エストニアで現存する最古のカフェ、マイアスモック(Maiasmokk)へ足を運んだ。

 

タリンに来てから、旧市街を歩き尽くしてきたので、このカフェの前は何度も通りかかっている。

外から見える観覧車のようなオブジェが気になっていたお店だ。

 

1864年創業。160年以上もの間、この場所で営業を続けている歴史あるカフェ。100年以上ほとんど内装が変わっていないクラシカルな雰囲気でも知られている。

 

店内へ一歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップをしたような感覚になった。

長い年月を重ねてきた家具や調度品。その一つひとつから、この場所が歩んできた時間を感じる。

とても贅沢な空間でありながら、時間を忘れて寛いでいた。

 

 

 

 

 

 

タリンの街を歩いていると、ロシア文化の影響を感じる場面がいくつもあった。

そんな街で、私はロシア料理を味わうことにした。

 

注文したのは、水餃子のような見た目の料理、ペリメニ。そして、鮮やかな赤色のスープ、ボルシチ。

特に印象に残ったのはペリメニ。

サワークリームが添えてあり、味の変化を楽しみながらいただいた。

日本に帰国した今でも、あの味が忘れられない。

あぁ、食べたいな。

 

 

 

 

 

旧市街には展望台が二つある。

絶景を望むため、展望台へ向かった。

念の為、上着を持って出かけた。

展望台まで続く階段を登っていくと、日本人らしき男性が降りてきた。

「こんにちは」と声をかけてみると、「こんにちはー」と笑顔で返してくれた。

五十代くらいの男性だった。

展望台からの景色や気温について尋ねると、「すごく綺麗な景色だったよ。楽しんできて」と気さくに答えてくれた。

そして、私が抱えていた上着を見て、「それは暑いよ」と笑う。

思わず私も笑ってしまった。

私は残りの階段を軽やかに駆け上がり目的地を目指した。

展望台からの眺めは、息をのむほど美しかった。

赤い屋根がずらりと並び、まるで『魔女の宅急便』の世界に迷い込んだような景色が広がる。

遠くにはフェリーターミナルが見え、その先にはバルト海を望むことができた。

私はその景色を五感に刻むように、感覚を研ぎ澄ませた。