アクマリン様が、新昭和からご帰還なされたようです。 | もものすけの気ままなブログ

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千葉県木更津のご当地ヒーロー『鳳神ヤツルギ』のエンディングダンスが、大好きな人達が集まって作った【ヤツルギダンス部】の部長だったり、ご当地ヒーローに会いたかったりするおなごのブログです。

海底帝国は、静かだった。

ギョジーン兵達は封印の間を掃除し、ファンガークは自分の椅子で静かに目を閉じ、眠っている。海底帝国には、珍しく平和な時間が流れていた。

だが、やはりそんな時間は長くは続かないものなのだ。

「ちょっと、一体なんなのよ!!!」

突然の怒号に、掃除をしていたギョジーン兵達はびくりと体を震わせる。眠っていたファンガークは、ゆっくりと目を開き、声の方に視線を向けた。声と共に、見慣れた紫色のスーツが、せかせかと自分の方に近づいてくるのを見つけ、うっすらとファンガークの口元に笑みが浮かぶ。

「おぉ、帰ったのか」

「う~る~さ~い~~っ!!!」

そう叫びながら、アクマリンはファンガークに詰め寄った。すっかりと眠りから覚めたファンガークは、意地の悪い笑みを浮かべたまま、アクマリンを見上げる。アクマリンは、バンっと音をたてて椅子の背もたれに手を突き、ファンガークと視線をぶつからせた。

「見てたんでしょ?」

「何を?」

もう一度、アクマリンの手がファンガークの椅子の背もたれを激しく叩いた。だが、ファンガークの笑顔は、崩れない。それどころか、さっきよりも楽しそうな顔になっている。

「お前がヤツルギとキサラにぼろぼろにされるとこなんて、見てねぇけど~?」

次の瞬間、ダンッ!という音と共にアクマリンのヒールがファンガークの爪先を思い切り踏みつけた。

「ヒグゥッ・・・!!」

変な声が聞こえ、ギョジーン兵達はちらりと二人を盗み見た。そのギョジーン兵達の視線を意識してか、ファンガークはなんとか悲鳴を飲み込み、アクマリンを見上げる。その目には、じんわりと涙がにじんでいた。

その様子を見たギョジーン兵達は、二人の険悪な雰囲気に息を呑んだ。

おそらく、このままでは自分達までとばっちりを食うだろう。

そう確信したギョジーン兵達は、助けを求めるファンガークの視線に気づかぬフリをして、こそこそとその場を離れることにした。

「ちょっ!おいっ!!」

後ろから聞こえるファンガークの助けを求める悲鳴も聞こえないフリで、ギョジーン兵達は封印の間から出て行ってしまった。あいつら!とファンガークが声をあげようとした瞬間、新しい痛みがつま先を襲った。

「うぐぉっ!!!いでぇっ!!!」

「言っておくけどね、アタシが負けたのは、アンタのせいなんだからねぇ!!聞いてんの!!」

ぐりぐりとヒールで踏んだところを更に踏みつけながら、アクマリンはファンガークに文句を浴びせかける。別に俺のせいじゃないだろうと思いつつも、ファンガークはあまりの痛みに反論する事も出来なかった。

「アンタの作った深海獣が弱すぎんのがいけないのよっ!!」

「わ、わかった、わかったからぁっ!!」

ようやくアクマリンの足が爪先から離れ、ファンガークはホッと息をついた。そして、踏みつけられた足を膝の上に乗せ、ふーふーっと息を吹きかける。じんじんとした痛みは、すぐには消えてくれないようだ。

「ったく、私の華麗なる作戦をしっかりと見ておきなさい!とか言って、勝手に俺の深海獣連れて行ったの自分じゃんか」

ぶつぶつと小声で文句を言い出したファンガークを見て、ひゅっとアクマリンの足が小さく振り上げられた。そして、その足は見事にファンガークの脛に振り下ろされ、バキッと嫌な音を響かせる。

「・・・・・・グゥッ!!!」

くぐもった声をあげたファンガークなど気にもせず、アクマリンは自分の椅子に腰を降ろし、ふぅと溜息を吐いた。まるで疲れきった少女のような表情で。

それを見たファンガークは、思わずこぼれそうになった言葉を飲み込んで、蹴られた箇所を一生懸命さすることにした。もう、自分の体を傷つけるわけにはいかないのだ。

「あ~あ、アタシ疲れちゃった~」

独り言のようなアクマリンの呟きが聞こえる。だが、ファンガークは、ちらりともそちらをを見ないようにとアクマリンに背中を向けた。

「ねぇ、ファンガーク、次はアンタが行ってね」

「何で、俺が・・・」

小声で嫌そうに呟くファンガークに、アクマリンの鋭い視線が突き刺さる。背中に痛いほど突き刺さる視線に、ファンガークは溜息をついた。

「わかったよ、わかりました!行けばいいんでしょ、行けば!!」

「あらぁ、ちゃんとわかってるじゃない」

急に機嫌の良くなったアクマリンの様子に溜息を吐きながら、ファンガークは頭の中で計算を始める。今から準備したら、一週間・・・いや二週間は必要だ。

「じゃっ、よろしくね、ファンガーク」

アクマリンの陽気な声に、ファンガークは溜息を吐き出すしかなかった。

そして、ファンガークは、二週間後の十月二十九日に地上に行く事を決め、急いで準備に取り掛かるのであった。


<おしまい>


と、言うわけで次のアクションショーは、10月29日に木更津のジャスコで行われます!!

この日は、天神キサラ後編の発売日イベントですので、橘マリ役の笹丘明里ちゃんも招来予定♪

お暇な方は、是非、遊びにいたしてくださいね~!!


アクマリン様は、新昭和から海底帝国に帰ってきて、一通り八つ当たりしたんじゃないかなという妄想小話をお送りいたしました。

もものすけの妄想にお付き合いいただき、ありがとうございました。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。


それでは、また会う日まで。


サヨーナラー(_´Д`)ノ~~.。・:*:・゚`☆、。・:*:・゚`★*