喧騒のときが終わったら、
だれも覚えていないことを、私だけが覚えている。
母だけが覚えていること。
祖母だけが覚えていたこと。
気が遠くなるほどたくさんの、消えてしまった、誰も覚えていないことが、
渦になって宿る。
いつものテーブル、
いつもの椅子、
いつもの食器棚、
いままでずっとついてきてくれて、生涯そばにいてくれる、
自分だけのヴィンテージ家具たちが、十分な時をかけて熟成していくのを、
この先も満足気に眺めてゆきたいな。
