「若いうちに行けば、すきになるよ」
「お父さんさ、旅行していちばん楽しかったのどこよ?」
と、生前、父に聞いたら
「日本なら夏油(げとう)温泉かな。
おもしれーぞ、岩手は!美味いし!」と、即答。
なんでも、
①夏油温泉は、冬は豪雪により
立入禁止になる秘湯で、ガチ混浴。
お父さんが若い頃に友だちと遊びに行ったときは、
ピッチピチの地元女性がふつーに入ってきたそうな。
めちゃめちゃ、楽しかったそうな。
②結婚したての時、お母さんと岩手を旅行したそうな。
飲み屋に入ったら、どんぶりいっぱいのウニがドーン!
「頼んでませんけど!」って言ったら、
それは“お通し”だったそうな。
ふたりで、キャーキャー言いながら
新鮮であまーいウニを一生分食べたそうな。
それはそれは楽しそうに語ってくれて、
「もう一回いきてーなー」っと。
「岩手は、若いうちに行くとすきになんぞ!」っと。
結局、お父さんはもう一回いくことはできなかったけど、
あたしの中には すっごくすっごく強く
“夏油、岩手” が残ってて。
「とーちゃんがめっちゃすきだった岩手、
いってみたいなぁ」っと。
ということで、夏休みに行ってきた。
お母さんに、「行ってくる」って言ったら
「あたしも行く!」と。
おばあちゃんに、「行ってくる」と言ったら
「あたしも行く!」と。笑
結局、未亡人2人
否、三世代で岩手にいってきました。
つづく!
じーちゃんに、献杯
今日は、じーちゃん(愛称:じーじ)の告別式でした。
じーじが、煙になって、ふぁふわ~と、天国に行きました。
危篤に何回もなって、最後は人工呼吸器に生かされてる感じだった。
医者に治る見込みはないって言われて、
「酸素マスク、どうしますか」って聞かれて
かーちゃん家族が立ち合って、酸素マスクを10日の朝11時に外した。
外したら半日もたない、って言われてたのに、
私が仕事の後、21時くらいにダッシュで駆け付けたら、
まだ生きててくれてた。じーじ、ありがとう。
かなりあぶなっかしい状態で、
たまに呼吸すんの忘れたりして、「オオオイ!」って思って
のどちんこにチョップしたりしてた。笑
「じーじ!呼吸、『呼吸』忘れたらダメよ!」って言って。
ばばちゃん(おばあちゃん)も、めっちゃ叩いてた。笑
ツルッとハゲた頭に手おいて「じーじ、がんばれ!」って
念を送ったりすると、「ピッ」って心拍数が上がったりして。
孫パワー強し!って思った。
あたしのじーじ。78歳。
すげぇわがまま。亭主関白。めっちゃお洒落。
JAZZとコーヒーと自転車をこよなく愛した人。
3年前、パーキンソン病×アルツハイマーに。
パーキンソン病になってから、体動かなくなっちゃったけど、
昔はすごい速足だった。しかも後ろを振り返らない。
それはもう、すげーんす。
あたしが小さいころはよく遊びに連れてってくれて、
二人で出かけると、何度も置いてかれて(笑)
数回は迷子にならされてる。
仕切るのがすごい好きな人で、ボケてからも、
幻覚でよく「幹事をやってる」時があったらしい。
ばばちゃんは、そうゆうのに全部付き合ってたんだって。
ボケたじーじに合わせて、演技いっぱいしたって。
「まぁ、楽しかったわよ。楽しむしか、ないじゃない。あはは」
って、介護相当辛かったはずなのに、笑って話す。
ばばちゃん、強い。
でも、ばばちゃん曰く、
日々じーじの記憶が薄れていく中で
じーじがおもむろに真面目な顔して
って、家の鍵をばばちゃんに渡してきた時は
「すごい、悲しかった」って言ってた。
自分の夫にそんなこと言われたら、って考えると泣けた。
11日の夜中、じーじは亡くなった。
「今天国行ったら、森繁と円楽いるよ!じーじ、楽しいじゃーん」
って言ったら、みんなが笑うくらい、悲観ムードはなく。
ちょっと早かったけど、「大往生だね。」って感じだった。
じーじの好きだったJAZZが、ずっと流れてるお葬式は
なんともじーじらしく(ばばちゃん、選曲ナイス)。
いっぱい泣いたけど、いいお葬式だった。
最後に。じーじの部屋あさってたら、
私のためにコレクションしてくれていた切手アルバムが出てきた。
しかも、全部使えるやつ。
す、すごすぎて、使えない!!」って思ったけど、
母が「こうゆうもんは、使ったほうがいい」というので、使います(笑)。
誰かに、手紙を書きたくなりました。
























