先週の台風21号の被害は甚大でしたね。被災者の皆様にはお見舞い申し上げます。
私も今は東京に住んでいますが、以前は長い間、関西勤務だったこともあり、見慣れた場所に甚大な被害があった事に心痛みました。
その中でもやはり衝撃的な光景だったのが関空の水没でした。飛行機は元々台風には極めて強い乗り物です。私もよく、今日はキャンセルかなと思って出勤すると全然問題なく飛べてしまうと言う事頻繁にありました。台風直撃で上空にあるのに飛べてしまうと言う事もありました。
飛行機は怖い乗り物だと思われている方、沢山いると思います。事実、私もこれまで再三お話しして来た通り、飛行機は正直、危険な乗り物です。鉄の塊が空飛んで安全な訳がありません。それをいかに安全に運航するかが私達パイロットの仕事であり、その為に沢山の勉強や訓練をして来ているのだと思っています。
ただ、実際には飛行機は鉄道やその他の地上の乗り物に比べて台風には極めて強い乗り物である事も事実です。それは何故でしょうか?
飛行機と鉄道やその他の乗り物と決定的に違うのは、地上の乗り物は出発地と目的地を結ぶ線の全て天気が良くなければ危険だと言う事です。つまり、台風等の場合、その移動線全てに台風がかかってはならないのです。東海道新幹線が名古屋周辺に台風があって、東京から大阪不通になる事が良くあるのはこの為です。
それに対し、飛行機は出発地と目的地の天気だけ良ければ問題ありません。その間の経路はいくらでも変更できるからです。しかも、出発地も目的地も横風でない限りどんなに風が強くても離着陸出来てしまうのです。実際にはあまり風が強いとターミナルの地上設備が運営できなくなってしまうので、限界はあるのですが、それでもその限界は極めて高い水準にあります。
ところが、関西空港は実は台風に弱い空港なのです。空港としての機能は他の空港と同じで、むしろ滑走路が長い分離着陸には非常に優れているのですが、問題は地上交通機関なのです。海上にある空港であるが故の弱点がそこにあります。関空に行くための唯一の手段は関空と対岸の泉佐野市を繋いだ1本の海上通路になります。(厳密には神戸港からフェリーも出ているのですが、これは輸送力が大きくはありません)。これが滑走路とはほぼ90度で連なっているのです。つまり、関空の滑走路に対して正対風である強風の場合はこの道路は横風となり、ここを走る車や電車は止まってしまうのです。ましてや今回は衝撃的映像でしたが、その唯一の通行手段にタンカーが激突してしまい、崩落させてしまいました。あのようになってしまうと関空は完全に孤島となります。にもかかわらず、あのように高潮でターミナルまで浸水して来たとなると、現地にいらしたお客様は恐怖を感じたのではないかと思います。
今回のこの災害で私も昔、強い台風の中関空に着陸し、私達はそのまま次の空港に向けて飛んで行きましたが、後から聞いたらお客様はそのまま夜中まで空港を出る事が出来なかったと言った事があったのを思い出しました。
関空が出来た頃、関西経済は非常に調子が悪く、関西経済の足を引っ張っているのは関空だと言われていました。それは立地が極めて悪いからです。ところが、その後、中国経済の飛躍的躍進もあり、関空は沢山の観光客を大阪に呼べる空港となりました。しかし、ここに来てまた水を差す形になってしまいました。今更言っても仕方ない事ですが、関空は本当に利権が絡み合って利権優先で作られてしまった愚作の空港だと私は思っています。関空が大阪経済を10年を遅らせたと言っても過言ではない空港だと思います。本来ならば大阪の現在のユニバーサル・スタジオのある辺りに作っていれば伊丹空港も廃港になっていただろうし、神戸空港も無く、関西の空港を集約出来たと思います。しかもその建築費は伊丹空港の敷地を売却すれば全て賄えますし、余計な関空の漁業補償等も必要なく、あのような莫大な建築費をかける事はなかったと思います。また、地盤沈下する事もないので莫大な補修費もかからない。大阪の中心地にも近く、最高だと思うのですが、、、。
空港事業はどうしても莫大な利権が絡むので、地域経済の発展の為と言うよりも時の有力政治家の意向が強くなるインフラです。とは言っても正直、関空は酷い。まぁ、そのような事を言っても後の祭り。今はいかにあの使いづらい関空をうまく利用して経済を活性化させるかが重要ですからね。この問題は関西圏一丸となって考えていかないとならないと思います。

全く脈略のない、独り言に今回はなってしまいましたが、たまにはパイロットらしいことを呟いてみました。
 

 高校生とか中学生が

 

「数学なんて社会生活で必要?勉強する意味は?」

 

と疑問を持つことは多いと思います。

 数学だけでなく、受験勉強なんて社会生活に何の役にもたたないと思う方は多いと思います。しかしながら、果たしてそうなのでしょうか?

 

私は違うと思います。

 

 少なくとも私に限って言えばいまだに受験勉強や大学で勉強した数学の知識は大いに役立っています。それは飛行機に必要なものではありません。単純に私自身、何をやるにもまずはEXCELを駆使して色々な角度から計算をしてから計画を立てるためです。感覚でなく数字的な裏付けを持つことは何を始めるにも非常に重要な事だと思います。

 日本の受験界の悪い所なのですが、日本においては英語が出来れば優秀みたいなイメージがあります。事実、何故か国語を差し置いて英語だけは文系にも理系にも必須科目になっているばかりでなく、配点までもが他の課目に比べて極めて重くなっている大学が多いのも事実です。このような日本の受験界が日本の訳の分からない英語偏重の教育を生み、結果的に数学力や歴史力、論文力と言うのが軽視される結果となっています。
 皆さんの周りにもいませんか?英語が話せるだけなのに、自分は極めて優秀だと勘違いしてしまっている方々。間違ってはならないのは

英語は単なるコミュニケーション・ツール

です。+αで何が出来るのかが重要なのです。

 私の大学時代の友人たちも各々結構立派になっている年齢になって来まして、私の一番の親友も今はニューヨークでとある会社の社長とかしていたりします。彼らと飲みながら話をする時にこの会話は必ず出てきます。英語が出来るだけで優秀だと勘違いしている連中が多いと。まぁ、友人達は皆、TOEICとかは限りなく満点に近いので、英語が話せたところで何なの?って感じなんですが、英語が話せるだけで優秀ならば英語圏の人間は皆優秀な事になってしまいます。

 彼らも言っていますが、英語は遠くない将来、自動翻訳機や通訳機が精度を上げ、あまり必要なくなって来ると予想されます。その点、物を作るにも、会社を経営するにも、何より必要なのは数字に強い事です。そういう意味でも私の母校も政治経済学部が数学必須科目にするようなのですが、良い傾向だと思います。

 因みに、数学も文系の方々が思っているほど難しくは無いと思います。勿論、難解な理論も色々あるのでしょうが、一般的に何か考えたり、会社の経営計画とか立てると言うレベルであったら高校数学が完全にマスター出来ていれば十分だと思います。

 

 なので、学生の皆さん、数学を勉強する事には将来的に意味は必ずあります。分からない事が分かるようになります。知らないと言う事は時に怖いこともあります。なので、高校数学位までは是非、しっかり勉強してくださいね。必ず、その本質を理解出来れば、将来、勉強して良かったと思う筈です。
 
 因みに番外編。一時、インド式数学って流行りましたよね。インド人は小学生でも九九が19×19まで覚えているって事で、インド人は凄いとか言われていましたよね?
 あれって、個人的には日本でも教えれば良いと思うんですよね。実際、便利なんで。

 

 因みに、あれは正確に言えば19×19まで覚えているのではないですよ。すぐに計算できるだけです。計算方法を覚えているだけなのです。だから日本の小学生でも簡単に覚えられます。実際に覚えているのは九九だけです。
 

 例えば、

 

  16×13= ???


 すぐに計算できますか?計算方法だけ覚えておけば簡単です。
一瞬で答えは出ます。

208

です。


 では、どのように計算しているのか?これだけ覚えればオッケーです。理屈はあるのですが、理屈抜きですぐに覚えられます。このブログを読んで頂いたら今日から皆さんも簡単に19×19までは言えます。


まず、両方の一桁を足してください。
 6+3=9
ですね。
 そして下一桁同士をかけ合わせます。
 6×3=18
ですね。
 頭は100(理屈抜きで覚えましょう)で十の桁は先ほど計算した9で足して190で最後にこの190に先ほどの18を足します。

 

100 + 90 + 18 = 208


はい208になりました。これだけです。

 同じように14×16はどうでしょう?

                            100+(4+6)×10+6×4 = 224 

 です。簡単ですよね。インド人はこれを覚えているだけです。

 

最後は話がそれましたが、是非、数学に興味を持ってください!
必ず役に立ちますよ。