忘れられる権利とは、201111月にフランス人女性が過去に撮影したヌード写真が氏名と共にインターネット上に掲載されていたことについてgoogleに対して削除請求を行い、欧州司法裁判所が女性の訴えを認め、googleに対して削除命令を出したことによって認知されるようになった。

これが、世界で最初の忘れられる権利を認められた判断であると言われている。

その後、2014年5月には、スペイン人男性が過去に社会保障費の支払いを滞納していた事実を記載した新聞記事へのリンクの削除を求める訴訟を提起し、男性の請求が認められた。

欧州司法裁判所の判決を受けた後、googleは、削除依頼のためのフォームを提供している。

フォームの設置依頼後、検索エンジンのインデックス削除であって、サイト自体の削除ではないもののGoogle側には多くの削除依頼が申請されている。

その様子を欧州のプライバシーに基づく検索結果の削除リクエストで、削除リクエスト数、対応した数、対応したサイトURL上位などを公開してる。

2016/10/31現在、googleは、欧州の「忘れられる権利」判決に従って1,750,191ページ余りのウェブサイトを審査し、574,667件の削除リクエストを受け、うち43.2%を同社の検索結果から削除したことを明らかにしました。リンクの削除が最も多かったサイトはフェイスブックであった。

SNSは便利で、気軽に写真を公開する事が出来るが、投稿した情報は瞬く間に広がり、本人が希望しても後から消せない事が周知されてきた。

一方で、拡散した情報を消したいといった要望が出始めたものの、社会やサービスは対応する事が困難であった。
これは、googleの情報収集システムによるもので、本人が望まない情報であっても、半永久的にネット上に残り続ける事を意味する。
従来は、googleにデータの削除を求めても、断られたり相談に乗ってもらえなかったりと、プライバシー侵害や名誉毀損等で、裁判を起こす方法が唯一の選択肢だったともる。

しかし忘れられる権利が登場した事で、欧州ではgoogleも対応せざるを得なくなり、情報の削除を求める人が本人だと証明を行い、該当する理由が認められれば、十分にデータを削除してもらえる余地が生まれた。特に、snsでの個人的な情報は保護される方向になったともいえる。

また、日本でも平成2610月に男性が自分の名前を検索した際に過去に犯罪呼応委を行ったように連想させる記事が多数掲示されることから米google社に対して検策結果を削除するように求めた裁判において東京地裁は仮の削除命令をだし、日本初の判決で言及こそされていないものの、「忘れられる権利」が認められる判決となった。その他、「名前を検索すると犯罪行為を想起されるキーワードが表示される」として名誉棄損を訴えた「サジェスト事件」や、201111月に児童買春・ポルノ禁止法違反で逮捕された男性がgoogleの検索で逮捕時の記事が表示され続けていることは不当として米googleに対して検索結果の削除を求める仮処分を求めた地裁の判決ではいずれも「忘れられる権利」を認めた。特に後者のさいたま地裁の判決において、「犯罪者といえども過去の犯罪を社会から『忘れられる権利』がある」と言及し、国内で初めて忘れられる権利を認めた。しかし、上記二つの控訴審、上告審をはじめ、「ヤフージャパン」「Google」に対して、自分の名前を検索すると盗撮事件の逮捕歴が表示されるのはプライバシーの侵害に当たるとして、検索結果の表示差し止めと慰謝料約1100万円の損害賠償請求の裁判、日本人の男性が自分の名前を検索すると、過去に犯罪行為をしたかのように 連想させる投稿記事が多数表示されることから、 Google本社に検索結果を削除するよう求めた裁判などでは軒並み原告が敗訴するという結果に終わっている。原告敗訴の判決文にはほとんどの場合「情報を表示することに公益性が認められる」と判断されている。

 

アメリカでは、性犯罪者に対して半永久的に「名前、住所」などの個人情報が公開されている。もちろん、犯罪者の更生には周囲が「忘れる」ということも大切だが、そうとも言い切れない世の中になってしまっている。