
金曜の仕事帰り。
デパートのシャネルコーナー。
欲しい物なんか本当はなかった。
3年前に買ったチャンスが少しだけ色褪せてきていて、
それがほんの少しの気がかりだった。
肌は変わる、馴染む香りも変わる。
私達は変わり続けることで生きてそして死んでゆける。
最近また「ココ/シャネルという生き方」を読み返していたせいもある。
女の生き様は潔くなくてはいけない。
“香水をつけない女に未来はない”
そのフレーズと休憩時間に見かける女性のたたずまいに
新しい香水を求めたのはごく自然なことだった。ダイヤモンドの名前がついた香りをかいだ瞬間に体に馴染むのがよおく分かった。
チャンスは好きだった、だけど新しい何かを求めていた。
1983を吸い込んだときのひらめきが運命でないのなら私は宇宙の法則には従えない。
そういう出会いだった。
12月1日から1週間だけオープンするそのフロアの予約をした。
その日は特別なメイクをして貰って少しだけオシャレして彼とデートをする。
清潔だから香水がよく似合う。
そういう女になりたい。