そして次の受診の日が来ました。
手術の為の検査結果を見ながら
お爺さん大先生から呼ばれていた外科の先生は
診察の時に 首を傾げていました。




「あなたは5月に癌性胸膜炎になっているのに
何故 転移してないの?
あの抗がん剤だけで 治ったのかな?」




半年間の間
乳癌は完治せず進行していたにも関わらず
癌性胸膜炎は完治していたのです。




乳癌が原因の肺に溜まった水は
半年後には 消えてなくなっていました。




癌性胸膜炎の水の中には
ガン細胞がウヨウヨしていて
転移する準備が整っていたそうです。




ところが
微量の抗がん剤を数回に分けて
投与した事によって
『奇跡的に』
転移もなく 完治していた事に
外科の先生は 驚いているのでした。
(『ガンは進行し ガンが原因の肺の水は無くなった』という
神秘の現象)




私は
肺に水が溜まっている説明も受けていないし
しかも そんな重い症状だとも聞かされてなかった事に
驚くとともに




「なんだぁ 抗がん剤って効くやん︎凄いやん︎」
と抗がん剤に対して
頼もしく嬉しい感情を
始めて抱きました。




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