでボクの好み歴史を感じる。ふと画面を見ると、PVが無い曲を歌うと流れる汎用映像が流れていた。

「画面の中にいる彼女。片思い中と思われる彼はゲームに夢中…のはずが、気になっていたキーホルダーを彼からプレゼントされ大興奮。お礼に昼ご飯のお弁当を作ってあげるのでした。」…。あの頃と変わらない映像を見ながら、あの頃と何もかも変わったボクが最新ソングを歌う様。いとをかし。


【ひとこと】
歌う曲の年代が混ざっていく感じ、たまらなく好き。