ウェス・アンダーソン監督作品、短編2作品をご紹介致します。

●PRADA CANDY L'EAU
 PRADA香水CANDYの短編CM

●Company Of Thieves - Oscar Wilde
 CompanyOfThieves「OscarWilde」のPV

このCMとMVでは、素晴らしくウェスの作家性が表れています。
CMの方は最近のウェスのスタイルが色濃く出ており、
MVの方は「天才マックス」オマージュとも取れる、
「旧ウェス・スタイル」といった感じです。

両作品とも国外公開の為、日本ではあまり知られておらず、
ご存じない方も多いと思います。
が、ウェスが好きな方には大変オススメです!


PRADA CANDY L'EAU


Company Of Thieves - Oscar Wilde (Video)
ウェス・アンダーソン監督作品、
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」をご紹介致します。

個人的には生涯ベスト級の作品。
ウェスの作品で日本公開された初めての作品です。
全米有力メディアがこぞってこの作品を、
「2001年ベストムービー」に選出しており、
ゴールデングローブ賞・最優秀男優賞をジーンハックマンが受賞。
アカデミー賞「脚本賞」にもノミネートされました。

《あらすじ》
この作品は架空の小説の映画化という設定。
かつては“天才ファミリー”として脚光を浴びたテネンバウム家。
世界で一番自分勝手な父親ロイヤルの過ちと裏切りによって、
3人の(元)天才児たちはトラブルだらけの大人に成長し、
一家は離散状態に。
だが「もう永くない」という父親の一言で、
家族は(渋々ながら)22年ぶりに一つ屋根の下に再会する。
愛情的には絶体絶命。
果たして彼らに心の絆が芽生えるチャンスはあるのだろうか・・。
おかしくも痛烈にして愛に満ちた家族の物語。

まずは俳優陣。
ハリウッドの豪華キャストが結集しております。↓
映画大好き夜行性ブログ-キャスト
ジーン・ハックマン
アンジェリカ・ヒューストン
ダニー・グローヴァー
ベン・スティラー
グウィネス・パルトロー
ビル・マーレイ
オーウェン・ウィルソン
ルーク・ウィルソン
シーモア・カッセル
アレック・ボールドウィン(ナレーション)

アンジェリカ・ヒューストン演じるエセル・テネンバウムは、
ウェス監督のお母さんがモデル。
考古学者という職業から、掛けている眼鏡までそっくりです。

映画大好き夜行性ブログ-アマデオ
そしてリッチーの子供時代を演じるアマデオ君は、
あのジョン・タトゥーロの息子さんです!かわいい!

■ウェス・アンダーソンについて。
映画大好き夜行性ブログ-ウェス
この作品で彼のスタイルは完全に確立され、
以降の作品に顕著な作家性の要素が引き継がれています。
中でも特に以下のような特徴が挙げられます。↓

:絵本のようなストーリーテリング。
:平面的でグラフィカルな構図と緻密なレイアウト。
:長回し横スクロールの一斉演技シーン。
:登場人物全員の過剰にシュッと決まった70年代風衣装。
:毎回必ず出てくるビル・マーレイ。
:監督の弟のエリック・アンダーソンのアートワークが随所に登場。
:望遠フルショットからバストアップまで一気にズームする力技ショット。
:主要人物がBGMに合わせて、
 スローモションでカメラに向かって歩いてくるショット。

また、
父親と息子の関係を描いた作品が多いのもウェス作品の特徴です。

いつも見かけるあの大物俳優が、ウェスの作品に出ると
いつもと違うタイプの登場人物として、いつもと違う表情を見せてくれる。
そんな奇妙な「お約束」が始まったのも、この作品からでした。

ウェス監督はとにかく几帳面な事で有名で、映画を撮る際は、
いつもハッキリと明確なビジョンを持っており、
毎回俳優に細かく指導していきます。
彼の下準備っぷりは半端じゃなく、撮影に入る前から、
シーン毎に流れる曲まで把握しているそうです。

毎回バックに流れる音楽がいちいち秀逸で、
独特の世界観・空気感を作っているなぁー。と思ったら、
なんと音楽担当はDEVOのフロントマン、マークマザーズボー。
彼はウェス監督の前後の作品でも、音楽を担当しています。

DVDのコメンタリーでウェス監督自身が、
この作品の内容を要約しています。↓

「成功の長い余波の中で、彼らもまた生きている。
 プレッシャーも大きい。彼らは皆、芸術家といえるだろう。
 一時期に明確な目標を持っていた。
 そしてその達成のために、自分を追い込むように努力を続けた。
 でも気がつくと、才能は消えていて、
 あとに残ったのは家族だけだった。」

深い!まさにこの通りの映画です。
広く皆様にオススメしたい。
伊丹十三作品のテイストが好きな方、
ウェス・アンダーソン作品に免疫がある方、
家族もの・シニカルコメディが好きな方には、
特にオススメです!


ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 予告編↓

今後どういう記事を書いていこうかな~と悩んでいます。

以下、たぶん今後掲載予定記事のラインナップです。



■ウェスアンダーソン監督作品「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」レビュー。

 ウェスアンダーソンの軌跡と、

 作家性の確立に至った頃の話を詳しく。


■ハリー・ポッター全8作、苦行レビュー。

 全8作を一気に観直し、結局全部、

 生理的に駄目だったというレビュー。と考察。


■渡辺信一郎監督作品「カウボーイビバップ 天国の扉」レビュー。

 ノワール・ジャズ・SFの融合。

 オリジナル版全26話と劇場版の関係性。


■ギレルモデルトロ監督作品「ヘルボーイ」1&2 レビュー。

 ギレルモ監督の来歴。特殊メイクとCGの優劣。

 ロンパールマンとダークファンタジーの関係。


■サイモンペッグ&ニックフロスト特集

 2人の相性。監督エドガーライトの思惑。

 近年イギリス映画のハリウッドオマージュに対する姿勢。



他にもまだ候補が沢山あるのですが、

とりあえず、しばらくはこんな感じです。

6月14日公開予定
J・A・バヨナ監督作品「インポッシブル」をご紹介致します。
$映画大好き夜行性ブログ
まず、この映画の予告編ですが、
若干ネタバレ要素を含んでいます。
なので、出来るだけ予告編を見ずに映画館に行って頂きたい。

そして、この映画は実話です。
2004年スマトラ島沖地震と、ある家族のお話。
という事で、激しい津波の描写があります。
日本では未だこういうシーンを直視できない方も
いらっしゃると思いますので、ご注意くださいませ。

※注:以下若干のネタバレあり。

今回とにかくイイ仕事をしているのが、音響チームです。
めちゃくちゃ音が怖い。
オープニングいきなりの飛行機の音から、
津波の音、特に水中の音と映像描写がリアルでエグい。
まぁーー怖い。

そして俳優陣の演技。特に夫婦。
ナオミワッツは今作で、
アカデミー賞主演女優賞にノミネートされましたし、
ユアンマクレガーは、トレインスポッティング以来、
ここ数年では一番の演技ではないでしょうか。
まぁー泣かせます。

とにかく泣ける映画です。
家族の誰かに感情移入して確実に泣く。
僕はほとんど泣き通しでした。

実話ゆえのドキュメントチックな構成になっており、
主に家族のみに焦点が当てられ、
周りの人間にはほとんどスポットが当たらない為、
家族の誰かの目線で見えている世界というのが、
ものすごく実感できて、
誰か居なくなるとすごく不安になったり、
周りの人に言葉が通じなかったりした時の、
アウェー感などが実にリアルに感じ取れます。

そしてラスト。
分かっていてもやっぱり泣きますねー。
津波のリアルを実感したい方、
そして泣きたい方には、特にオススメです!


「インポッシブル」日本版予告編(※注:若干ネタバレあり。)↓