May 2008

すべてがFになる (講談社ノベルス)/森 博嗣
¥1,029
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この作者はぴもーの母校の先生だということは知っていたけど読んだことがなかった。卒業してやっと手に取ることとなった。森博嗣のたくさんの作品の中でこれを選んだのは、「F」のキーワードが気になったから。大学の先輩で「F」と呼ばれている人がいた。苗字がFで始まる上に、ことごとく落第している(成績のA,B,C,Fで「F」)。だからこのタイトルに興味をひかれた。

久しぶりに次が気になる本だった。
完全な密室。異様な死体。たくさんの天才たち。外界とはかけ離れた近未来的世界。14年前の事件の謎。金持ちで美しく若い女性。それに、厭世的な主人公。
ちょっとだけ恋愛っぽい要素が入っていて、そちらも興味をそそる。
うまいなぁ、と思える推理小説。

手放しで称えられないのは、自分の思想を無理やりストーリーの中でひけらかすようなところがあって、ちょっと辟易。しかもおいしいところを全部持っていくんだからね。著者と同じような立場の人物を主人公にするフィクションはちょっと食傷ぎみ。。。まぁそれは才能ある人への妬みかもね。

他の作品を読んだらまた違うかも。ストーリーはよく練ってあって、複雑怪奇でほんとにおもしろいと思う。