January 2009


最近読んだ「怖い絵」という本に触発されて、そういえば昔も絵についての本を買ったなぁと思い出して、実家で探してきた。たぶん中学生くらいのときに買った。聖書を有名な絵画を使って読み解く、といったような趣向の本。

絵はカラーで載っているんだけど、全体ではなくて一部しか載っていない絵が多いのが残念。
それでもふんだんに写真がついているのがよかった。またなんともゆるい挿絵と手書き文字も楽しい。
聖書を紹介するための本ではあるけど、宗教画の新しい形の絵画本でもある。
旧約聖書と新約聖書の比較、聖書にたくさん出てくる同名別人のマリアやヨハネの分類なんぞも書かれていて、教養のないぴもー的には整理して理解することができて、すごくためになった。

特に旧約聖書はドロドロしてておもしろい。
・アダムとイヴの子カインとアベルは人類初の殺人者と被害者
・バベルの塔
・男色の町ソドムとゴモラの町が滅ぼされる話
・モーセのエジプト脱出
・スーパーアイドルのダビデと怪力ゴリアテ
・怪力の源の髪を切られるサムソンと美女デリラ
・洗礼者ヨハネの首をほしがった(ヘロデアと)サロメの話
・ホロフェルネス将軍の首を持ち帰るユーディトの話

聖書って神秘的だったり崇高だったり、はたまたグロテスクだったり官能的であったり、たくさんの画家が絵画にせずにはいられないすごい情感で満ちている。
それに象徴に満ちているから絵画に二重、三重の意味を持たせることもできる。
聖書があったから西洋はあんなに絵画が発展したのかもなぁと思った。

カラヴァッジョの光と影のコントラストがくっきりした精緻な絵の感じがいいなーと思った。
いつかウフィツィ美術館に行きたい。

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