今回は、摂食障害で苦しんでいる人の苦しさや痛みの原因について、自分なりの考えを説明したいと思っています。



満腹感の話よりも先にどうしてもお伝えしておきたいと思いました。


摂食障害で苦しんでいる方の苦しみようが、読んでいるだけでもあまりにもつらく感じるからです。


本人の苦しみたるや、想像を絶するものがあると思います。


しかも、意志や努力の問題とされてしまっているのが、何とも恐ろしいことだと思います。


何か、少しでも参考になればと思って、確証など何もないことなのですが、自分なりの考えを述べたいと思います。



まず先に言っておかなければならないこととしては、私は、ダイエットではかなり苦しんで、嫌な思いや悔しい思いをたくさんしてきましたが、摂食障害の苦しさは実際に体験したことがないということです。


摂食障害で苦しんでいる人の話を参考にして、想像したり考えたりすることしかできません。


そういうわけで、実際に摂食障害の苦しさや痛みというものは体験したことがない人間が語っているということは理解しておいてください。



想像と実際の体験は、まったくの別物です。

実際に体験されている方の、「そこは違うと思う、私はこう思う」というような意見や感想は、とてもありがたいことなので、ぜひお願いします。




それでは、まず、摂食障害の苦しさや痛みは、どのような性質のものなのか?についてです。



私が考えるには、摂食障害の苦しさや痛みは、慢性痛と同じメカニズムが生じているのではないかということです。


具体的にどういうことかというと、同じ痛みや苦しさの刺激が神経回路を伝わって脳に伝達され続けると、その痛みや苦しさの刺激を伝達する神経回路が過剰に発達してしまい、わずかな痛みや苦しさを、強烈な痛みや苦しさと感じてしまうようになるということです。



この脳神経回路の発達を望ましい使い方で使った場合は、練習をひたすら繰り返すことによって、超人的なレベルに達することができるということになります。


同じ刺激をひたすら繰り返せば、望ましい方向でも、望ましくない方向でも、猛烈に神経回路は発達することになるということです。


慢性痛というのは、望ましくない方向の神経回路の過剰な発達ということになります。



もともと「外傷性のけが」など、痛みの原因があり、その痛みの刺激が続き、神経回路が過剰に発達してしまうと、痛みの原因であったけがが治ったあとも、皮膚に何か刺激があっただけでも激しい痛みを感じるというような症状が生じることがあります。


このような慢性痛や神経痛といったものは、考えられていた以上に恐ろしいものなのだということが、最近の研究でわかるようになってきました。


これまで痛みや苦しみというものは軽視され、医学的な研究が非常に遅れていました。


痛みや苦しみというのは、直接命を落とす原因となることはほとんどないということ、それから客観的に数値化するのが難しいといったことが理由です。



本人にしかわからない苦しさや痛みというものは、他の人にとっては、大げさ、気のせいといったことにされかねません。


これは、本当に難しい問題だと思います。




それから、なぜ慢性痛と同じメカニズムが生じている可能性があると考えるのかについてです。



やせたいと思って、空腹感を我慢すると、本来は我慢しない方がよい本能的な働きによる本物の空腹感も我慢することになります。苦しいのを無理に我慢し続け、何日も、何ヶ月も、場合によっては何年も耐え続けることになると思います。


そのとき、空腹感の苦しさを伝える神経回路は常に発達し続けることになるはずです。


これだけ強い刺激が流れ続けているのに、その神経回路が発達しないということは、あまりにも考えにくいことなのです。


ましてや、生命の保持に関わる信号です。

生き延びようとして、生存本能は必死に強い信号を送り続けているはずです。

グレムリンのように凶暴で残酷なまでの激しさがあるはずです。


そういうものを必死に耐え続けていたら、どうしてもその苦しさを伝える神経回路が発達してしまうはずだと思うのです。



もし、この考え方がそれなりに正しいとすると、摂食障害で苦しんでいる人は、そうでない人と比べて、はるかに強い苦しさや痛みを感じるようになってしまっているということになります。


この考え方だと、理不尽なほどの苦しさの説明がつくと思います。


実際は、どうなのでしょうか?




また、慢性痛や神経痛は、心理的なストレスが強ければ強いほど、痛みがひどくなるのですが、これも摂食障害の性質とよく似ていると思います。


心理的なストレスが強くなればなるほど、痛みや苦しさが強くなってしまうのですが、困ったことに、痛みや苦しさを強く感じれば感じるほど、心理的なストレスも強くなってしまうのです。


まさに悪循環なのです。



それから、血流が減少することで、慢性痛の症状はひどくなって痛みが増します。食事をずっと我慢し続けると、内臓の血流量は大幅に減少してしまうでしょうから、この血流の減少という点でも似ているだろうと思われます。



また、内臓や神経から伝わる苦しさ・不快感というのは、内側からえぐるように突き上げてくる苦しさでしょうから、本物の空腹感とそっくりなものであり、見分けられないのも無理はないと思います




もし、慢性痛の原因と同じように、痛みや苦しさの神経回路が過剰に発達したり、血流が減少したりしているということならば、摂食障害で苦しんでいる人は、そうでない人以上に痛みや苦しさをうまく回避する必要があることになります。


空腹感の感覚や満腹感の感覚によりうまく対応できるようになる必要があるということです。


本物の空腹感を感じたら、しっかりと食べて、満腹感らしきものを感じたら、そのあたりで食べ終わるという習慣を続けなければいけないということです。


うまく食事をとり続ければ、血流量も増加・安定するでしょうから、改善する可能性は十分にあると思います。


とにもかくにも、痛みや苦しさをうまく避けて、徐々に弱めていくことが大切だと思います。




特に強く訴えたいこととしては、自分の精神力が弱いから、空腹感の苦しさを我慢できずに食べてしまうのだ、と自分を責めないで欲しいということです。通常の空腹感の苦しさとは大きく異なる苦しさである可能性が非常に高いからです。


自分がダメだと思えば思うほど、さらに苦しくなるという性質の苦しさや痛みだと思われます。


だから、もっと必死に頑張ろうとするのではなく、痛みや苦しさを弱めていくということを重視するようにして欲しいと思っています。



具体的な方法論などは、またお伝えしていきたいと思っています。


痛みや苦しさを弱める具体的な方法は、それなりに期待できるものを紹介できるのではないかと思っています。




今回は、気持ちが先走った面が強くて、何を言いたいのかが伝わったか、かなり心配であります。


摂食障害の苦しさや痛みは慢性痛のメカニズムと関係がある、などと言っている人は、他にはいないようなので、まったくの見当違いなことを言っているのかもしれません。


確証も何もなく、推測にすぎません。


いろいろな体験をもとに、意見や感想をいただけると、とても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします。